
テレビ業界ってどんなところ? 未経験でもチャレンジできる仕事が知りたい!
テレビ業界のお仕事といえば、アナウンサーやADを思い浮かべる人は多いかもしれませんね。しかし、華やかな仕事は競争率が高く、ADの仕事は激務、さらに所属する会社で待遇格差が大きいことでも有名ですから、憧れイメージだけで飛び込むのは危険かも。ここでは、テレビ業界とはどんなところか、未経験でチャレンジ仕事はあるかなどをご紹介します。

目次
テレビ業界には、放送する権利を持つ「テレビ局」と番組を作る「番組制作会社」がある
テレビ業界には、放送できる権利を持って放送業務を行う「テレビ局」と放送する番組を作る「番組制作会社」とに大きく分かれます。
テレビ局
テレビ局のうちで、「キー局」は東京にあり全国放送できる権利を持っています。「地方局」は、キー局の全国放送に協力する各系列局と独立局とがあります。他にケーブルテレビ局もあります。テレビ局は主にCMの広告収入で運営されています。唯一、受信料収入で運営されるのが公共放送事業体(NHK)です。
番組制作会社
「番組制作会社」にはテレビ局系列の番組制作会社と、独立系の番組制作会社とがあります。テレビ局の系列だと、番組制作会社所属でもテレビ局内で働くことが多いでしょう。しかし、多くの番組制作会社は自社制作してテレビ局へ番組を納品します。地方にも番組制作会社はありますが数は少なく、多くは首都圏にあります。
テレビ業界にはどんな職種(仕事)があるの?
テレビ局と番組制作会社では、転職で未経験OKの求人に違いがあります。
総合職(テレビ局)
テレビ局には「編成(制作)」「営業」「報道」「スポーツ」「技術・ネットワーク」「総務、人事、経理、経営戦略」「その他ビジネス」など多くの部署と仕事があります。キー局では、新卒も中途採用も「総合職」として採用し、適性をみて各部署に配属されることが一般的です。キー局のチャンスは第2新卒までで、4大卒の学歴に限られるなど受験資格が制限されます。
地方局の場合は第2新卒に限らないことも多いですが、営業(広告枠のスポンサー営業等)、報道(記者)、技術などの職種求人に偏る傾向があります。
アシスタントディレクター(AD) (番組制作会社)
番組制作会社では、業界未経験OKのアシスタントディレクター(AD)の求人が多くあり、学歴は問われないことが一般的のようです。ADは制作現場監督であるディレクターの補佐として、幅広い仕事をこなします。例えば、企画に関するリサーチやロケの準備、撮影場所への許可や連絡、ロケに同伴して出演者へのフォロー(お茶出しからカンペ出しまで)、現場の後片付けや撮影内容のデータ化などです。1番組で少なくて2~3人、多ければ7~8人のADがいます。ただし、激務で離職率が高いため求人が出やすいという側面もあります。
アナウンサー
キー局のアナウンサーはほぼ新卒採用です。地方局ではアナウンサー中途採用の求人はゼロではありませんが、かなりの高倍率になるようです。また、アナウンサーを目指す人はアナウンサースクールに通って準備する人も多いのでかなり狭き門だと考えましょう。
また、フリーアナウンサー事務所や芸能プロダクションに所属する「フリーアナウンサー」は首都圏だけでなく地方にもたくさんの事務所があります。ただし、応募資格が厳しい所や、そもそも広く募集をしない会社も多いので情報収集を丁寧に行わないと出会える確率は低めです。
カメラマン、編集などの技術職
専門的な機材を扱うカメラマン、編集、音響や美術などのスタッフは経験者の求人が一般的です。どうしても目指したいなら映像や音響技術、美術の専門学校に通って技術を身に付けてから応募するという方法がおすすめです。テレビ局、番組制作会社の他、撮影技術会社、音響効果会社や美術会社にも活躍の場があります。
テレビ業界に必要な経験や資格
未経験者でもテレビ業界へ転職できる経験、スキルはこれ!
テレビ業界未経験者で転職の可能性が高いのは、番組制作会社のアシスタントディレクター(AD)です。雑用からリサーチ、ロケ交渉など仕事はOJTとして現場で覚えていくので、必要な経験やスキルというのはありません。あえていうなら、基本的なPC操作ができることと、会社によっては自動車運転が必要かもしれません。
また、地方のテレビ局は「営業」と「報道」の求人が出やすい傾向にあるので、他の業界での営業経験や前職で社会情勢・動向に詳しくなれる職務経験は評価されるかもしれません。
未経験者でもテレビ業界への転職が有利になる資格って?
テレビ業界では、カメラマンなど一部の技術職を除いて、転職で有利になる資格というのはありません。
「普通自動車第一種免許」があって運転可能というのはアピールになる可能性はあります。技術職に応募しないなら、転職のために資格を用意する必要はないでしょう。
テレビ業界の最近の動向は?年収はどれくらい?
テレビ業界の最近の動向
テレビ業界を支えていた広告収入が動画配信サービスやSNSへも配分されるようになり、テレビ広告費の減少が課題となっています。また、若い世代がテレビへ回帰することは考えにくいため、テレビ局がネット動画配信へアプローチしたり、DVDやグッズ販売、その他の都市開発事業や観光事業、不動産事業など本業以外で多面的に稼ぐことに力を入れています。
キー局は、どの分野で稼げているのかというそれぞれの特徴もありますので、転職活動ではしっかりと企業研究を行って臨みましょう。
テレビ業界、特にキー局は高年収。反対に番組制作会社は低い
テレビ業界のキー局は、他業界と比べても高年収で30代で年収が1,000万円を超えることは珍しくありません。地方局はキー局ほどではありませんが、その他の業種や地域相場と比べると高年収のようです。テレビ局勤務は忙しく、時給換算すると高くないという意見もありますが、一般的には高年収が期待できる業界と言えそうです。
反対に、番組制作会社は全体的に低いようです。特にキー局の関連会社ではなく、独立系の番組制作会社の場合は同じ職種でもテレビ局勤務と比べて3倍から5倍も低いと言われます。年収は約240万円~700万円あたりでしょう。土日もなく、残業も多いことを考えれば好きでなければ務まらない厳しい世界と言えます。
※年収金額は、サイト内の求人情報や公的機関のデータなど幅広く調査した情報から総合的に算出しています
20代や未経験者のテレビ業界への転職は難しくない
テレビ業界は未経験者でも転職が狙えますが、希望の仕事に就くという意味では難しいかもしれません。キー局、地方局など条件の良い求人は高倍率となって競争がかなり厳しいです。ただし、「どんな仕事でもテレビ業界に関わりたい」「将来は番組企画をやりたい」といった意欲や目標があればアシスタントディレクター(AD)の求人は少なくありませんので、チャンスはあります。
ADの場合は、現場で経験して仕事を身に付けていくというスタイルになるので、学歴よりも採用側が求めるキャラクターや、体力があるといったことが重視されるでしょう。20代は特に有利といえます。女性でもADで活躍している方は少なくないようです。
テレビ業界のまとめと注意点
20代なら未経験者でも、テレビ業界への転職は他の年代に比べて有利です。ただし、注意点がいくつかあります。テレビ業界は大きくテレビ局と番組制作会社に分かれ、前者への転職は競争率が高く転職は難しいでしょう。後者の場合、アシスタントディレクター(AD)ならチャンスはつかめるでしょう。
また、テレビ局と番組制作会社では、年収でかなりの格差があります。働き方改革が進みつつあるとはいえ、長時間労働が日常ともいえるので、覚悟を持って飛び込む必要があります。
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