覆面座談会! 異業種・営業女子4人が明かす「仕事ウラ話」 【特集:ヒミツの営業女子トーーク!】

営業職と一言で言っても業界、企業によって働き方や営業スタイルはさまざま。とはいえ、他社の営業女子の仕事について知る機会ってなかなかないもの。そこで今回は異なる業界の営業女子4人に、それぞれの営業スタイルや日々のお仕事エピソードなどを話してもらいました! 営業職の実態を覗き見しちゃいましょう。

座談会

座談会メンバー
大野美咲さん(仮名):29歳、営業歴6年。広告営業を経て、現在はIT企業で内勤営業。売上MVPを何度も受賞するなど根っからの営業女子。
松井麻美さん(仮名) :26歳、営業歴4年。新卒で保険会社に入社。金融機関など代理店向けの営業を担当。どんな時も笑顔で一歩引いた営業を得意とするが、座談会中はブラックな心の声がたまに聞こえてくることも。
井上亜紀さん(仮名) :26歳、営業歴4年。不動産投資会社のテレアポ営業を経て、現在はインターネット求人広告の営業。相手に合わせたキャラ使いが人一倍上手い。みんなが驚くほどのSキャラ営業秘話を持つ。
吉野 愛さん(仮名) :27歳、営業歴2年。フリーペーパーの営業・制作などを経て、現在はWeb制作。営業素質のあるあまり出会えないタイプのクリエイター。

大野さん(以下、大野) :そもそも営業職を選んだ動機って何でした? わたしは就職活動の時に、「サラリーマンの中で一番多い職種は営業なんだから、自分にもできるだろう」っていう、ちょっと上から目線な理由だったんだけど(笑)。

松井さん(以下、松井) :わたしは保険会社の営業なんですが、個人に対して保険を売るのではなく、うちの商品を取り扱ってくれる銀行さんや証券会社さんに対して営業をするんですね。「金融機関相手の法人営業」って、大学生からすると、ちょっとカッコ良く聞こえるじゃないですか。あとは正直、お金の面も大きかったかな。営業手当がつくので、一般職よりはいいんじゃないかと。

井上さん(以下、井上): わたしも営業にこだわりがあったわけじゃないですけど、不動産のテレアポのバイトをやっていたので、正社員として就職する時も営業がいいだろうと。わたし、テレアポで相手に電話をガチャ切りされても全然心が折れないどころか、むしろそれで戦闘モードに入るタイプなので(笑)。向き不向きで言えば、営業に向いているんだろうなと思ったんです。

吉野さん(以下、吉野) :でも営業って、それなりに大変なことは多いですよね~。

大野 :常に走り続けなくちゃいけないところは、確かに大変かな。うちは四半期ごとに目標の数字が設定されるんですけど、ひとつ目標を達成したと思ったら、また次へ向けて走り出さなくちゃいけない。しかも前期で目標をクリアしたら、次の四半期はそれより高い目標を設定されるから、それまでと同じやり方をしていてはダメなわけですよね。新たな工夫や仕掛けを考えてやっていかないと。それが楽しさでもあるんだけど、時々つらくもなるな~。

厳しい現実!売れない営業は社内での発言権もなくなる……

井上 :でもわたし、力を抜くところでは抜いてますよ。自分に負荷をかけ過ぎても、長く続かないと思うんで。うちは月ごとに目標数字がありますけど、月初にワーッと種まきをして、月の中盤は仕事のペースを少し落として、月末に一気に刈り取る感じ。でも周囲には気を抜いているところを絶対に気づかれないように、忙しそうなふりをしてます(笑)。

松井 :でも、そうやって数字をクリアすることが達成感ややりがいになるんですよね?そこはうらやましいな。わたしの場合、営業する相手は代理店さんであってエンドユーザーではないので、実際に数字を作るのは代理店の担当者。数字が良くても、それは自分の力というより、代理店の方が頑張ってくれた結果なので、そういう意味では達成感があまりなくて……。それに数字が伸びても、インセンティブはないし。

大野: ええ~っ、インセンティブないの?!それが楽しみなのに。

井上 :うちもないですよ。新規営業のチームには出ますけど、わたしは既存顧客への営業なのでインセンティブはなし。その代わり、新規営業の人たちよりは、基本給を少し多くもらってるけど。

大野 :そうか……。でもよく考えたら、わたしもインセンティブは頑張る理由の半分くらいかな。あとの半分は「負けたくない」って気持ちでやってる気がする。営業って、頑張った結果が数字でシンプルに現れるところが好きなんですよ。

吉野 :でもその代わり、営業は売れているか、売れていないかで、社内の立場が大きく変わりますよね。数字が出せない営業は社内での発言権がなくなるというか(笑)。いくら正論を言っても「でも君、売れてないよね」で終わり。逆に言えば、
売れている営業は何を言っても許される空気がある。

大野 :でも、わたしは他の人のことは気にしない。わたしのライバルはわたしだけだから。

吉野 :カッコいい~(笑)。じゃあ、「営業なんてもうやめてやる!」って思ったこともない?

大野 :対顧客ではないところで足を引っ張られると、イライラすることはあるけどね。営業の現場は必死に数字を取りに行っているのに、身内である上司や関係部署の人たちが協力してくれなくて、チャンスを逃してしまった時とか。でも「やめてやる」というほどではないな。

松井 :わたしが悩んでいるのは、自分の営業スタイルと会社の方針が合わないこと。わたし自身は、営業は押したり引いたりの駆け引きが大事だと思っているけど、うちの会社は「とにかく押していけ」という社風なんです。自分の理想とする営業とはズレがあるので、そこで少しモチベーションが落ちてしまうことがあるなぁ。

クライアントからのお呼び出し
仕事上の相談かと思ったら――!?

大野 :でも、押せ押せタイプがハマるお客さんもいれば、松井さんみたいに一歩引いた対応をしてくれるのを好むお客さんもいるはずでしょう?営業にも色々なスタイルがあっていいはずだと思うな。

井上 :わたしも「押しか、引きか」で言ったら、引きのタイプですよ。というか、押せば売れるってわけじゃないと思う。例えば、「もっと安くならないの?」って金額を叩いてくるお客さんって、正直言って良い顧客じゃないでしょ?金額だけで判断しようとするお客って、次の提案時に競合がもっと安い金額を出してきたら、簡単にそちらに流れてしまう。そういう相手に必要以上に時間を使うのはもったいないし、わたしは無理に金額を下げようとするお客さんには「それは無理ですね」ってはっきり言いますよ。

吉野 :へえ、強いなあ。でも確かに、面倒なお客さんっていますよね。わたし、営業をしていた頃、担当していたクライアントの担当者に「相談があるから」って電話で呼び出されたことがあるんです。当然、業務上の相談だと思ったら、個人的な相談されて。

井上 :あ~、ありますね、そういうの。

吉野: しかも、最終的には「今度、食事にでも行かない?」って言われて。相手は40歳くらいの男性だったんですけどね。一応、相手はお客さんだし、その場は笑顔で受け流しましたけど。

松井 :わたしのお客さんは基本的にいい人が多いですけど、なかには横柄な態度をとる人もいますね。保険会社と、その商品を扱う金融機関って、平等な立場のはずなんです。うちは自社商品を売ってもらう代わりに手数料を払っていて、それが金融機関の収入になるわけですから。それでもこちらを下に見るというか、「お前のところの商品を売ってやっているんだ」という態度の人はいる。

大野: そういう嫌なお客に当たっちゃった時は、どうするの?

松井 :こちらもムカッと来ますけど、相手を怒らせても仕方がないので、自分の怒りはぐっと飲み込んで会社に帰ります。それで、会社の先輩に話を聞いてもらう。同じ営業をしている人なら、多かれ少なかれ似たような経験はしているので、「そういう人もいるよね」って言ってもらうと気分も落ち着くかな。

大野 :松井さんって、どんなに怒っても顔に出さないで笑っていられそうなタイプだよね(笑)。でもその反動でストレスためちゃいそう。ストレスはどう発散してるの?

仕事のストレス発散にインセンティブで全身脱毛30万円コース!

松井 :趣味というか、習い事をいくつもしてます。ヨガとか、最近はボイストレーニングとかも始めた。あとは美味しいものを食べることかなー。

吉野 :わたしは嫌なことがあるとカラオケでストレス解消してたな。

大野 :わたしは買い物!仕事で嫌なことがあっても、「ここを乗り越えればインセンティブが入る。だから頑張るぞ!」って。反対に使い過ぎても、「また働くか~」ってなる。

吉野 :最近、何か大きな買い物しました?

大野: 物じゃないけど、パーッとお金を使ったのは全身脱毛(笑)。30万円のコースで。大きな買い物をできるのもインセンティブをもらえるってからっていうのもありますね。井上さんは、あんまり落ち込んだりしなそうだね。

井上 :まあ、落ち込むことはあまりないですけど、失敗談はいくらでもありますよ。今の会社に入ったばかりの頃、求人広告の掲載にあたって審査が必要なことを知らなくて、ある企業さんから受注を取って来ちゃったんですよ。でも審査にかけたら通らなくて。結局、お客さんにも「すみません、掲載できません」って頭を下げることになってしまった。今は新人にも研修でそういうルールをきちんと教えるんですけど、うちはベンチャー企業なので、わたしが入社した頃はその辺りの教育制度もまだ整っていなかったんです。

松井 :失敗ならわたしもいっぱいありますよ~。つい最近も、お客さんから商品についてのお問い合わせが入った時、わたしが出先にいてすぐに対応できず、相手を待たせてしまったことがあったんです。そうしたらお客さんがわたしにではなく、わたしの上司に「あなたの部下はどうなってるんだ」とクレームを入れてきて。結局、翌朝一番に先方へ足を運んで、頭を下げて謝ってきました。

吉野 :待たせたって、どれくらい?

松井 :一時間くらいですかね。

吉野 :たった一時間?!それでクレーム入れてくるの?「メールを3日間返さなかった」とか言うなら分かるけど。

松井 :まあ、相手も確かに少々変わったタイプの方で……(苦笑)。
しかも、もう一つ言い訳をさせてもらうと、代理店のお客さまが商品について問い合わせをしたい場合は、専用のコールセンターもあるんですよ。でも、直接顔を合わせたことのある相手だからと思って、こちらに連絡をしてきたんでしょうね。

吉野 :営業をやっていると、色々ありますよね。わたしも、本当はその日のうちにお客さまのハンコをもらわなくちゃいけなかったのに、先方の社内事情でそれが難しい、ということがあって。でも何とかなるだろうと思って、「ハンコなしでも大丈夫ですよ」と安請け合いして会社に戻って来たら、やっぱりハンコがないとダメだったんです。上司には「勝手に自己判断するな」と怒られるし、お客さんにはご迷惑をかけてしまうし、自分の今月の数字もかかっているしで、もう一杯一杯になってしまって。先方にお詫びの電話を入れながら、電話口で大泣きしちゃいました。わたしがそんな状態だったからか、最初はお怒りだったお客さんも、最後は「仕方ない、こっちの社内を調整して何とかするから」と言ってくださって。ズルいかもしれないけど、正直あの時は「自分が女子でよかった」と思ったな(笑)。

Sキャラ・Mキャラ、自由自在!これも立派に営業女子の強みです

座談会メンバー 大野美咲さん(仮名) :29歳、営業歴6年。広告営業を経て、現在はIT企業で内勤営業。売上MVPを何度も受賞するなど根っからの営業女子。 松井麻美さん(仮名) :26歳、営業歴4年。新卒で保険会社に入社。金融機関など代理店向けの営業を担当。どんな時も笑顔で一歩引いた営業を得意とするが、座談会中はブラックな心の声がたまに聞こえてくることも。  井上亜紀さん(仮名) :26歳、営業歴4年。不動産投資会社のテレアポ営業を経て、現在はインターネット求人広告の営業。相手に合わせたキャラ使いが人一倍上手い。みんなが驚くほどのSキャラ営業秘話を持つ。  吉野 愛さん(仮名) :27歳、営業歴2年。フリーペーパーの営業・制作などを経て、現在はWeb制作。営業素質のあるあまり出会えないタイプのクリエイター。

大野 :営業で女性が不利ってこと、ほとんどないよね?特にわたしがいるIT業界は、女性の営業が少ないので、逆に有利なくらい。お客さまにしても、女性の営業が電話をかけてくるのは目新しいみたいで、ちゃんと話を聞いてくれるし。むしろチヤホヤしてもらえる(笑)。

井上 :広告業界は女性も多いので、それだけで有利ってことはないけれど、お客さんに合わせて、自分のキャラを変えられるのは、女性の営業ならではの強みじゃないかな。わたしはSキャラにもMキャラにも、お客さんに合わせてキャラを変える。お客さんのなかにも、こちらが押さないと決められない人もいれば、こちらが一歩引いて、相手を立てるからこそ決めてくれる人もいるでしょう。男性の営業の場合、押すのは得意でも、女性のお客さんを立てるのがうまい人って、あんまりいないんじゃないかな。

大野 :だよね。「営業は大変そう」と敬遠する女性もいるって聞くけど、わたしは女性に向いていると思うな~。

吉野 :わたしは営業を経て、今はWeb制作をやっているけど、営業を経験しておいて本当に良かったと思うな。クリエイティブ職しか経験のない人は、営業が何を考えているか分からないから、意見が対立してしまうこともよくあるんです。そんな時にわたしが「営業はこういうページのほうが売りやすいんですよ」と営業の目線でアドバイスをすると、周囲も「さすが営業出身だね」と納得してくれる。今の職種では、営業経験がすごく重宝されてますよー。

大野 :なるほど。「営業はつぶしが効かない」って言われるけど、そういうわけでもないのね。

吉野 :むしろ、営業で身に付いたスキルや経験は汎用性があると思う。どんな会社にも営業っていう職種は必ずあるし、その人たちの物の見方や考え方を知っておくことは、仕事をする上で損にはならないはず。もし将来、別の職種に転換するとしても、営業で学んだことは絶対に役立ちますよ!

松井 :仕事だけでなく、プライベートでも役立ちますよね。「友達や家族に無理なお願いごとをする時には、こういうふうに言えば断られない」とか、コミュニケーションのツボが分かるようになる。それに、イヤな人とかもたくさん見ているから、「ああいう言い方をする人にはなりたくないな」とか思って反面教師にできるし。

大野 :こうやって営業職の人たち同士で話をしていると、営業って思っていたよりもいろいろ学べているんだなって実感した。普段、営業職について話し合うなんてことないし。じゃあ、結論としては、「これからも営業をやっていこうかな」ということで。

一同 :うまくまとまりましたね(笑)。

取材・文/塚田有香  撮影/岩河内 弘美(編集部)