
面接で効果的な自己PRの伝え方・注意点とは?回答例文と合わせて解説
面接での自己PRでは、企業があなたを採用するメリットを伝えることが大切です。この記事では、企業が面接で自己PRを聞く理由や、回答例文を解説します。面接で自己PRを求められた時に、どのように話したら効果的なのかを確認して、自信を持って面接に臨めるようにしましょう。
面接における自己PRとは?
面接で「自己PRをしてください」と言われることは多いもの。このときに、自分の強みや長所を伝えることで、企業が自分を採用するメリットをアピールすることができます。その際に大事なのは、「履歴書に書いた自己PR」をただ読み上げるのではなく、「面接の場での自己PR」を意識することです。自分を売り込む絶好のチャンスとも言える「面接での自己PR」とは何なのか、解説していきます。
履歴書に書く自己PRと面接で話す自己PRの違い
自己PRは履歴書にも書く欄があることが多いため、「面接で話す自己PRと内容が被ってしまうのでは?」と、困惑する人もいるかもしれません。しかし、内容が被っていても履歴書は自己PRの「概要を説明するもの」、面接での自己PRではより具体的に補足し「面接官に自分を売り込むもの」という役割の違いがあります。
履歴書は記入できるスペースに制限があり、伝えられることにも限りがあります。無理にすべてを書いてしまうと、面接官から見て読みづらさにも繋がるため、履歴書には自己PRの要点だけを記入します。履歴書では「簡潔に自分の強みを伝えられているか」が重視されるということです。
その上で、面接の際には、履歴書に書いた自己PRの要点をもとに、書ききれなかった部分を補足する形で話し、より具体的にあなたの強みを相手に印象づける必要があります。
つまり、履歴書に書く自己PRはあくまで「要点」に過ぎず、面接の場ではより具体的なエピソードなどを交えて「面接官に自分を売り込む」ように話すことが求められているのです。
企業が面接の場で自己PRを求める理由
面接時に「自己PR」を求められた場合、これは単に自分の良いところを回答すればいいというわけではありません。なぜなら、企業側は、応募者が募集ポジションにマッチしているかを見極め、あなたを採用するか判断するために自己PRを求めているからです。
特に面接官が知りたいのは、以下の2つのポイントです。

自分のことを客観視できているかを知りたい
自己PRを考える上では、念入りな自己分析が必要になります。自分の実績やスキルを適切に把握できていないと、企業に自分をアピールすることはできません。
企業側は、自己PRをさせることで、応募者がいかに自分を客観視できているかを判断しています。なぜなら、自分を客観視できているかどうかは、実際に入社してからの働き方にも影響してくるからです。
自分を客観的に見ることができる人ならば、仕事においてどのスキルは活かせて、どのスキルは他者に頼るべきなのかを、判断することができるため、業務を円滑に進めることができると判断されます。
自社で即戦力になれる人材かが知りたい
中途採用で人材を募集している企業は、多くの場合が即戦力として働ける人を求められています。そのため、応募者が本当に自社で活躍できる人材なのか、強みや長所の質問では聞ききれなかったアピールポイントを聞くことで、該当するポジションで活躍できる人なのかを確認しているのです。
面接での自己PRの効果的な伝え方
面接の場で、どう話せば自己PRが面接官に伝わりやすいか、話す順番と伝え方のポイントを解説します。

ステップ1、まずは要点を一言で伝える
まずは、履歴書に書いた内容などでも構わないので、要点を一言で伝えます。「自分の強みは○○です」など、簡潔に伝えることで、この後話していく自己PRの核となる部分を示すことができます。
このとき、複数のアピールポイントを用意してしまうと、結局のところ何が一番の強みなのかが分かりづらくなってしまいます。伝えたいことは1つに絞り、その1点を軸として自己PRをするようにしましょう。
ステップ2、要点の根拠となるエピソードまたは実績を述べる
次に、最初に伝えた要点に、肉付けをしていきます。この時、履歴書に書いた自己PRを、ただ復唱するだけでは面接の意味がありません。履歴書で書いた自己PRの内容をさらに発展させていきましょう。
どのような経緯で、この結論に至ったのかを、具体的なエピソードや実績を踏まえて述べていきます。このときに重要なのは、できるだけ自己評価ではなく、他者から得た評価を話すことです。数値で示すことができる指標や、表彰を受けた経験などを盛り込むといいでしょう。
ステップ3、入社後にどう活かせるかを説明する
最後に、アピールした内容が、実際に入社した後にどう活かせるのかを話します。いくら今までの実績を踏まえて強みを伝えても、入社後の業務と繋がりがなければ、自己PRとしては意味がありません。過去の経験をこれからどう活かしていけるのか、面接に臨む企業の事業と結びつけて、入社後の展望を話すようにしましょう。そうすることで、面接官も採用した後のことをイメージしやすくなります。
面接で自己PRを話すときの注意点
面接で話す自己PRを伝える際には、いくつかの注意点があります。以下の4つに気をつけながら、自己PRを伝えていきましょう。

性格的な強みばかりをアピールしない
「面倒見が良い」や「周りから優しいと言われる」などの、性格面での自己PRは、アピールポイントとして弱いです。
なぜなら、自己PRにおいて面接官が判断しているのは、「仕事上での能力がどれくらいあるか」「入社後に活躍してくれそうかどうか」だからです。つまりどれだけ性格の良さをアピールしても、面接官が求めている情報とは異なるのです。面接での自己PRでは、できるだけ業務に関係のあるポイントをアピールしましょう。
ただし、性格が「仕事上の能力や成果」と結びついている場合なら、話題として挙げる自体は問題はありません。例えば「普段から面倒見が良い性格のため、後輩指導が得意で、チームで××の成果を挙げることができました」などと言えることができます。
抽象的な言葉はなるべく使用しない
「いろいろ」や「さまざま」など、アバウトな言葉を多用するのは避けましょう。面接官が知りたいのは、今までどのような実績を残してきたかの、具体的な例です。
「いろいろな業務を行ってきました」と「〇〇の業務において△%増を達成しました」では、伝わる情報量が異なります。
今まで携わってきた仕事の棚卸をしっかりして、アピールできる具体例を話せるようにしておきましょう。
志望動機と混同させない
志望動機と自己PRは似て非なるものです。志望動機は、企業を選んだ理由を述べるためにあります。応募した企業のどのような点に魅力を感じたのか、自分のやりたいことも含めて説明します。
自己PRは、自分が何をやってきたのかを述べるためにあります。今までつちかってきた能力がどのようなものなのか、そしてその能力は入社後にどのように活かせるのかを説明します。
この2つを混同してしまうと、能力について聞かれているのに、自分の希望についてだけ話してしまうということが起きてしまう可能性があります。今は何について聞かれていて、何について話せばいいのか、しっかり整理して面接に臨みましょう。
だらだらと長く話さない
面接では、「1分程度で自己PRをしてください」と時間を指定されることも多いです。もしも、時間指定がなくても、1分程度で話すように心掛けましょう。それより短いと、採用に対する意欲が見られないと判断されることがありますし、反対に長すぎても、何を伝えたいのかがあやふやになってしまいます。面接に備えて、事前にストップウォッチなどで測りながら「1分間で自己PRをする」練習をしておくといいでしょう。
自己PRの回答例と伝え方のポイント
次に、実際にどのような自己PRをしていけばいいのか、ケース別に回答例を紹介します。これらを参考に、自分のオリジナルの自己PRを考えてみてくださいね。
正社員を目指す場合の自己PR
私は、常に自分に与えられた業務だけでなく、部署全体の業務が効率良く進むよう、主体的に取り組むことができます。
前職では、5名の営業スタッフのアシスタント業務を担当していました。アシスタントと言っても、単純作業を代行したり、営業担当者の指示を待ったりするだけではなく、営業部全体の状況を把握し、率先して業務を進めることを心掛けていました。
例えば、繰り返し発生する提案書作成業務をマニュアル化し、営業スタッフの負担を減らした取り組みがあります。昨年、営業部の売上が落ちていたときに、営業スタッフ一人ひとりの作業時間が多く、提案に時間を割くことができないことが、会社として問題視されていました。
そこで私はアシスタントの視点から、「提案書作成業務」のやり方が人によってバラバラであることに原因があるのではと考えました。そこに気付いてから2週間でマニュアルをつくり、自分がアシスタントを担当している営業スタッフに配布したところ、「提案書作成がスムーズになった」ととても好評をいただきました。そしてそれを横展開し営業部全員に配布したところ、2カ月後には全営業スタッフの残業時間を月平均3時間減らすことができました。
この頃から、与えられた業務だけではなく、主体的に仕事に取り組むことの重要性を感じており、今後はさらに責任が必要とされる仕事に取り組みたいと考えるようになりました。今後は正社員として、より仕事の範囲を広げ、部署全体に貢献していける人材になりたいと思っています。
伝え方のポイント
前職において主体的に取り組んだエピソードを、面接官がイメージできるように、履歴書の内容からさらに具体的に説明しています。
最後にこれらの経験を活かして「正社員としてどのようになりたいのか」を伝えることで、面接官に入社後の活躍イメージを具体的にアピールできます。
未経験の職種を目指す場合の自己PR
私は自分の担当領域を決めつけずに、柔軟に行動することができます。
私は現在、ギフト用食品の販売業務を行っておりますが、この仕事には個人に与えられた売上ノルマはなく、店舗売上の目標があるのみでした。しかし私は、自分自身の「目標」を決めた方が成果を出しやすいと考えていたので、売上目標を「毎月50万円(店舗売上好調月の約15%)」と自ら設定し、時期に関係なく一定の販売数が保たれるように意識しました。
顧客一人当たりの購入単価が5000円程度なので、目標を達成するには毎月100人のお客様に購入してもらわなければなりません。しかし繁華街の店舗ではなかったので、目標を達成するためには、リピーターの獲得強化が必要だと考えました。
そこで来店したお客様に積極的にお声掛けをして仲良くなったり、お客様の情報はメモに残しておくなど、年間を通して購入率をアップさせることに取り組んで参りました。
また、売上アップのためにお店のポップ作りを提案し作成してみたり、新規キャンペーンのアイデアを出したりして、いかにリピーターのお客様に楽しんでもらえるかを考え続けてきました。
その結果、私を指名してご来店してくださるお客様が増え、直近12カ月のうち10カ月は、自分で立てた売上目標を達成することができました。
このように目標達成のための手段を考え、自分の領域を超えて実行するスキルは、貴社での××の業務においても貢献できると考えています。法人営業職の経験はありませんが、前職で身に付けた積極性や目標達成のための計画力、実行力を活かして、貴社で活躍したいと考えています。
伝え方のポイント
未経験職種であったとしても、前職と共通して活かせるスキルを見つけ、アピールすることで、面接官に「経験がなくても活躍してくれそう」と印象付けることができます。また過去の実績を「数字や具体例を示す」ことで、希望職種との親和性をアピールすることができます。
経験職種と同職種の職種を目指す場合の自己PR
私は、「達成に向けてできることは全てやる」ことをモットーに仕事を進めています。
前職では新卒入社以来、クリエーティブ職に特化した求人広告の法人営業を担当しており、毎日の振り返りはもちろん、先輩のスキルを学ぶために現場に同行するなど、売上目標達成のために必要だと感じたことは全て行ってきました。
また、クライアント理解のためにクリエーティブ業界セミナーに通うなど、長期的な視点で役立つ知識のインプットも行ってきました。そのため、クライアントからは「業界構造や事業をしっかり理解した上で提案してくれるので信頼できる」と評価いただくことも多いです
入社3年目にチームリーダーに任命されてからは、チームの目標達成にも力を注いでいます。毎日メンバーと朝会を行い、数字を現状把握する機会を作ったほか、目標への進捗が良くないメンバーと共に対策を立てる時間を設けました。その結果、チームでの目標達成率は前年比150%を果たし、社内でも最も高い成長率となりました。
その結果、入社2年目の6月に初めて月間MVPを受賞し、その後3年間で6回受賞しています。
今後は同じ求人広告でも、クリエーティブ職以外の求人を扱うことも多いため、これまで培ってきた求人広告の提案スキルを活かしながら、業界知識を幅広く身に付けることで、実績を残していきたいと考えております。
伝え方のポイント
同職種への転職を希望する場合は、面接官も業界・職種に対する深い知識を持っていますから、細かいディテールまで説明することで、より具体的な活躍イメージを伝えることができます。また同職種転職の場合は、入社後の展望だけではなく「環境が変わることで、起きる変化に対する対応策」についても言及するといいでしょう。
第二新卒の場合の自己PR
私は、仕事を行っていく上で何より大切なことは、「正確・迅速」であると考えているので、失敗やミスをできる限り発生させないようにしています。
特に大事にしていることは「納期には絶対に遅れない」ことです。なぜなら、仕事をする上で他のメンバーに信頼してもらうためには、ミスをしない、納期を守るなどの基本が重要だと思うからです。
例えば昨年の繁忙期には、例年より商品の受注が多くメンバーのほとんどが残業して対応に追われていました。しかし私は納期が遅れないように常にタスクを前倒しにして仕事をしてきたので余裕があり、他のメンバーの業務に手を貸すことができました。その結果、チーム全員が、ミスなく、期日通りに納品することができたのです。その際も正確・迅速な仕事を心掛けていたので、制作管理の担当からも大変感謝されました。
そのときから「○○さんと一緒に仕事がしたい」と他部門の方からも言ってもらえるようにもなりました。
貴社に入社したら、必要なスキルを1日も早く会得できるように積極的に学び、より一層「正確・迅速」さを大切に仕事を行い、信頼される存在になりたいと思っています。
伝え方のポイント
第二新卒の自己PRでは、アピールできる実績がないことも多いです。その際は、自分が仕事で大事にしていることを具体的なエピソードと共に伝え、その上で転職先でどう成長していきたいかを述べることで、面接官に「スキルは足りないかもしれないけれど、こういう考えを持っているなら自社で成長してくれるかもしれない」と印象付けることができます。
ブランクがある場合の自己PR
私は、常に必要な知識をインプットするための努力を続けることができます
前職では外資系ホテルのフロントとして働いており高度な語学力が必要とされていました。そのため英会話スクールに通ったり、通勤時間は英語のリスニングの勉強にあてたり、常にインプットを心がけていました。
次の仕事でも英語力を生かせる仕事がしたいと思っていたので、その習慣は今でも続けています。毎日1時間のリスニングと、英会話スクールでのスピーキング、最近では文法の勉強もし直すなど努力を続けることでTOEICの点数を昨年の在職時よりも100点ほど伸ばすことができました。努力をし続けたことは、私にとっても大きな自信となり、今では海外の方相手にも堂々と接することができます
今後は、前職での経験と退職後に身に付けた英語の知識を活かしながら、さらに高い専門性を身に付けたいと考えています。英語の勉強は継続しながら、海外のお客さまに質の高いサービスを提供するために、接客スキルを身に付けるための努力を重ね、貴社で1日も早く即戦力として活躍できるよう精進していきたいと思っています。
伝え方のポイント
ブランクがある場合の自己PRでは、特に「ブランク期間にどのような努力をしていたか」を具体的なエピソードと共に伝える必要があります。前職からブランク期間も続けて努力していることと、なぜそれを続けられたのかを伝えられるといいでしょう。
自己PRをしっかり準備して、企業に自分を売り込もう!
自己PRで大切なことは、企業にとっていかに自分がプラスになる存在であるかをアピールできるかどうかです。しっかりと企業分析や自己分析を行いながら準備をして、自分を売り込んでいきましょう!
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