一問一答で理想の転職に導く「自己分析」に必要な項目とは

転職活動において重要となる自己分析は、自分自身に質問を投げかけて回答していくことで、答えを導き出していく取り組みです。しかし、その項目や質問とは具体的にどんなことがあるのでしょうか? 転職活動における自己分析のための項目について紹介します。

自己分析の基本的なやり方

自己分析は、ノートとペンがあればすぐにその場でできるものから、ツールやアプリを使用するもの、本を参考にしながら取り組みを進めていくものなど、さまざまな方法があります。最も基本的なやり方は、転職活動をする上で把握しておくべき内容について項目ごとの質問を自分に投げかけ、答えを紙に書き出していく方法です。

例えば、「転職したい理由」について考えていくときは、「なぜ転職をしたいと思うか」という質問を自分に問うて答えを紙に書いていきます。

自己分析の質問例

自己分析の取り組みでカギになる質問内容について、項目に分けて紹介したいと思います。これらの問いに答えることで自分についての理解を深めてみてください。

長所・短所

自己分析でまず最初に上げられる質問が長所と短所です。中には、「自分の短所は見たくない」「短所を面接官に伝えてもマイナスイメージになるだけ」と思う人もいるでしょう。しかし、短所というのは裏を返してみると長所であることもあります。

例えば、石橋を叩き壊しても渡らないような性格の人の場合、裏を返してみるととても慎重ということが言えます。これは、慎重な確認が必要になる業務などではプラスと受け取られることがあります。こうやって考えてみると、短所を書き出すことにも少し抵抗がなくなるのではないでしょうか?

また、確かに仕事に差し支えるような短所を伝えることはマイナスになる可能性が高いですが、そうでもない短所の場合は、「それをどのように克服しようとしてきたか」を面接官は見ています。あなたの伝え方次第で、短所も好印象につながります。
短所の話をするときは、「そんなつもりではなかったのに…」というようなことにならないために、面接官に伝える短所に何を選ぶか、先に考えて準備しておくのが良いでしょう。そのためにも、自己分析は役に立ちます。

また長所に関しては、真実味が伝わるように、短所の反面を表しているような性格を基にしたエピソードを選ぶようにしましょう。長所や短所を発見するための質問には以下のようなものがあります。

長所を洗い出す質問例

・自分の長所だと思う性格は?
・仕事の中でうまく進むと感じていることは?
・仕事や人生の中での成功体験だと思うことは?
・自分の性格で人から褒められたところは?

短所を洗い出す質問例

・自分の短所だと思う性格は?
・仕事の中でうまく進まないと感じていることは?
・仕事や人生の中での失敗体験だと思うことは?
・自分の性格で人から注意されるところは?

仕事観、キャリア観

仕事に対して何を求めているかが分かっていないと、周りの声に流されて仕事を決めたり、転職しても「自分がやりたい仕事ではない」と感じて別の仕事を探し続けるようなことになりかねません。

逆に言えば、自分が仕事に求める価値観が分かると、日々の仕事にやりがいを見出しやすくなり、安定して長く働き続けることが可能になります。そのためにも、自己分析で自分が仕事に対して持っている仕事観を意識化しておきましょう。以下は仕事観を見出すための質問の一部です。

・仕事で得られることの何に魅力を感じる?(お金・経験・スキル・出会い・専門知識など)
・仕事でやりがいを感じるのはどんなとき?
・今までの中で働きやすいと感じた環境はどんな環境?
・仕事の仕方が憧れる人とその理由は?
・昇進していきたい?自由に働きたい?
・どの業界でどんなキャリアを身に付けたいか?
・自分が理想とするキャリアに辿り着くためにどんなスキルが必要か

仕事においての価値観はいろいろあるかもしれませんが、どうしても譲れないものをクリアにするなど、優先順位を付けるようにすると良いでしょう。

人生観

仕事観が仕事に対する自分の考え方だったのに対して、人生観は、人生において大切にしたいことです。

人生の中の一部が仕事であるならば、人生観はあなたの根底にある価値観を見つけていく取り組みです。これを知っておくことによって、「プライベートを重視したかったのに、気が付けば残業続きの毎日」というようなことも防げるでしょう。そして、自分が幸せを感じる状況を意識化することによって、理想とする方向に近付けるように人生の舵をとっていくことができます。

・仕事以外の部分で関心を注いできたことは?(ボランティア活動・習い事など)
・プライベートでどんな風に活動できるのが理想?(定時で帰宅して料理をするなど)
・1年後・5年後・10年後、どんな自分になっていたい?
・人生において大切なことは何だと思う?
・心から楽しいと思ったこと、充実を感じたことは?

人生観は自分の心に素直に取り組むことが大切です。書き出しの段階では自己分析は人に見せるものではありません。些細なことでも「私はこれに幸せを感じる」ということを書き出すようにしましょう。

転職したい理由

意味のある転職にするためには、転職したい理由を明確にしておきましょう。退職理由と転職理由は別物です。

転職を考えるときというのは、「人間関係がつらいから辞めたい」「同じことの繰り返しに飽きた」などの理由がきっかけになることが多いですが、それはあくまでも「きっかけ」。もちろん、鬱病になりそうな程つらい場合は、すぐにでも転職した方が良いこともあります。しかし、一般的には気分に流されての転職はあとあと後悔することも多いものです。

そこで、自分がなぜ転職したいと思うのかをクリアにしていく項目に答えていきましょう。退職したいから転職するのか、転職を考えたから退職を決めたのか、時系列を意識して振り返るとそれぞれ別の答えが見えてくるはずです。

・なぜ今の仕事を辞めたいの?
・不満が解消したら今の仕事を続けられる?
・転職したら何を得られると思う?
・新しい職場に求めるものは何?

ポイントは、転職して何を実現したいかという前向きな希望を明らかにすることです。

職歴

続いては、職歴に関する質問です。職歴に関する項目は、細かいところまで書き出してみるのが良いでしょう。自分では、大したことないと思っていたり、記憶の片隅に押しやっていたようなことであっても、仕事で十分活かせるような経験になっていることもあります。職歴を洗い出す質問とは例えば以下のようなものです。

・これまで経験してきた職種は?
・それはどんな組織構成だった?(人数やポジション)
・仕事の中で担当してきた業務は?
・取り組んできた課題は?
・自分の中で印象に残っている仕事上の出来事は?
・携わった仕事のどんな部分にやりがいや喜びを感じていた?

経験した職種や業務などは時系列に書き出していきましょう。役に立つか役に立たないかはひとまず脇に置いて、まずは一通り挙げてみると発見があるでしょう。

スキル

スキルは、「どんなことを学び習得してきたか」ということに表されます。スキルに関しての質問も「今」だけに焦点をあてていると忘れているものがあったり、業務には関係ないから…と書き出していないものもあったりするかもしれません。
自分では、興味があって勉強していただけ…ということも仕事に活かせる可能性もあります。以下は、スキルを洗い出す質問例です。

・長く携わってきた分野、詳しく知っている分野は?
・仕事のために読んできた本や受講した講座、勉強したことは?
・得意な仕事相手は?(異性、同性、年上、年下、社内、社外など)
・仕事の中で覚えてきた技術は?
・社会人になってから取得した資格は?

自分が強く「得意だ」と意識しているものだけではなく、身に付けた知識や技術を思いつく限り挙げるのが良いです。

経験

仕事というのはいろいろな経験をすることができる場でもあります。その経験の中でも特筆すべきことがあれば伝えるようにしましょう。

下記に紹介した項目は代表的な例ですが、職場によって高く評価される経験というのは変わるので、下記の質問だけにこだわらずに、職場で評価された経験などから考えてみるのも良いでしょう。

・仕事をする中でどんな人達とか関わってきた?
・リーダーやマネージャーなど管理職の経験は?
・海外へ出張することはあった?
・社外の人との折衝、交流はあった?
・携わってきたプロジェクトの規模、内容は?
・達成感を感じたことや苦労したことは?
・仕事で使っていたパソコンソフトは?

また、企業は、「仕事の中で経験したかどうか」ということを重視します。「パワーポイントは使ったことがある」という説明と、「パワーポイントで部署が主催するイベントのチラシ作成を行っていた」という説明では、面接官が受ける印象は後者のほうが評価されやすいということです。こういったことも踏まえて書き出してみましょう。

実績

実績は、あなたを企業に印象付けるのには格好のアピール材料です。過去を遡って書き出すことができることがあれば隈なく書き出してみましょう。
また、この項目を通して得意分野もよりクリアになるでしょう。下記は実績を書き出すにあたっての質問例です。

・仕事の中でどんな実績を積んだ?
・追っていた指標は何?(目標は何で計っていた?)
・営業成績が上位になったことなど自慢できる成果は?
・周りの人に高く評価された実績や表彰されたことは?
・数字にはならないが周囲から感謝されたり褒められたたことは何?
・企画や提案、言動などで会社の制度や仕組みに影響を与えたことは?

職歴が浅い場合などで、書き出すことがない場合は無理に洗い出す必要はありません。しかし、どんな実績を語ることができるかを日々考えながら仕事をすることは、その後のあなたの市場価値を変えていくことになるでしょう。

経験が少ない場合の自己分析のコツ

第二新卒の人や仕事の経験が浅い人などは、答えることがないと思う質問もあるでしょう。その場合は、長時間話せるほどよく知っている事柄や周りの人にはなくて自分にはある知識や特技、人脈、経験、周りの人に褒められたことや喜ばれたことなどを意識してみると良いです。

例えば、SNS映えする写真の撮り方については人に教えることができるほど詳しく知っているということであったり、youtubeに投稿する動画制作に慣れているといったものも自分を表す特徴の一つです。

自分を知って、納得できる転職を

一つひとつの項目を埋めていく中で、自分でも気付いていなかった自分に驚く人もいるのではないでしょうか? 転職は人生の方向性を決める大きな決断にもなり得ます。転職を考え始めたら、なぜ転職をしたいのか、ということや自分の価値観、自分自身のアピール材料などを見つめ直して、心から望む状態に向かう転職活動にしていきましょう。

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