企業のリモート廃止に9割の女性が反対! 転職で「柔軟な働き方」ができる会社と出会うためにできること

リモートワークができる会社

コロナ禍を経て、あらゆる職場で浸透したリモートワーク。

場所を問わず働けるようになって仕事復帰を果たせた人、オフィスに縛られずに働くことができるようになり精神的・肉体的なストレスが減った人など、リモートワークに救われた女性たちも多いはず。

ただ、外資系企業や大手・IT企業等を中心にリモートワークを廃止・縮小し、出社回帰を宣言する企業の動きが目立つようにもなっている。

・米アマゾン、リモートワーク廃止へ(出典
・LINEヤフーがフルリモート勤務を廃止(出典
・サントリーなど日本企業も出社回帰(出典

こうした企業の動きを働く女性たちはどのようにとらえているのだろうか。

約9割の女性が「リモート廃止」に反対

Woman type編集部が行ったアンケート調査では、約9割の女性がリモートワークを廃止・縮小する企業の動きに「反対」と回答。

リモートワークができる会社

企業がリモートワークを廃止する動きに「反対」とする人からは、

「家事や育児の時間が確保しづらくなる」(一般事務/32歳)

「在宅の方が効率化できる職業までやめる必要はないと思う。生産性が落ちる」(IT事務/23歳)

などの声が寄せられています。

さらに、実際にリモートワークで働いている女性たちからは、

「往復2時間の通勤時間がなくなり、睡眠時間が増え、心身ともに余裕ができた」(32歳/デザイナー)

「集中力が高まり、仕事の生産性が上がった」(29歳/エンジニア)

という意見も。

一方、出社回帰もやむなしと考える女性たちからは、

「社員同士のコミュニケーションが活性化するので、組織としてはその方がいいのではないか」(薬剤師/32歳)

「仕事で困ったことがあった時や悩みがあるとき相談しやすくなるから」(営業/27歳)

という声があがった。

転職先選びも「リモートワークができるか」重視

通勤時間の削減や、集中できる環境による生産性向上、職場ならではのストレスを回避できる点などは多くの人がリモートワークに感じるメリット。

また、日本においては家事・育児に関する労働が女性に大きく偏っている現状もあり、仕事と家庭の両立に「リモートワークは欠かせない」と感じる人が多い。

今後の転職先選びにおいても、「リモートワークができる環境があるか」を重視する女性は約8割にものぼった。

リモートワークができる会社

「とても重視する」と回答した女性たちからは、

「今は出社でもいいが、必要な時にリモートワークができる環境があれば、長期的にその会社で仕事を続けていく上での安心材料になると思う」(26歳/営業職)

「選択肢をたくさん持てることが大切。一つの働き方しかできないような会社は、それができなくなったときに辞めなければいけなくなる」(29歳/事務職)

などのコメントが寄せられている。

リモートワーク導入で女性管理職が増える

リモートワークができる会社

フルリモートワークで企業経営を行うWaris共同代表で国家資格キャリアコンサルタント田中美和さんは次のように語る。

「出社回帰による社内の反発がたとえ大きかったとしても、企業が出社回帰を望む理由は、対面で働くからこそ得られるメリットを重視しているからでしょう」

出社のメリットとしては、同じ場所に集まることで、非言語コミュニケーションが加わり議論が活性化しやすいことや、偶然の出会い・情報収集によってイノベーションが生まれやすくなることなどが挙げられる。

ただ、同社が実施したアンケート調査(管理職女性260名が回答)によれば、「女性管理職を増やすために有効だと思うこと」について、「柔軟な働き方の実現(フレックスタイム・リモートワークなど)」と答えた人が約7割という結果も。

(株式会社Waris「女性管理職に関する調査」より)

女性のキャリアアップを促したり、キャリアの中断を防ぐ意味でも、リモートワークなどの柔軟な働き方ができる選択肢を残すことがいかに重要なのかが分かる。

労働人口の減少が社会問題となる中で、居住地に縛られずに人材採用ができる点や離職率を下げる観点からも、企業がリモートワークを継続するメリットは大きい。

「今後は、出社とリモートワークを組み合わせるハイブリッドワークがますます主流になっていくのではないかと見ています」(田中さん)

引用元:出社回帰する企業が増える今、リモートワークを続けるためにできる4つのこと https://woman-type.jp/wt/feature/36129/
引用元:出社回帰する企業が増える今、リモートワークを続けるためにできる4つのこと

「柔軟な働き方」ができる会社と出会うためにできること

リモートワークができる会社

では、ライフステージの変化があっても長く働ける、固定化された働き方に縛られずに昇進・昇格してキャリアアップができる……そんな会社と出会うためには何が大切なのだろうか。

株式会社キャスターで新しい働き方の調査・分析を行う「Alternative Work Lab」所長の石倉秀明さんは、「企業のSNSやnoteなどで発信している内容を見てみたり、カジュアル面談や面接などを利用したりして、企業に直接話を聞く機会を持つことが大切」だと話す。

一般的に転職活動は「転職したい」と思ったときに行う人が多い。けれど、実際に転職するかどうかは別として、転職活動自体はいつでも・誰でも行うことができる。

「日頃からカジュアル面談をしてみたり、会社の情報にアンテナを立ててみたり、転職しなくてもいいから薄く長く転職活動を続けつつ機会を探るんです」(石倉さん)

引用元:「出社回帰が進む」は誤解? 専門家が予測する2025年の働き方トレンド【石倉秀明】 https://woman-type.jp/wt/feature/37133/
引用元:「出社回帰が進む」は誤解? 専門家が予測する2025年の働き方トレンド【石倉秀明】

出会いの数を増やしていくと、多様な働き方の実現を本気で目指そうとしている会社なのかを見抜く目も養われてくる。

また、さまざまな企業を実際に見ていく中で、自分が「惹かれる」ポイントが明確になり、いざ転職するときに「転職軸」を定めやすくなる効果も。

リモートワークやフレックスなど柔軟な働き方ができることも含め、何が自分のキャリアにおいて大切なのかぜひ考えるきっかけにしてほしい。

【調査概要】
●調査方法:20~39歳の女性へのWebアンケート(クラウドワークス)
●調査期間:2025年4月3日~4月4日
●有効回答者数:100件

文/Woman type編集部