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MAR/2019

手厚いサポートが魅力! 全国からの視察が相次ぐ「埼玉県女性キャリアセンター」の取り組みとは?

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「埼玉版ウーマノミクスプロジェクト」を掲げて、積極的に女性活躍推進を進めている埼玉県。その先進的な取り組みは、全国的にも注目を集めている。

中でも、他県からの視察も相次いでいるのが、手厚いサポートが魅力の「埼玉県女性キャリアセンター」だ。実際にどんな支援を受けられるのかレポートする。

埼玉県 女性キャリアセンター
<お話を伺った方>
【写真左】
埼玉県産業労働部ウーマノミクス課
副課長 伊島順子さん

【写真中央】
埼玉県産業労働部ウーマノミクス課
女性キャリアセンター
主査 髙橋陽子さん

【写真右】
埼玉県産業労働部ウーマノミクス課
女性キャリアセンター
主査 小針陽子さん

「働きたくても働けない」を解消するために

仕事に関する相談や職業紹介、セミナーの開催など、女性の就業を幅広く支援する埼玉県女性キャリアセンター。もともとは女性のチャレンジ支援策の一環として、平成20年5月に埼玉県が設置したものだ。

 

 

当時としても女性専用の相談窓口を設置する自治体は珍しかったが、この10年間で徐々に規模を拡大。平成24年に県が「埼玉版ウーマノミクスプロジェクト」を立ち上げると、中核事業の一つとして、さらに機能を充実させてきた。

 

 

「ウーマノミクス」とは、「women(女性)」と「economics(経済)」を掛け合わせた造語で、女性の活躍を推進することで経済の活性化を目指す取り組みのこと。埼玉版ウーマノミクスプロジェクトでは、働きやすい職場環境整備や企業内保育所の整備促進なども含め、さまざまな施策を行っているが、特に力を入れているのが子育て中の女性の就業支援だ。それには埼玉県独自の事情もある。

出産をきっかけに仕事を退職し、子育てが落ち着いたころに仕事に復帰するケースが多いため、女性の年齢別就業率はM字カーブを描くと言われている。埼玉県は全国平均に比べてM字カーブの谷が深く、実際に30代女性の就業率は全国43位と低いのが現状だ。

 

埼玉県 女性キャリアセンター
■出典:https://www.pref.saitama.lg.jp/womenomics/recommend/what/index.html
妊娠・出産前後に退職した人のうち約4分の1は「仕事を続けたかったが両立が難しくて辞めた」と回答している

 

女性キャリアセンターの小針陽子さんは、次のように説明する。

「実は埼玉県は、子育て期の男性の就業時間が長い者の割合が全国4番目に高く、核家族世帯の割合が全国2位。つまり、父親が家にいる時間が少ない上に、核家族化のため祖父母の助けも期待できず、子供ができると仕事をあきらめてしまう女性が少なくなかったのです」(小針さん)

この“働きたくても働けない”状態を解消しようというのが、埼玉版ウーマノミクスプロジェクトの重要なテーマ。センターでは、子育て期の女性の悩みや不安に応えるさまざまな施策を展開している。

一人一人の事情に寄り添い、一貫したサポートを提供する

「女性キャリアセンターの最大の特色は、カウンセリングを通じて視野を広げて、セミナーで学び、実際に職場体験もできるという一連の流れが仕組みとして整っていること。幅広いメニューを用意し、しかもそれが単発ではなく、一貫したサポートを提供できることです」(髙橋さん)

女性キャリアセンターの運営を担当する髙橋陽子さんは、そう語る。

 

埼玉県 女性キャリアセンター
埼玉県女性キャリアセンターは、「さいたま新都心駅」から徒歩5分。ベビーカーを押しながらでも、通いやすい立地

 

キャリアカウンセラーとの面談相談は、応募書類の作成や面接の練習など具体的なアドバイスはもちろん、「自分に何ができるのか分からない」など、漠然とした悩みにも対応してもらえる。ブランクのある人、キャリアチェンジしたい人など、それぞれの事情に応じて1対1で寄り添い、並走してもらえるのが魅力だ。

 

埼玉県 女性キャリアセンター
カウンセラーとの相談ブース。静かな環境の個室で、一人一人じっくり話を聞いてもらえる

 

実際に、カウンセラーと一緒に自己分析を進めていくと、思いもしなかった自分の適性を発見したり、PTA活動や家族の介護などの経験もアピールできることが分かったり、さまざまな気付きが生まれるという。

実際の就職先探しでは、カウンセラーから情報提供を受けることができる。ハローワークの求人検索が設置されているので、自分で探して紹介状を受け取ることも可能だ。

 

埼玉県 女性キャリアセンター
「ハローワークに赤ちゃん連れで行くのは気が引ける」という人も、ゆったりと使える求人検索スペース

 

センター内にはベビーカーを置けるスペースもあり、相談やセミナーの間は子供を託児サービス(有料)に預けることもできるので安心だ。

 

埼玉県 女性キャリアセンター
保育室は明るく広々としている

 

各種セミナーも充実している。就職支援セミナーは、年間200回以上開催。面接準備など就職活動のノウハウや、仕事研究セミナーのほか、中にはキャリアプランに合わせた保育サービスを考える「保活セミナー」などユニークなものも用意されている。全体的にグループワークを中心としたプログラムが多く、参加者同士が対話しながら悩みを共有できると好評だ。

応募する前に、職場で仕事を体験する機会もある。最近では、医療や介護の現場をはじめ、ショッピングセンターでの警備の仕事や、子供や妊婦の送迎を担当するタクシー運転手など、事務以外の職種でも求人が増加中。職場体験を通じて、未経験者も仕事の雰囲気を体感でき、仕事選択の幅が広がっている。

また、センターがサポートする対象は、求職者だけではない。働く女性を対象とした「働く女性応援講座」も開講している。パートやアルバイトから正社員を目指す人向け、中堅社員向け、管理職候補向けなどレベル別に、コミュニケーションやワーク・ライフ・バランスなどの講座を開催。中には、実際に企業で活躍する女性リーダーを招いて交流会を行う講座もある。特に身近にロールモデルがいない人にとっては、女性リーダーの先輩と接する貴重な機会となっている。

ライフステージの変化に合わせた働き方を見つけよう

センターの開設から10年が経過し、これまでの利用者数は延べ10万人にのぼる。就職者数も大きく伸び、初年度は142人だったものが、平成29年度には2,008人にのぼった。利用者の層も広がっており、現在は30、40代を中心に50、60代の利用者も増えてきた。

時代と共に働く環境も変わってきている。ウーマノミクス課で企業支援を担当する伊島順子さんは、「人手不足もあり、貴重な戦力として女性に注目する企業が増えている」と語る。

「県では『多様な働き方実践企業』の認定制度をつくり、男女がともに働きやすい職場環境づくりに取り組む企業を認定しています。特に認定基準6つ全てを満たす『プラチナ企業』は、2,745社の中でわずか267社。選りすぐりの優良企業です。こうした企業を女性キャリアセンターでは丁寧に紹介しています。埼玉県の企業をあまり知らない方には選択の目安にしていただければと思います。また、『ウーマノミクスサイト』には、認定企業や働き方見直しに取り組む企業の事例がたくさん掲載されているので、ぜひ参考にしてください」(伊島さん)

「結婚・出産などのライフイベントを経ると、仕事選びの優先順位も変わります。仕事と生活の両立を図りたい方は、ぜひ地元に目を向けてほしいですね。企業規模は小さくても、その分フレキシブルな働き方を実現できる可能性もありますし、10年前にはなかった企業も県内に入ってきて、確実に選択肢は広がっています」(髙橋さん)

2018年度からは『Skype』による面談相談や、映像セミナーの配信など、センターまで足を運ばなくても利用できる新しいサービスも開始。時代の変化を踏まえて、利用者のニーズにきめ細かく応えていき、女性の幸せな就業をさらに増やしていくことを目指している。

>>「埼玉県女性キャリアセンター」について詳しく見る

取材・文/瀬戸友子 撮影/赤松洋太 企画・編集/栗原千明(編集部)

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