
緊張せずに面接に臨む方法と面接時のリラックスのコツ
志望動機も自己PR文も完璧、でも、当日それをうまく話すことができない……。転職面接は普段からよくするものではありませんから、緊張してスマートにふるまうことができないという人も多いでしょう。この記事では、「緊張する」ことを前提に、面接に挑むための心構えと対処方法をご紹介します。
緊張し過ぎる人に知ってほしい3つのこと

人は「自分を自分以上」に見せる時に緊張してしまいます。つまり、相手に等身大の自分よりも良く見せようとすると緊張してしまうのです。緊張が発生するのにもメカニズムがあり、それを正しく理解することによって初めて適切な対策法が分かります。まずは「緊張」を引き起こす原因を紐解いてみましょう。
1.真面目な性格が緊張を引き起こす
「緊張」の主な原因は、「失敗したらどうしよう」という不安です。特に相手に対して「良く見せたい」「ちゃんと理解してほしい」という意思が働くと、「今、失敗してないかな」という不安が強まり、より緊張が増幅していきます。それはあなたの真面目さからくるもので、それ自体は決して悪いことではありません。
2.「緊張しない」ことを目指してしまう
「緊張」そのものをしない人はいません。「緊張しない人」というのは、緊張を緩和する方法を知っている人なのです。
「緊張しないこと」を目指すのではなく、いっそ、緊張は誰でも必ずするものだと受け入れてしまいましょう。その上で、緊張を強めてしまう行動を止め、緩和する自分なりの方法を見つけた方が建設的です。
3.緊張=悪印象という思い込み
意外に思うかもしれませんが、「緊張している」状態自体は、悪い印象を与えません。というのも、緊張しているのはそれだけ真剣にその場に臨んでいるからとも受け取れるからです。例えば発表の場などで、緊張して出てきた人に対して「がんばれ」と応援したくなることはありませんか?
面接というのは、書類では分からないあなたの人柄や印象を見る場です。緊張の中でどれだけ丁寧に受け答えができるか、きちんと「伝える」意志を示せるかがポイントになってきます。ただ緊張しているだけで評価が下げられることはありませんから、安心して緊張しましょう。
緊張を少しでもなくすためにできること

まずやるべきは「事前準備」の強化です。当日緊張してしまうのを前提に、十分に準備と対策を練っておきましょう。事前にできることを完璧にしておけば、「失敗しても大丈夫」という安心につながり、緊張を和らげることもできます
具体的な5つの事前の訓練法について説明します。
1、話す内容はポイントで頭に入れる
つい言いたいことを台本化して、丸暗記する手段を取ってしまいがちですが、これは逆効果。台本で覚えてしまうと、どこかで突っかかったり、言い間違えをした途端、リカバリーが出来ず頭が真っ白になってしまう事態を引き起こします。
アピールポイントなどの「絶対に伝えたいこと」は、単語や短い文章で頭に入れておきましょう。実際にメモ帳などに箇条書きをし、ポイントだけ覚えて、当日はその場で文章にして話します。その方が臨機応変に対応できるため、失敗も少なくなります。
2、必ず聞かれる質問の回答は反復練習で体に覚えさせる
志望理由や入社後の展望、退職理由は確実に尋ねられる要素です。
自己紹介も合わせて、これらは何度も声に出して練習しておきましょう。ポイントさえ抑えていれば毎回違う文章になっても構いません。むしろ、いろいろなパターンで話せるようにした方が本番で上手くいく可能性が上がります。
何度も言うことで口の動きがスムーズになりますし、音で聞くことでよりしっかりと覚えることができます。こうして反復練習を行えば、想定外の方向から質問されても柔軟に対応することが出来ます。
3、最初に結論、次に具体例で答える癖をつける
話しているうちに何を話していたのかわからなくなってしまう人、話が飛んでしまう人は、まず短く「結論」を答える癖を付けましょう。
一息で言えるくらいの短い言葉で結論を伝え、その後に補足する形で具体例や理由を答えます。こうすることで、相手も自分も「何の話をしているのか」が頭にインプットされるので、脱線しても本題に戻って来やすくなります。
質問例 | 回答例 |
前職で特に力を注いだことはなんですか? |
資料や情報のデータベース化です。個人での情報収集が奨励されていたのですが、それらをまとめるシステムが機能していない状態でした。せっかくの有益な情報を共有できないのは誰にとっても不利益になると考え、データベース化し検索システムを構築しました。属人的だった情報を活用できるようになり、部署全体での仕事の効率化を促進できました。 |
当社を希望する理由を教えてください。 |
御社製品の企画開発に携わりたいと考えたからです。私はこれまで製品営業を担っておりましたが、お客さまと接する中で見えてきたニーズに応えるべく、具体的な製品開発への意欲が生まれました。これまで得てきた生の声と、営業の経験を生かし、顧客目線で企画開発を行いたいと思っております。 |
例文のように、最後にもう一度結論を繰り返せば、より相手の印象に残りやすくなります。
4、鏡を見て発声練習
志望理由などを話す反復練習を、鏡の前で椅子に座って行うとより効果的です。自分と視線を合わせて発声を行えば、相手の顔を見て話す、その姿勢を体に覚えさせることができます。
少し歯を見せて笑う、笑顔で受け答えをする練習をしましょう。自分の顔を見ながらの練習は気恥ずかしさもありますが、「ちゃんと笑顔を作れているか」「妙な癖はないか」をしっかり見ておくと、当日注意することができます。
5、家族や友人などを相手に模擬面接
実際に誰かに見てもらいながら行うのが一番の練習になります。家族や友人などを相手に模擬面接を行いましょう。真剣に、部屋に入って出ていくまでの一連の動きを行います。1人で練習することももちろん有意義ですが、実際に人間を相手にすることで、声の大きさや張りを意識することができます。
模擬面接の中で何か気付いたことがあれば注意してもらい、良いところは褒めるようにお願いします。悪いことばかり言われると不安が募り、緊張が増してしまうからです。
何度も同じ動き、同じ練習を繰り返すことで、緊張していても自然と体が動くようになります。自信を付けるという緊張対策にもなりますが、緊張で何も考えられないときでも、体に覚えこませた動きというのは意外と自然に出てくるものです。
「あれだけ練習したのだから大丈夫」という気持ちが持てるまで、何度でも練習しましょう。
面接直前に緊張をほぐす4つの方法

前日までにできることを気が済むまでしておくだけで、かなり緊張をほぐすことができます。とはいえ、当日の緊張をすべて消し去ることはできません。当日は当日なりに、できるだけ緊張を減らすための行動をとりましょう。
会場には余裕をもって到着する
気持ちに余裕がなくなると、焦って緊張に繋がります。当日は十分すぎるくらいに余裕を持って行動するようにしましょう。
可能なら30分前には最寄りに着くようにし、会場近くのカフェなどで最終確認を行います。会場に向かう前にお手洗いを済ませ、身だしなみと笑顔をチェックしましょう。
待ち時間に血の巡りをよくしてリフレッシュ
待ち時間などにじっとしていると、血の巡りが悪くなり、体が強張って緊張を感じやすくなります。血行が悪いと頭に血が回らず、考え事ができなくなることもあります。そういう時は、指を動かすなどさりげない動きで血の巡りを良くしましょう。
つま先を引き上げたり、かかとを上げ下げしたり、足の指をグーパーさせるなど立っていても座っていても簡単にできる動きがおすすめです。座っているときは、そっとふくらはぎを指で押してマッサージするのもアリ。人目がなければ足首や手首を回すのも効果的です。
体の一部を動かすことで血行を良くし、また気晴らしにもなります。リフレッシュして面接に臨みましょう。
深呼吸で緊張をほぐす
緊張すると呼吸が浅くなり、酸素を十分に取り込めなくなります。脳に酸素が回らないと集中力が持たず、うまく言葉が出てこなくなる危険性があります。意識してゆっくり、深く呼吸するようにしましょう。
深呼吸するときは、姿勢を正して4秒かけて息を吸い、6秒かけて少しずつ吐き出します。息を長く吐くことは副交感神経を優位にし、リラックスに繋がります。頭もすっきりしますし、鼓動を抑えるのにも効果的です。
緊張したときに出る自分の癖を思い出しておく
どんな人でも、緊張した時にでてしまう癖があると思います。具体的に自分に起こりそうな変化を認識し、それが出たらこうするという対処法を意識していると、パニックになるのを防いでくれます。
例えば、顔が強張ってしまう人は「笑顔を作る」。早口になってしまう人は「ゆっくり話す」。このように、具体的にどうすれば防げるのか理解しているだけで、不思議と落ち着くことができます。「悪い癖が出たら対処すればいい」のです。
面接中にできる効果的な緊張対策

面接中でも実行できる、緊張対策を見ていきましょう。
1、目線は相手の「おでこ」や「鼻」へ
面接では「相手の目を見て話す」ことが基本ですが、それによって緊張が強まってしまうケースもあります。その場合、相手のおでこや鼻を見て話すようにしましょう。目の付近に視線を向けていると、相手からは目が合っているように感じます。また、一か所に視線を固めることで、落ち着いた印象に移ります。
目を見たり視線を外したり、と目をきょろきょろさせるのは悪い印象を与えかねません。無理に目を見なくとも、「顔の一点」を見つめるだけで同様の効果が得られるのです。
2、こっそり手のツボ押し
面接中に足を動かしたりマッサージすることはできませんが、手のツボを押すことは可能です。親指の付け根付近にある「合谷」というツボは、緊張をほぐし、肩こりや疲れに聞きます。詳しい位置は、親指と人差し指の骨が合流するところにあるくぼみです。
椅子に座った後、両手は膝の上で軽く重ねるので、さりげなく押すことができます。跡が残らないくらいの強さで、指を立てて強めに押しましょう。緊張をほぐすだけでなく、刺激を与えることで頭がすっきりします。
3、「緊張しています」と白状してしまう
あまりに緊張が過ぎてしまい、体が震えたり、言葉が出てこなくなってしまった場合、無理せず「緊張しています」と伝えても大丈夫です。これによってマイナスイメージを持つ面接官は少ないので安心してください。
相手に伝えるだけでなく、「緊張している」と声に出すことで、落ち着きを取り戻すことができます。「ちょっと失礼します」と言ってから、深く呼吸をし、気持ちを切り替えましょう。
事前の準備と対策が緊張する面接を成功に導く
重要なのは、「緊張をしないこと」を目指すのでなく、「緊張すること」を前提に、どう「対処をするか」です。できる準備はきちんとし、緊張してしまった時にどういう行動を取るか、どうリカバリーするかを考えた方が効率的です。緊張することは悪いことではありません。うまく付き合うことで、適度な緊張感で面接に臨みましょう。
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