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AUG/2019

「バラエティー番組でAD!?」予想外の部署配属で、『おっさんずラブ』貴島Pが学んだこと

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これから進む道、20代でどう決める?
「私の未来」の見つけ方

今、女性の働き方・生き方は多種多様。何でも自由に選べるって素敵だけど、だからこそ、何を選択し、どこに進めばいいのか悩んでしまう。「私らしい未来」は一体、どの道の先にあるんだろう……?
そこで今回Woman type編集部では、さまざまな女性たちに聞いてみました。「私らしい未来」、みんなはどうやって見つけたの!?

今回、お話を伺ったのは、『おっさんずラブ』のヒットで一躍注目を集めたテレビ朝日プロデューサーの貴島彩理さん(29)。連ドラプロデュース2作目で大ヒット作を生み出した若手プロデューサーには、どんなキャリアの転機があったのか。29歳の等身大の言葉から、“自分らしい未来”を掴むためのヒントを探る。

おっさんずラブ
貴島彩理(きじま・さり)さん
1990年3月20日生まれ。東京都出身。慶應義塾大学卒業後、12年、テレビ朝日に入社。バラエティー部でAD、ディレクターを経験した後、16年にドラマ部へ異動。連ドラプロデュース2作目となる『おっさんずラブ』が社会現象を巻き起こすブームとなり、「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2019」ブレイクドラマ制作賞を受賞。その他のプロデュース作品に『オトナ高校』『私のおじさん~WATAOJI~』がある

「ドラマが作りたい」夢を持って入社するも、最初の配属はバラエティー

学生時代からドラマを作るのが夢でした。何か自分の道が大きく変わるようなターニングポイントはあったか……と聞かれると、もしかしたらそれはまだないのかも。どちらかといえば、ただ目の前のことにがむしゃらに向かってみた20代だったなと思います。

その中で、今の自分の中で核となっているのは、3年半、バラエティー番組の制作現場で、AD、ディレクターとして働いた経験です。夢だったテレビ局に入社した後、最初に配属されたのは希望のドラマ制作部ではなく、バラエティー制作部。「すぐにドラマを作ることができないんだな」と、しょんぼりしてしまいました。

ドラマばかり見ていたので、バラエティー番組についての知識も少なかった。どんな芸人さんが人気で、どんな番組が流行っていて……というような常識も知らず、焦る気持ちもありました。なので、とにかく最初はいろいろなバラエティー番組を観て勉強しました。

入社してすぐ配属されたのは『お試しかっ!』という番組。そして、『帰れま10』という企画を担当して、とにかく帰れないAD時代を送りました(笑)。今となっては楽しい思い出話ですが、目の回るような毎日で……AD時代の大変だったエピソードはたくさんありすぎて、どれから話せばいいのか分からないぐらいです。

例えば、『だんくぼ』という番組のADをやっていた時のこと。水泳選手と僧侶とホストの方に、3人一緒に泳いで頂いて“誰が本物の水泳選手か?”を当てるという企画があって。この企画に協力してくれる僧侶とホストをまずは見つけてきて、本物の水泳選手に見えるように鍛えあげる……というのがADの仕事でした。

それで、毎日のように歌舞伎町に通ってホストをジム→日サロ→プールに連れて行く日々。その合間に今度は僧侶を山から連れてきて、同じくジム→日サロ→プールに通わせる日々(笑)。プールで泳ぐホストと僧侶のタイムを計りながら、「あれ? 一体私は今何をしているんだろう……」と思ったりしているうちに、あっという間に、3年半が過ぎました(笑)

バラエティーで鍛えた“特攻根性”が自分の武器に

でも、そうやって体当たりで挑んだバラエティー制作部での経験が、今の仕事に生きていると思うことはたくさんあります。例えば「とりあえず、やってみてから考える」という特攻根性のようなものは、AD経験から得たものだと思います。

バラエティー番組は、ドラマのように「決められた台本に沿ってを画を撮る」というより、その場で起きた面白いことを、いかに逃さず撮るかが勝負。イレギュラーに対応して、化学反応を活かして引っ張って行けるのが優秀なディレクターだと教わってきました。

だからなのか、例えば『おっさんずラブ』でドラマを撮影しているとき、キャストが感情が昂ったままに、予想していなかった面白いアクションをすることがあっても、「それ台本と違いますよね」という気持ちには自然とならなかった。むしろ私自身、そういう衝撃的反応を見ると、つい真っ先に笑ってしまいますし、素直に楽しんでしまう。

おっさんずラブ
『おっさんずラブ』春田創一(はるた・そういち)/田中圭

“その場で起きたことを生かそう”とする心持ちはバラエティーの感覚なのかな? とも思いますし、監督も同じくバラエティー出身の方だったので、そういう部分はとても気が合って、一緒に現場を作るのがとても楽しかったです。

おっさんずラブ
『おっさんずラブ』牧凌太(まき・りょうた)/林遣都

今となっては、バラエティー制作現場で働くことができて、本当に良かったと心から思っています。きっと最初からドラマ制作部に配属されていたら、今の私はなかったはずだし、今のような『おっさんずラブ』も生まれていなかったはずだから。

おっさんずラブ
『おっさんずラブ』黒澤武蔵(くろさわ・むさし)/吉田鋼太郎

20代は、「やりたいこと」ばかりに固執しない方がいい

「自分らしい未来」と言われても、正直よく分からないですよね。経験の少ない20代ならなおさら。仕事の向き不向きも、どんな経験が後の自分に活きるかも分からない。

でもだからこそ、食わず嫌いせずに、なんでも挑んでみても損はないんじゃないか……?と個人的には思います。例え思い描いた職場に今いなかったとしても、まずは周りの人が与えてくれた仕事、信頼して任せてくれた仕事を、一生懸命やってみる。それが大事なんじゃないかな、と。

私自身も、バラエティー現場は望んだ場所ではなかったけれど、まずは今いる場所で天下を獲ろう! と腹をくくって、がむしゃらに頑張ってみた時間が、結果今の自分につながっていると思います。

しかも、気付いた時にはバラエティーの現場が大好きになっていて(笑)。やっとドラマ制作の部署に異動が決まったとき、まさかの号泣で。「まだやりたいことがあるのに」って!

バラエティー番組のADの仕事は、今思い返しても辛い日々の連続だった。にもかかわらず、いつの間にかのめり込んでいたし、仕事そのものが本当に楽しくなっていた。一度全力でトライしなかったら、分からなかったことだと思います。

今の私の目標は、たくさん面白いドラマを作って、見てくださった人を元気にすること。『おっさんずラブ』はいま映画という舞台に立たせて頂いてますが、これもさまざまな奇跡が重なった結果。

たくさんの人に愛されて作品が大きくなってゆくことで、キャストやスタッフが喜んでいる顔を見られるのは、プロデューサーとしてもとても幸せなことです。

でも“何が当たるか”なんて分かる作り手は、きっとこの世に1人もいなくて、法則も保証もない。だからエンタメは面白いと思うし、正解がないから挑みがいもあるのだと思います。

これからもたくさんのドラマを作って、見てくださった方を少しでも幸せできるように、日々精進してゆきたいと思います。

取材・文:横川良明(@fudge_2002

おっさんずラブ
『劇場版 おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~』

【作品詳細】
『劇場版 おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~』
公開時期:2019年8月23日(金)
監督:瑠東東一郎
脚本:徳尾浩司
音楽:河野伸
出演者:田中圭、林遣都、内田理央、金子大地、伊藤修子、児嶋一哉 ・ 沢村一樹、志尊淳 ・ 眞島秀和、大塚寧々、吉田鋼太郎 
製作:テレビ朝日ほか
©2019「劇場版おっさんずラブ」製作委員会

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