スタートアップ転職で2社内定、どっちの会社に入社する?最終判断の決め手とは【時短ワーママ転職体験記】
仕事か、プライベートか。働き方を二者択一で考える時代はもう終わり。「仕事のやりがい」も「子育て」も。全部諦めないと決めた“仕事大好きママ”の「時短転職」体験記をお届けします!

「お母さんは無理をしない方がいいでしょ? 時短勤務なのだから、頑張らない方がいい」
育休から復職して半年。子育てとの両立にも慣れてきて、仕事のギアを入れたいと思っていた時に、上司にそう言われてモヤモヤ……。「仕事も家庭も諦めたくない。どちらもやりがいを持ちたい!」と転職活動を始めた私。
転職活動がコロナ禍と重なり紆余曲折ありましたが、なんとか内定を得ることができました。
>>【体験談】時短ワーママの私がスタートアップ企業の選考を受けて困ったこと・うれしかったこと
こうして人生初のスタートアップ企業にいよいよ入社することになるのですが、今回の記事では最終的に転職先をどのように決めたのか、その理由について書きたいと思います。
内定2社、選考辞退1社。最初に決めた「転職軸」を思い出して企業選び

2020年3月、新型コロナウイルスの感染が拡大し始めた頃、私は転職活動の終盤戦を迎えていました。
当時、私は最終面接に5社進んでいたのですが、最終的に2社が採用ポジションをクローズ、残る3社のうち1社は対面面接ができないため選考の延期を繰り返していました。
できることなら、心ときめく1社に入社したい。だからこそ、できたら複数社の内定を得て比較したい。それが本音でした。
けれど、実際のところは同時期に内定を複数社から得るのは難しく、最終的にはほぼ同時に内定をいただけた2社から入社する会社を選び、1社は選考を辞退しました。
ここで改めて思い出したのが、転職活動の一番始めにじっくり考えた自分の「転職軸」です。
過去の記事でも触れましたが、私は今回の転職活動で「時短勤務ができる」「フレキシブルな働き方ができる」「経営理念に共感できる」の三つを最優先事項にして、企業との面接を繰り返してきました。
ただ、実際にその企業の方とお話しすると、思いもよらない「いいな」と思うポイントが出てきたり、「これは自分に合わないかも」と思うことがあったりします。
そんな中で迷うこともありましたが、そのたびに、「自分は何のために転職するのか」を思い出し、自問自答を繰り返しました。
給料、福利厚生……「目先の条件」より「カルチャーマッチ」を重視

私が内定を得た2社は、最初に決めた三つの転職軸をどちらもクリアしていたので、とにかく悩みました。
悩み始めると、あわよくば「給与が高い方がいいかな」とか、「福利厚生がいいのはどっちかな」とか、できることなら「フルリモートがいいな」なんて、ついあれもこれも条件をプラスしてしまいたくなります。
しかし、一番大事なことは目先の条件にとらわれ過ぎないこと。過去の転職で苦い経験をしたことを思い出し、自分に言い聞かせました。
そこで、三つの転職軸に加えて私が判断の基準としたのは、カルチャーマッチの部分です。給料や働き方は入社後にも変えられるけど、会社のカルチャーを変えるのは相当難しい。
だから、より「心地よく働けるイメージが持てる」のはどちらの企業かを検討しました。
最終的に今の会社に入社したのは、お会いした社員の方と話をしていて楽しく、会話が尽きなかったから。「この人たちとだったら、ずっと一緒に働けそう」とより実感できた企業を就職先として選びました。
もちろん、フルリモートで働けたり、フレックス制度が使えたり、給与や福利厚生など待遇がいいに越したことはないのかもしれません。
けれど、入社後に自分が活躍できなくては、そうしたものがあっても幸せには働けないと思いました。
それに、「時短勤務でも、やりがいを感じながら仕事に前向きに取り組みたい」というのが私の転職動機でしたから、この目的を果たすためには、限られた時間の中で最大限に周りの人とうまくやっていける環境が一番だと考えたのです。
転職直後の緊急事態宣言で、意図せずフルリモートワークで業務開始

転職後は、コロナ禍ということでフルリモートで働くことに。
転職活動中に提示されていた条件は、「時短勤務」で「通勤あり」、希望に応じて「週1~2の在宅勤務が可能」というものだったのですが、結局のところ、環境の変化に応じてこれらの条件も変わったのです。
繰り返しになりますが、こういう働き方などの条件は、世の中の動向や自分の状況次第で入社後に変更がきくもの。なので、目先の条件にとらわれずに会社を選んでよかったな、と思います。
ただ、フルリモートワークは時短ワーママの私にとってメリットではあるものの、いきなり見ず知らずの人とオンラインで業務を開始するのは初めてだったのでドキドキしました。
さらに、時短勤務となると、会社の同僚とコミュニケーションを取れる時間も短く、自分のことを知ってもらうのも相手を知るにも一苦労。相互理解を深めるために、工夫をしながら働いていく必要がありました。
そこで次回は、意図せずフルリモートでスタートアップに入社した時短社員の私が、どのように職場に馴染んでいったか、「分からないことだらけ」「知らない人だらけ」の状況を打開していったかを紹介してみたいと思います。
※次回、11月下旬公開予定です

【著者プロフィール】
永見 薫
1982年生まれ、東京都在住の会社員兼ライター。3歳児のママ。不動産系企業を複数経て、2020年6月に時短勤務転職をして、再生可能エネルギーの事業会社へ。「暮らすこと」と「働くこと」が交じり合ったライフスタイルが理想。サスティナブルやまちづくり、働くことに興味があり、関心分野の取材やインタビュー記事を執筆中。◆note ◆Twitter
文/永見薫