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NOV/2017

「人事にキャリアを丸投げしてない?」20代女性に伝えたい “自分らしく働く”の見つけ方【GE谷本美穂×平田麻莉 対談】

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社会人経験もそれなりに積み、まだまだ若手だけど、完全に若手ではない「28歳」。30代を目前に、今後の生き方への悩みは尽きない。“自分らしさ”を大事にはしたいけれど、ワークとライフのバランスを選べるようになった現代だからこそ、ベストな選択をするのは難しい。

周りを見渡せば、転職してイキイキ働いている友人に、家庭を築いて幸せそうに見える友人もいる。既にそれぞれの人生を選択している友人たちの姿と自分を比べては、また焦る――。

同じように20代でのモヤモヤを経て、楽しそうに働く2人の女性がいる。グローバル企業GEジャパンの人事として「多様な働き方」を推進する谷本美穂さんと、パラレルキャリアなど柔軟なワークスタイルを広める活動を行うフリーランスの平田麻莉さんだ。異なる働き方を選択した2人の女性が思う、“自分らしく働く”とは?

GE 谷本美穂 フリー広報 平田麻莉
【左】一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会
代表理事/フリーランスPRプランナー
平田麻莉さん

大学在学中にPR会社ビルコムの創業期に参加。大手企業からベンチャーまで、国内外50社以上において広報の戦略立案から実働までを担う。慶應義塾大学にてMBA取得後、博士課程学生と広報・国際連携担当職員の二足の草鞋生活。出産を機に退学、2年間専業主婦として過ごした後、フリーのPRプランナーに。現在は家事代行マッチングサービス『タスカジ』、1時間からのスポットコンサル『ビザスク』の広報、ケースメソッド教材制作、翻訳などに従事。17年1月にプロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会を設立、年間1万円でフリーランス向け福利厚生や保険が利用できるベネフィットプランを提供している

【右】GEジャパン株式会社 執行役員 人事部長
谷本美穂さん

慶應義塾大学卒業後、人材サービス会社を経て2000年GEに入社。人事リーダーシップ・プログラムに選抜され国内並びに米国の金融部門で業務ローテーションを行う。その後、米国金融部門の人事担当、日本GE本社部門の採用リーダーや組織開発マネジャーを歴任。11~14年の間は米国のGE本社にて次世代グローバルリーダー開発担当マネジャー。帰国後は日本地区の組織開発・人材育成リーダーを経て、16年2月よりGEジャパン人事部長を務める

「幸せになれない」理由は、自分で決めて行動を起こしていないから

−−今回は、悩める28歳の女性に向けてお話いただきたいと思っています。お二人も20代後半くらいの頃はモヤモヤしていましたか?

谷本美穂さん(以下、谷本):今回、「28歳」っていう年齢にビビッときたんです。私の場合は28歳を迎えるちょっと前、モヤモヤしてたな~と思って(笑)。もともと私はこんなに長く働き続けられると思ってなかったんですよ。母も専業主婦でしたし。新卒で入社したのがベンチャー企業だったから面白い仕事はやらせてもらっていたけど、入社から3年が過ぎたとき、周りに流されているだけで自分の本当にやりたいことじゃないんじゃないかと思って楽しくなくなってしまって。仕事は人生の中で大きな割合を占めるのに、そんな状態でいるのはすごく残念だなぁと思って悩み始めたら、今度は不安が大きくなってきた。

平田麻莉さん(以下、平田):私の場合、一番モヤモヤしていたのは25歳くらいのとき。学生時代からインターンを始めたベンチャー企業で「24時間働けますか?」みたいに仕事にのめり込んでいたので、25歳なのに既にお局化してたんですよ(笑)。10歳上の男性部下がいたけど、誰かのマネジメントをするには自分はまだまだだって、もっと成長したい欲が強かった。それで、体系的に経営やマーケティングについて勉強や研究をしようと、もう一度学生になって大学院に行く決断をしました。

−−30代を目前に、「自分らしい働き方がしたい」って考える女性は多いと思うんですが、そもそも自分らしく働くっていうのはどういうことなんでしょうか?

GE 谷本美穂 フリー広報 平田麻莉
平田:そもそも、自分らしくない瞬間ってないと思うんですよね。みんないつだって自分ですし。それなのに自分らしくないと感じてしまうのは、「自分で選んでいる」という感覚がもてないからなのかなと思います。選択するときの基準はいろいろあると思うんですけど、私にとっては「どうありたいか」。ありたい姿っていうと、高い志やビジョンなどかっこいいものに聞こえちゃうかもしれませんが、「毎日たくさん寝られる生活がしたい」みたいなプリミティブ(原始的)なものでもいい。自分が納得していれば、何でもいいと思います。

谷本:モヤモヤしていた当時、自分がうまくいっていないのを会社や周りの人のせいにして、文句を言ってる自分がいたんですよね。でも幸せになれないのは、自分と本気で向き合っていないから、自分で決めて行動を起こしていないからだって、ある時気が付いたんです。意識してみると、自分が長く働きたいと思ってることや、人と組織を通して貢献したいことが見えてきた。事業会社の人事になって勉強したいと思いました。それで紀伊国屋でビジネス誌の表紙「GE。リーダーを排出する企業」という特集を見つけて、感銘を受けて、GE人事のジョブに応募した。それが自分で自分の道を選択する第一歩だったんですよね。

“自分らしい働き方”ができているのは、大事なものが見えている人

−—谷本さんは「自分らしく働く」というのはどういうことだと思いますか?

GE 谷本美穂 フリー広報 平田麻莉

谷本:自分の人生のテーマを追求していくことだと思う。これまで働き続けてきて、今でも楽しいと思っていられるのは、仕事と自分の人生のテーマが一致しているからだと思うんです。何に興味があって、何を追求して、何をやっていきたいのかが見えていて、それが「できている」と感じられる時が、一番自分らしく働けていると思うんです。

−−谷本さんの人生のテーマは何ですか?

谷本:「人を元気にする」こと。頑張っている人を応援したい。自分が関わることで人と組織に元気になってほしい。私には2人の子供がいますが、子供を持つことはキャリアの選択肢を捨てることだと勘違いしていたんですよ。でも、自分の人生にテーマをもっていると怖がることはない。今振り返ると、一つのことを追究したことで、むしろ選択肢は広がった。

平田:すごく共感します。お話を聞いて思い出したんですけど、私の最大のモヤモヤは婚約破棄をした27歳の時。今思い返すと、人生の選択が狭まる気がして、嫌になっちゃったんですね。第一子を授かった時も博士号取得に向けてアクセルを踏もうと思っていたタイミングだったので、正直戸惑いました。気にかけてくれた指導教官が紹介してくれたカウンセリングで、「予期しない出来事から広がるキャリアもあるよ」と言ってもらって、自分に訪れた転機を前向きに捉えられるようになったのを覚えています。

−−「子供を持っても選択肢が広がる」ということですね。具体的に、どういうことなのでしょうか?

谷本:子供を持ったときに、自分のキャリアの進み方が周りに比べて遅れるのではないかと思った。でも10年経ってみて、そんなことはない。いつも「今」を一生懸命生きていたら先につながっていった。また、子供を持った経験から見えたこともたくさんある。子供の突然の発熱で会社に行けなかった翌日、上司に謝りにいったら、「仕事を落としたことを10年後に後悔することはないけど、子供がいてほしい時に一緒にいてあげられなかったことは一生後悔する。だから謝る必要はない」って言われたことがあって。号泣しながら、「3倍働こう!」って思ったんですよね。その時に、人の生産性の本質は“やる気”なんだと学べたし、子育てに限らず介護も含めて、基本は働いている時間ではなく、成果・パフォーマンスだっていう軸ができた。だから時間の制約などのチャレンジを持ちながら働いている人に対して自分はスーパーサポーティブになれるし、まずは信じてあげたいと思うようになった。

平田:子育て中はどうしても時間に限りがあるけど、自分の軸がしっかりしていれば時間の使い方を絞ることに対しても前向きでいられますよね。

GE 谷本美穂 フリー広報 平田麻莉

谷本:全ては手に入らないし、全てを手に入れることが幸せではないんですよ。働き方は本当に百通りだから、自分にとって何が大事なのかをよく考えて、納得のいく選択をして、テーマを追求していくこと。自分らしい働き方を実現できる人は、自分にとって何が大事かということを追究している人なんじゃないかな。

“Control your own destiny, or someone else will.”
自分で選択できている実感が幸せにつながる

−—やりたいことを我慢してて、周りの人に望まれる自分になろうとする女性も多いように思います。

平田:自分がどうありたいのかが分からないまま周りばかり気にしていると、30代になっても40代になってもモヤモヤは治まらない気がしていて。どうしたいかが分かれば選択できるし、選んだことにも、その結果選択肢が狭まっていくことに対しても、不安はなくなると思うんですよね。

谷本:周りに対していい子でありたいとか、そういうことから一回離れる。その上で、素直に自分がワクワクすること、楽しいと思うことを考える。人生は一回しかない。もう、これに尽きると思うんですよ。

平田:「親や上司に言われたから」という動機でやっていると、どうしてもやらされ感が出てきちゃって、何か良くないことがあった時に周りのせいにしちゃう。でも、自分の選択でやっていると思えたら、困難があったとしても自分の問題として前向きに解決できると思うんですよね。やらなきゃいけないタスクが降ってきたとしても、「これをやることで会社や社会にどういうインパクトを与えられるのか」って自分ごとに変えられれば、やりがいも出てくるはず。日系の大企業だと、自分で自分のキャリアを築いている感覚を持ちづらいと思うんですよね。キャリアを人事に丸投げしてしまっているようなところがある。

GE 谷本美穂 フリー広報 平田麻莉

谷本: GEの好きな言葉に“Control your own destiny, or someone else will(自分の人生を自分でコントロールしなさい。そうしないと他の人にコントロールされてしまう)”っていうのがあって。それこそ28歳の時に、この言葉がすごく響いたんです。自分で選んでいかないと、他の人にコントロールされてしまう。それってつらいですよね。自分で自分をリードすることが、幸せに繋がっていくんだと思うんです。

平田:私もヒアリング協力させていただいたWarisの「活躍フリーランスの幸せ度実態調査」の結果を見ると、会社員時代と比べて年収が下がった人もいるものの、幸せ度は高い。それって、自分で選択してコントロールできている実感に基づくことなのかなと思っています。有名な企業で管理職につくことがキャリアのゴールかというと絶対にそうじゃない。例えば専業主婦でも、「自分がこの働き方・生き方を選択している」って思えるなら、それは誇って良いことだと思うんです。

>>後編へ続く

取材・文/天野夏海 撮影/洞澤佐智子(CROSSOVER)


・「人事にキャリアを丸投げしてない?」20代女性に伝えたい “自分らしく働く”の見つけ方【GE谷本美穂×平田麻莉 対談前編】
「会社の外でも専門性を磨きなさい!」人生100年時代、“自分らしい働き方”の実現に欠かせないたった1つのこと【GE谷本美穂×平田麻莉 対談後編】

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