【登坂広臣×中条あやみ】“残された時間の中で一生分の恋をした”二人が語る愛、夢、幸せ

「余命1年——残された時間の中で一生分の恋をした」そんなキャッピコピーが印象的な映画『雪の華』。限られた時間の中で、一生懸命恋をして、叶えたい夢に向かって命懸けのチャレンジをするヒロイン・美雪(中条あやみ)と、それを支える青年・悠輔(登坂広臣)のラブストーリーは、私たちに「愛すること」「夢見ること」、そして「幸せとは何か」を問い掛ける。

そこで今回は、登坂さん、中条さんに「愛」「夢」「幸せ」三つのテーマでお話を伺った。

登坂広臣 中条あやみ 雪の華

登坂 広臣(とさか・ひろおみ)
1987年3月12日生まれ、東京都出身。三代目 J Soul Brothersボーカルとして、2010年11月に「Best Friend's Girl」でデビュー。14年公開の『ホットロード』で映画初出演。熱演が話題を呼び、第38回日本アカデミー賞新人俳優賞、第39回報知映画賞新人賞をはじめとする各賞を総なめにして華々しい俳優デビューを飾る。17年7月からは、グループ活動のみならずHIROOMI TOSAKAとしてソロプロジェクトを始動。18年8月からは、自身初となるソロアリーナツアー「HIROOMI TOSAKA LIVE TOUR 2018 “FULL MOON”」を開催し、ライブビューイングも含めて27万人を動員
Twitter:@HIROOMI_3JSB_
中条あやみ(なかじょう・あやみ)
1997年2月4日生まれ、大阪府出身。11年よりモデルとしてのキャリアをスタートさせ、2017年からは女性ファッション誌「CanCam」の専属モデルに。映画・雑誌・TV・CMと幅広く活躍しており、女優としては14年の映画『劇場版 零~ゼロ~』で映画初出演ながら初主演。その後も『セトウツミ』(17)で第71回毎日映画コンクール・スポニチグランプリ新人賞、『チア☆ダン ~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』(17)で第41回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞
インスタグラム:@nakajo_ayami

人、ペット、趣味……
愛情を注いだ分だけ得られるものがある

――お二人は、「愛」という言葉から何を連想しますか?

中条さん(以下、中条):私はわんこ!

登坂さん(以下、登坂):言うと思った~(笑)。

中条:実家で飼っているわんこがいるんですけど、もう可愛くて仕方ない。月2~3回のペースで実家に帰ってハグしてる! もうね、結婚したいくらい大好き。

登坂:どうかな~、意外と人間の男だったらダメ男かもよ? 

中条:うちの犬だったらそれでも許しちゃうなぁ。ジャックラッセルテリアっていう小型犬なんですけど、とにかくイケメンなの。でも、座り方がお姉さま座りで。そのギャップがたまらない(笑)。

――登坂さんがいま一番「愛」を注いでいるのは?

登坂:俺はね、ゴルフ! ずっと趣味がないのが悩みで。周りにゴルフをやっている人が多くて誘われて始めてみたら、これは面白いなと。

中条:腕前はどうですか?

登坂:まだまだ下手だけど、ちょっとずつ上達はしてきたかな。ゴルフって年齢を重ねてもできるし、コミュニケーションの場があるからいいなって。基本的にはインドアの僕にとって、唯一家から出る趣味がゴルフ。やっぱりハマれるものがあると楽しいなと思いました。

中条:それは思います。愛情を注ぐ対象が人でも、ペットでも、趣味でも、愛情を注いだ分だけ、自分もいろんなものをもらえますよね!

夢へと踏み出す合言葉は「死ぬこと以外かすり傷」

雪の華

――映画の中で美雪は残り1年の余命の中で叶えたい夢をノートに書き連ね、一つ一つカタチにしていきますよね。お二人は、どうすれば「夢」を現実に変えられると思いますか?

中条:私、割と今まで平和主義というか、「皆がいいならいいか」みたいな性格だったんですよ。でも、それじゃダメだなと。夢へのチャンスは自分の手で掴みに行かないと他の人に持っていかれるんだって思うようになって。

登坂:へえ。何でそういうふうに考え方が変わったの?

中条:もともと海外で働くことに興味があったんです。なのに、ずっと勝手に「私には関係ない」って自分で自分の可能性に蓋をしていたんです。でも、この間パリでやっていたシャネルのショーに行かせてもらって、そこでいろんな人に会って話をしたら、すごく刺激を受けて。

登坂:やっぱり海外は違う?

中条:違いますね。海外は完全な実力社会。だからこそ自分でチャンスを掴みに行こうという姿勢の人がすごく多くて。そういう人たちと接するうちにカッコいいな、自分もこうなりたいなって思うようになったんです。

登坂:映画で悠輔が「声を出せ」と言うように、一歩踏み出す勇気こそが夢を叶えるために必要なもの。でも、その勇気を出せない人がほとんどで。僕もこの世界に入ったきっかけはオーディションだったけど、それまでは美容師をやったり、いろいろしていました。でも、あの日あのとき一歩踏み出す勇気を出せたから今があるし、「挑戦してみよう」と決断をして本当に良かったなって思う。

雪の華

中条:私も悠輔の「声を出せ」っていう言葉はすごく共感します。

登坂:じゃあ、その勇気を出すために何が必要かと言うと、結局は「やらないで後悔するよりやって後悔する方がいい」みたいな気持ちなんだよね。ほら、何だっけ、あの本のタイトル。『死ぬこと以外かすり傷』だ!

中条:あ~(笑)。

登坂:僕もずっとそう思っていて。どうせ皆いつか死ぬんだと思ったら、何でもやれる気がする。「失敗しても死ぬわけじゃない」って考えたら何も怖くなくなると思う。それに、もし失敗したとしても、チャレンジした経験は新しい夢を見つけたときに必ず生かせる。だから、悩んだらやるべきだし、やらなきゃ何も分からないというのがすべてじゃないかな。

人と比べない。人のものを欲しがらない。
幸せはちゃんと自分で見つけること

雪の華

――映画の中で余命宣告をされた美雪は傍から見れば「不幸」かもしれないけれど、そんな状況の中でどんどんたくましく成長していく姿は、実に幸せそうでした。日本人の幸福度は低いとよく言われますが、お二人はいかがですか?

中条:私、9割9分幸せです。超ハッピー野郎ですね。

登坂:僕も超ハッピー野郎なんで(笑)。何でなんですかね。今の人たちが幸せを感じづらいのって。

中条:最近、「これはすごい特技だ」と思ったのが、どこでもすぐ寝られることなんですけど、ぐっすりよく眠るのって幸せでいるためにはすごく大事ですよね? ハッピー体質をつくるには、“嫌なことは即忘れる”っていうのが基本です!

登坂:僕も基本的にポジティブだから、ネガティブな考え方はほとんどしない。いつも前向きに物事を考えるようにはしているかな。

登坂広臣 中条あやみ 雪の華

中条:友達からよく悩み相談を受けるのですが、最終的には「美味しいもの食べて、寝て、忘れちゃえば」ってアドバイスしてます(笑)。単純なんですけど、なんだかんだ言って、これが一番よく効くと思うんですよね。

登坂:結局、何が幸せかなんて、一人一人が自分で決めるしかないからね。

中条:そうそう。だから、ネガティブな状態でいることが「幸せ」って思うなら無理に変える必要もないし。いると思うんですよ、あれこれ悩んでいる状態の自分が好きな人。結局、周りを気にせず、自分が納得できる生き方ができているかどうかですよね。

登坂:ありがたいことに僕の場合は悩みごとがあっても、好きなことを仕事にできているからポジティブでいられるというのはあるかもしれない。だから、好きなことを仕事にするのが幸せへの近道じゃないかとは思うけど、必ずしも皆がやりたいことをやれるわけではないだろうし。でも、たとえ仕事じゃなくても、何でもいいから自分が大切にできるものを見つけるのは大事。「これがあれば前向きになれる」というものを一つでも見つけたら、それだけでマイナスなことがあってもブレない自分でいられると思う。

中条:あとは、人間関係をしっかり築くことも大切だと思います。結局、ストレスって人間関係じゃないですか?

登坂:あやみちゃん、ストレス感じないでしょ?

中条:えへへ、確かに感じない(笑)。多分それは、比べ合いをしないからなんです。人のことは気にしないって決めたら、一気に幸福度は上がる気がします。

登坂:そうだね。人と比べないこと。人のものを欲しがらないこと。ちゃんと自分で見つけること。この3つが、いつもポジティブでいられる“超ハッピー野郎の法則”です!

雪の華

取材・文/横川良明 撮影/赤松洋太  編集/栗原千明(編集部)
画像/©2019映画「雪の華」製作委員会

【映画情報】
映画『雪の華』

■公開日
2019年2月1日(金)より全国ロードショー
■キャスト
登坂広臣 中条あやみ
高岡早紀 浜野謙太 箭内夢菜 / 田辺誠一
主題歌:中島美嘉「雪の華」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
■監督
橋本光二郎 
■脚本
岡田惠和 
■音楽
葉加瀬太郎
■製作
映画「雪の華」製作委員会 企画・制作プロダクション:エー・フィルムズ
■配給
ワーナー・ブラザース映画 ©2019映画「雪の華」製作委員会
公式サイト