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JUN/2013

原因は深層心理にあった!先輩女性が新入社員にイラッとしてしまうワケ

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先輩社員

入社から2カ月も経てば、初々しかった新入社員たちも会社という場所に慣れてくるころ。実際に業務を教える立場としては戦力が増えてうれしい反面、「こんなことから教えなきゃいけないの!?」と苦労が増えてくる時期でもある。

新入社員との職場でのコミュニケーションの中で、「自分が新人のころはこんなんじゃなかった」「常識が通じない」なんてついイラッとしてしまう先輩社員になっている人も多いのでは? でも、それでは心の溝は深まるばかり! 彼らとの付き合い方にストレスを感じなくなるための方法を、心理カウンセラー・みずがきひろみさんに聞いた。

【原因①】
中堅世代が無意識に感じる「見てもらえてない」不安

オフィスでの対人関係は、働く女性たちが常に抱える悩みの一つ。特にアラサーと呼ばれる中堅層は、上司と新人の板ばさみになり、“しわ寄せ”が生じやすい。

「上の人たちからすると、職場内で“お姉さん的世代”の人たちは『何でもできて当たり前』なので、なかなか褒めてもらえないのに対し、新入社員は『何もできなくて当たり前』なのでちょっとしたことですぐ褒められる。こうした状況に、中堅の女性社員たちは自分たちでも気づかないうちに不満や“見てもらえていないのでは”という不安を溜め込んでしまうのです」(みずがきさん)

本来ならば許せるくらいの新入社員の言動を、つい厳しい目で見てしまうのは、「自分は上から認められていない」という不安感が根底にあるから。小さい子どもによくある、お姉ちゃんが妹にやきもちを焼く「幼児がえり」と似た心理なのだとか。

【原因②】
日本人ならではの“あうんの呼吸”が通じると思っている

「実は、上司が中堅の社員たちに厳しいのは、『何年も付き合っているんだから、ぼくが君を信頼しているのは知っているよね』という前提。そう口に出してくれたら女性側も安心するのに、『通じてる』と思っているのでそこまで気を遣ってくれないんですよね」

日本には、「言わなくても分かる」のが良い関係であるという文化がある。先輩社員自身も新入社員に対してそういった意識があるので「何でこんな当たり前のことが分からないの」と感じてしまうのだ。しかしそれは同じような環境で育って、同じ常識を有していることが前提。現代は、経済状況やITの目覚ましい発達によって、5~6年の間で常識もガラリと変わってしまう時代であることがコミュニケーションにも大きく影響している。

例えば、新入社員の中に、電話対応が極端に苦手な子はいないだろうか?

「昔は友達を誘うのにも自宅に電話して『○○ちゃんはいらっしゃいますか?』と家族の方に繋いでもらっていたのが、今はLINEなどを使って『いる?』で通じますよね。つまり、電話対応が苦手なのは“電話で話す”というシチュエーションの経験値の違いが原因なのです。コミュニケーションの常識は6歳離れていたら通じないものと思いましょう。あうんの呼吸は、同じ常識を共有していることが前提ですが、新入社員にはそれがない。人は、自分と違うものを怖れる心理があるので、『常識が通じない=自分と違う』ととらえてしまい、反射的に警戒心を持ちます。同じ常識を共有していると期待していたのに、それがないと分かると、裏切られたような気持ちになり、怒りの感情が生まれてしまうのです」

深層心理で、自分が否定されるかもしれないという怖れを感じていると、それを押さえ込もうとして、無意識のうちに相手を否定したり拒否してしまう。新入社員に常識がないのではなく、「自分とは別の常識を持っているのだ」と違いを意識することで、感情に巻き込まれずに、まずはその会社での常識を共有してあげることが必要なんだと冷静に対応できるはず。

【原因③】
「仕事がきちんとできる」自覚が持てない

もう一つ、日本人ならではの性質として、「言わなくても分かる」文化と同じくらい「自分のことを評価するのが苦手」とみずがきさんは言う。「自分なんてまだまだ」と思うことが若手のあるべき姿だと強く思うあまり、職場での仕事もちゃんとできるようになっているのに、それを自分で認められずにいる女性が多いという。

「先輩という立場ではあるけれど、自分はまだ未熟だという感覚が強いのがこの世代の辛いところ。でも、キャリアアップし役職が上がっていくにつれ、自分を評価してくれる人はどんどん減っていくもの。『わたしはきちんと仕事ができている』と、自分で自分を正当に評価できれば、手の掛かる後輩も『できないやつだけどわたしが教えてやるか』と余裕を持って受け入れることができるようになりますよ」

新入社員にイラッときたら試して!
気持ちを切り替える方法

こうした心理的要因から、職場での後輩とのコミュニケーションにストレスを感じやすくなっている中堅女子たち。頭では分かっていても、新入社員たちを見ていると「常識が通じなーい!」とイラだってしまうこともある。そんな時、パッと気持ちを切り替えるための、“後輩との付き合い”が楽になる思考法を教えてもらった。

●「常識を共有していないだけ」と思う

「『相手は分かっているはず』と思っていると、『分かっているのに言うことを聞かないのは、わたしを無視している』と敵対する気持ちになってしまいます。『嫌いなんじゃなくて分からないだけ』と思って、『これが社会、この会社での常識なのよ』と教えてあげましょう」

●同期やその前後の同僚とグチって発散する

「同じ層にいる人たちは競争しやすい人でもありますが、新入社員の指導で悩む気持ちを分かり合えるのもこの層です。辛い立場を同期にグチるのは心理的なストレス発散になるので、良いこと。ただし、最後は『でもわたしたち会社の中で一番仕事をこなしているよね』とお互いに褒め合って終わるようにしましょう」

●考える力は少しずつ鍛えてあげる

「この世代は、小学生のころからインターネットがあって、情報過多の中で生きてきた子たち。“あるものの中から選ぶ考え方”がベースになっているので、“ないものを探す考え方”を持っていない子が多いのです。『次の会議の準備をしておいて』という指示だと動けないけれど、『次の会議のために、あの書類とこの書類を人数分印刷しておいて』と言うときちんとできるんです。面倒くさいと思わずに、具体的に指示を出してあげて、その時に、それが何のために必要なのかを教えると、少しずつ考える力が付いてくるはず」

●「そういうキャラクターなんだ」と心の中でキャラ設定する

「例えば時間通りに仕事を終わらせられない後輩は『ダラダラ星人』と心の中で名付けてしまいましょう。そうすると『あ、ダラダラ星人には細かく進捗管理しなきゃだった』と何となくゲームっぽく感じられませんか? そうすると自分の中で後輩とのやりとりがコミカルになって、深刻に悩まないようになれますよ」

新入社員とのコミュニケーショントラブルは、まじめな人ほど「わたしがうまく指導してあげられなかった」と抱え込みがち。「でも、そういうギャップを中堅層だけが埋めなきゃいけないのは大変。あまり自分を責めないで」とみずがきさんはアドバイスする。

“お姉さん世代”の働く女性たちは、自分たちの仕事を持ちながら新入社員の指導をしている。そのことをきちんと認め、「すごいことできてるんだ」と自分を褒めてあげることから始めてみては?

 心理カウンセラー みずがき ひろみさん

心理カウンセラー みずがき ひろみさん

大学卒業後20余年、外資系の証券会社や運用会社で株のアナリストとして活躍。自身の離婚問題をきっかけに心理学を学び始める。人生の転機を心理学を使って乗り越えてきた経験をもとに、コミュニケーション、パートナーシップ、自己成長に関わる問題に独特の強みと実績がある。自分では気付きにくい微細な感情や願望に光を当て、クライアントがより深く自身の想いとつながり、自分の進むべき道を選び取るプロセスをサポートする ブログ http://blog.livedoor.jp/cs_romi/

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