自己分析に取り組むときに注意しておきたいこと

転職をしたいけど何からすればいいか分からない。そんなときは、まずは自己PRや強みの引き出し方に繋がる自己分析を進めていくのがポイントです。転職のための自己分析をする際のコツや注意点について解説します。

理想の転職への羅針盤になる自己分析

自己分析は、質問項目への回答などによって、自分の価値観、長所と短所、スキルなどが浮き彫りになる取り組みです。ぼんやりと思っていたことも、言葉にすることによって「そうだったのか!」という発見があったり、「自分にはこんな特技があったんだ」という隠れた強みが分かったりと、メリットがたくさんあります。

取り組む方法も紙に書き出すだけの簡単なものから、ツールを使ったものまで豊富にあります。自分のやりやすい方法を見つけて、転職活動の軸を立てましょう。

自己分析に取り組むことで分かること

自己分析を行うことで分かることには、例えば以下のようなことがあります。

・自分で気付かぬうちに培っていたスキル
・自分の長所や短所
・失敗したときの対処の仕方
・仕事に何を求めているか
・自分が気持ちよく働ける環境の特徴
・今転職する必要があるか

これらの中には、自己分析に取り組まなくても、自分で何となく気付いていることもあります。しかし、文字にして書き出したり、表にして見比べたりすることで、自分でも気付いていなかった新たな一面を発見できます。
また、仕事に関するエピソードをたくさん思い出せるので、面接での質問に対する回答が具体的になり、より説得力のある面接対応ができるようになります。

自己分析するときに気を付けておきたい5つのこと

そんな自己分析ですが、取り組むときに注意をしておくべきことがあります。

1、あくまでも「転職のため」の情報収集であることを忘れない

自己分析をする目的は、あくまでも自分が望んでいる転職を実現させるためです。自己分析自体が目的となり、あまりにも幅広く掘り下げてしまうと、もともとの目的からかけ離れた取り組みになってしまいます。

幅広く掘り下げることで発見もあるかもしれませんが、やり過ぎると疲れてしまい、時間が掛かる割に転職活動の軸にすべき内容がどれなのか絞れない……ということになりかねません。

自己分析は性格診断や心理テストではありません。転職で失敗しないために、転職先を選ぶ条件を見つけることをゴールにやるのだと意識して取り組みましょう。

2、短所や失敗体験もきちんと洗い出す

自分の短所や失敗経験からは目を背けたくなる人が多いのではないでしょうか? しかし、短所や失敗経験の中にも、自分にはどんな傾向があって、失敗するときのパターンはどうなっているのかを知ることができます。

面接の際に企業側から、「一番の失敗について教えてください」という質問をされることもよくあります。「失敗したことはありません」というのは不自然ですし、面接官が知りたいのは失敗するかどうかではありません。「失敗したときにどうカバーするのか」という対応力や素直に謝ることができる誠実な人材かどうかを面接官は見極めたいのです。

また、失敗のあとの姿勢から、粘り強さや忍耐力、根気強さといった長所を見い出せることもあります。自己分析は、短所を見つけて落ち込むためのものではなく、短所や失敗をどうポジティブに言い換えるかという発想の転換をする機会でもあるのです。

3、幼少期から遡る必要はない

幼少期の頃から遡って人生を振り返っていく自己分析は、就活の際には向いていますが、転職の際には必要ない場合が多いです。企業は転職者に対して、社会人としての経験に基づく即戦力を求めていますから、転職のときに行う自己分析では、実際に社会人として働いて経験したことや、蓄えたスキルなどアピールできる強みを見つけることを意識しましょう。

面接の際に質問されたことを、学生時代のエピソードで回答してしまうと、「仕事では成果が出せない人なのかも?」という印象を与えてしまいます。仕事をしているイメージが湧かない人を企業は採用しません。

企業がどのような人材を求めているか、どのようなスキルを必要としているのかをしっかりと理解して、自分がそれとマッチしていることを明確にアピールするためには、社会人になってからの振り返りの方が大事であると分かるはず。

4、結果と過程を切り離して考える

積み上げてきた実績(結果)と、それを実現するために行った努力や工夫(過程)を切り離して考えることで、「自分には華やかな成果がない」と思っている人でも、アピールポイントを見つけることができます。また、「なぜ自分は成果を出せたのか」も整理しやすくなるので、その能力を生かした別の仕事へのチャレンジも思いつくかもしれません。

例えば、営業をしている人が契約数のランキングで社内1位に輝いたということが実績(結果)だとします。社内1位を達成するためには、多くの努力をしてきたはずです。営業のテクニックを学ぶために書籍を読んで学習したり、毎日お客さま先に訪問を続けたり、周りの成功している人に直接コツを教わったりなど、実現するための過程は人それぞれ。結果だけを洗い出すのではなく、その結果に至った過程を詳しく振り返るのが自己分析では重要です。

5、客観的な意見も聞く

自己分析は、自分自身で自分のことを分析する作業です。そのため、主観的になってしまったり、知りたくないことから無意識に目をそらしてしまったりする可能性があります。そこでおすすめなのが「他己分析」も併用すること。他者から見た自分を知っておくことで、弱みを克服したり、面接対策を練ることができます。

また、自分では簡単にこなせることも人には難しい場合があります。自分では特に長所として意識していなくても、他の人からは「すごい!」と思われている能力があるかもしれません。このように、強みを見つけることにも役立ちます。他己分析は、他者からの客観的な評価であるため、より信憑性を持たせてアピールの材料にもできます。

他己分析を活かした自己PRの例

他己分析を活かした面接での効果的な伝え方は、自分の強みをエピソードとともに話した後に、周りからも言われているとアピールすることです。以下例文です。

「私は向上心が強いです。普段の業務では、ただ単に業務をこなすだけではなく、今の業務を効率化できないのかという観点で仕事をしています。実際、毎日1時間掛かっていた業務を、マクロの自動化により5分に短縮させました。同じ部署のメンバーからも『工数削減できて助かる、こちらの業務も見てほしい』などと、業務改善の相談をよく持ち掛けられます」

前半部分だけでも強みは伝わりますが、周りに言われていると付け加えると説得力が増していますよね。

社会人歴の長さによっても自己分析のポイントが異なるので注意

応募者の年齢によって、企業が求めていることにも違いがあります。
20代前半は、社会人になってからの期間がそれほど長くない分、どんな気持ちを持って仕事をしたいと思っているか、という動機の部分がより重視される傾向があります。

20代後半になると、仕事の中で蓄えた知識やスキルを「入社後にどう活かせるか」というところが特に見られます。30代になると、より一層即戦力となる人材が求められるため、後輩の育成などの管理能力もチェックされることがあります。

こうした年代別での注意点もふまえて自己分析に取り組むと、より転職活動の役に立つ振り返りにになるでしょう。

注意点を踏まえてより良い自己分析を

自己分析は転職活動にベストコンディションで臨みたい人にとっては、必ず行っておきたい取り組みです。ここで紹介した注意点を意識すれば、充実した自己分析になること間違いなし! 転職活動の最初の段階でしっかり時間をとって、理想の転職を実現しましょう。

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