転職活動の手掛かりになる自己分析のさまざまなやり方を紹介

転職活動で十分な力を発揮するために、避けて通れないのが自己分析です。一人でできる簡単なやり方からツールを使った方法、人の力を借りたりする手法まで、さまざまな方法があります。今回は、自己分析を行う際のやり方についていろいろな方法を紹介します。

転職に関することをさまざまな側面から掘り下げる自己分析

まずは基本的な自己分析のやり方として、転職活動での軸やアピールポイントになることをさまざまな側面から掘り下げていく自己分析の方法を紹介します。

1、転職して実現させたいことを書き出す

自分が「転職して実現させたいこと」を紙などに書き出します。例えば、「休日出勤ゼロ」や「給与の良い仕事に就きたい」「英語を使う仕事に就きたい」など、自分が実現したいことを好きなように書いてみましょう。感情的な理由やネガティブなことでもよく、ひとまず全部書くことが大切です。

そして、それぞれの実現したいことに対し、具体的な目標を付け足します。休日出勤ゼロを目指すのであれば「週に2日は休日が取れて、友人と好きな場所へ遊びに行ける」といった感じです。これを繰り返すことで、具体的な数値が入った「転職して実現したい願望」が文章化されます。

将来の展望も踏まえた自己アピールや、転職先選びの条件を考えやすくなるでしょう。

2、社会人として自分の得意と苦手を書き出す

会社では机をきれいにするけれど、自宅では掃除が苦手という人もいるのではないでしょうか。普段の自分と社会人としての自分の性格のギャップを知ることで、自分が仕事に対するモチベーションやどんな環境ならより仕事がしやすくなるかを知ることができます。

まず仕事に限定して、紙に「自分が苦手なこと」と「やる気が出ること」をそれぞれ書き出します。書き出した内容をチェックして「どうしてそう感じるのか」を整理していくと、自分の仕事における特性が分かりやすくなります。

例えば、「ミーティングが嫌い。同僚と話すのが疲れる」という苦手なことがあったとします。一見すると感情的なことですが、理由を突き詰めていくと、「一人で黙々と進める仕事が向いている」という性格面の特徴などが見えてきます。

苦手なことはその逆が得意、とも言えます。やりたいことが見つからない、という方は特にこの方法はおすすめです。

3、自分が持っているスキル・経験を書き出す

仕事の中で身に付けたスキルや知識を整理し、自分ができることをまとめていくことで、自分の強みをより具体的に伝えられるようになります。

職歴を振り返り、仕事の中で扱ってきた商品やサービス、所属部署、異動歴、目標、成果、工夫したことなどを時系列で書き出します。そしてそれぞれの中で「特に印象に残っていること」をピックアップします。時系列で書き出すのは、最終的に職務経歴書や履歴書を書くときに「平成〇年就職」など、年数を書き込む必要があるからです。せっかくの自己分析を後で有効に使えるように、可能な範囲で年数を書いておくと良いでしょう。

そして時系列に合わせて、その印象に残っていることの中から、「自分が大切にしていること」や「その結果、次の仕事で活かせたこと」を見つけ出していきます。度々出てくる言葉や共通点があれば、それがあなたの大事にしている価値観である可能性が高いです。
エピソードを踏まえて整理しておくと、面接で自分の価値観をより分かりやすく示せるでしょう。

4、趣味の中から仕事に活かせることを書き出す

社会人になってからの経験が浅い人、また異なる業種や職種を目指す場合だと、「目指す仕事についてアピールできることがない」ことも多いでしょう。そんな時はプライベートなことに注目して自己分析を進める方法があります。ここでは趣味の中から仕事に活かせることを見つける方法を紹介します。

まずは、これまで自分が趣味としてきたことには何があったかを書き出していきます。趣味を見るけるのが難しい人は、「その話題については人よりも詳しく知っていること」や、「長年取り組んできたこと」、「休日になると行っていること」、「人に言われなくても自主的に研究をしていること」、「時間を忘れて取り組めること」、「ほかの人はやっていなけど、自分は好きなこと」などから趣味を探して書き出すと良いでしょう。

自己分析という側面から趣味を見つめ直していくと、趣味の中にも仕事に活かせることが見つかる場合があります。例えば、「海外旅行が好きでいろいろな国に行くうちに、ネイティブレベルで英語が話せるようになった」ということであったり、「スマホで良いアプリを見つけるが趣味で、プログラミングの勉強をして自分でアプリを作るようになった」といったことなども趣味から仕事に活かせる内容になるでしょう。また、自分が好きなことを書き出す中で、自分の適性が見えてくるというメリットもあります。

5、自己分析の中で気付いたことはメモしておく

自己分析でいろいろなことを書き出すうちに「もしかしたら自分は○○かもしれない」と気が付いたり、感じたりすることがあります。こうした気付きや感想はおろそかにせず、きちんと記録することが大切です。

例えば、「仕事と家事の両立のために、惣菜配達サービスを利用した」というエピソードと、「残業になったときに同僚と手伝い合って、一緒に早く終わらせて飲みに行くのが好き」というエピソードから、「何かを利用して仕事効率を上げる発想をしがち」という共通点に気付いたとします。これもまた、自分が知らなかった特徴の1つです。ここで書き出す言葉は「人に頼るのがうまい」「効率的なことが好き」「楽するための努力」など、短い言葉で構いません。気が付いたらどんどんメモをして、自分の特徴を見出す手掛かりにしていきましょう。

ツールを使った自己分析の方法

1人での自己分析がどうしても不安な人は、サポートツールを活用してみるのも良いでしょう。ここではその代表的なものについて紹介します。

転職サイトなどにある診断テスト、自己分析シートを使う

各項目に対する質問をノートに書き出すというシンプル過ぎるやり方が苦手な人や面倒に感じる人は、転職サイト各社からリリースされている診断テストや自己分析シートを活用してみましょう。

簡単な質問に答えていくだけの適職診断ツールや、仕事観や志向を分類する性格診断、市場価値や適正年収を把握できるサービスなど、さまざまなツールがあります。無料で利用できるサービスも多いため、自己分析の最初の一歩におすすめです。

自己分析に関する書籍を読んでみる

さまざまな出版社から、自己分析本が発売されているので、それを利用するのもいいでしょう。

自己分析と言えば新卒の就活生向けの書籍が多いですが、転職活動向けにも、ワークシートスタイルの本や転職のアドバイスをしてくれる本、心理学系の本など、さまざまな自己分析本があります。

自己分析の取り組みの流れや情報、手掛かりが記載されている本を読むことで、迷走してしまったときにも何らかのヒントがもらえることでしょう。

転職エージェントのアドバイザーに相談する

転職エージェント(キャリアアドバイザー)は、無料で転職相談に乗ってくれるほか、求人の紹介や職務経歴書のチェック、面接対策・セッティングなどをサポートしてくれる転職者の心強い味方となるサービスのことです。
20代・30代を中心に利用者が多く、多くの転職者のサポート経験から、職務経歴書や面接対策に対して豊富な知見を持ってアドバイスしてくれるのが最大の強み。その道のプロと対話しながら自分に向いている仕事を導き出せるので、納得感が高い自己分析ができるでしょう。

孤独になりがちな転職活動ですが、自己分析にとどまらず相談できる相手がいることで、心理的負担も軽減されます。

自己分析の後にすること

自己分析はそもそも転職活動に活かすためのものです。しかし、自己分析した後にいきなり転職先を探すのは危険です。次のような、自己分析の最後の仕上げを忘れずにしましょう。

仕上げ1:他己分析の内容と比較してみる

他己分析は、家族や上司、同僚、友人などに自分についての質問に答えてもらい、自分に対する客観的な意見をもらう取り組みです。他己分析では、自己分析とのギャップを確認することが大切なので、事前に自己分析をすませておきましょう。そして、他己分析の質問を準備して相手に聞いてみます。

「私の長所は何ですか」「私に任せたいと思うことは何ですか」など、自己分析で自分に投げかける質問を他人に聞くような感じで質問します。このとき、一緒に具体的なエピソードも聞くと良いでしょう。この質問はいろいろな人に行うことで、より精度の高い他己分析が行えます。他己分析が終わったら、自己分析の結果と比較してみましょう。そうすることで、より客観的に自分自身のことが分かります。

仕上げ2:転職の軸を絞り込み、具体的なエピソードをチェックしておく

自己分析の内容がある程度まとまったら「転職して実現させたいこと」「自分の性格の特徴」「自分ができること」の3つの視点で内容を整理してみましょう。この3つは履歴書や面接でいえば「自己PR」や「前職で得たスキル」といった言葉で質問される内容です。これらの視点に合わせて内容を整理していくと、転職先選びだけでなく、最終的に履歴書を書くときや面接を受けるときにも便利です。

さらに内容をチェックすると、嬉しかったエピソードなどポジティブなものもあれば、失敗した経験のようにネガティブなものもあります。これらを色分けしておくのもおすすめ。「転職して実現させたいこと」「自分の性格の特徴」「自分ができること」にそれぞれ具体的なエピソードをもって答えられる準備ができたら、自己分析はいったんは完了です。

自分に合った方法で理想の転職に向かう自己分析を

今回は、転職に関する質問に答える方法や、ツールを使った自己分析の方法などを紹介しました。どのやり方が取り組みやすいかは、その人によって相性があります。紙に書き出していたけど、何だか行き詰まっちゃった…という人は、ツールを使ったり、エージェントに相談をしたりするのも良いかもしれません。

自分に合った自己分析で、理想の転職に向かう回答を手にしましょう。

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