01 OCT/2024

市販の野菜ジュースを毎日飲んでも意味ない? 体に悪い? 管理栄養士が明かす野菜ジュースの健康効果とメリットデメリット

野菜

外食が続くと気になるのが野菜不足。そんな時、手軽に野菜を摂れる市販の野菜ジュースは、働く女性の味方ですよね。私もダイエットカウンセリングで野菜ジュースをオススメすることがよくあります。

さて、野菜ジュースのパッケージには、「1日分の野菜350g使用」や「緑黄色野菜120g使用」などと書いてあるものが多いですが、そういった野菜ジュースを1本飲めば、1日に必要な野菜の栄養素が本当に摂れるのでしょうか?

今回は市販の野菜ジュースで「摂れる栄養素」と「摂れない栄養素」についてご紹介します。

道江 美貴子

【企画・執筆】株式会社 asken 取締役 管理栄養士 道江 美貴子

女子栄養大学栄養学部卒業後、グリーンハウス(100%出資親会社)に入社。これまで100社以上の企業で健康アドバイザーを務める。2007年、「あすけん」の立ち上げに参画し、企画・コンテンツ制作・開発管理などに携わる。現在、あすけん事業統括責任者。 著書「なぜあの人は、夜中にラーメン食べても太らないのか?」(クロスメディア・パブリッシング)など

先に結論からお伝えすると、野菜ジュースだけで1日に必要な野菜の栄養素を摂ることはできません。野菜ジュースから摂れる栄養素の目安としては、コップ1杯・紙パック1本で、小皿や小鉢に入った野菜料理1皿分の代替になる程度と思ってください。

「野菜ジュース1本で野菜1皿分? ちょっと少ないんじゃない?」

そう感じる方も多いかもしれません。もちろん、パッケージに書いてある「野菜○○g使用」はウソではありません。野菜ジュースの原材料には、表示してある野菜の量がちゃんと使われています。

しかし、野菜をジュースに加工する段階で、野菜本来の栄養素が損なわれてしまうものがあるのです。

例えば食物繊維。生の野菜350gをそのまま食べれば、食物繊維は10g以上摂れるはずです。しかし、飲みやすく加工された野菜ジュースで摂れる食物繊維は、多くても2gほど。熱に弱いビタミンCなども損なわれやすい栄養素です。

逆に、熱に強いβ-カロチンは生の野菜とほとんど変わらず、野菜ジュースからも摂ることができます。

野菜ジュースで効果的に摂取できる栄養素

野菜

摂れる栄養素の目安としては、野菜ジュースコップ1杯・紙パック1本で、小鉢・小皿に入った野菜料理1皿分程度

■ ビタミンA・β-カロチン

・原材料に緑黄色野菜を多く使用しているジュースは特に多く含まれる
・強い抗酸化作用があり、アンチエイジングや風邪予防などの効果が期待できる

■ カリウム

・野菜ジュースでは200~300㎎は含まれているものが多い
・カリウムは余分な塩分を体外に排出してくれる作用がある

■ カルシウム・鉄

・カルシウムと鉄も量としては多くはないが含まれている
・鉄は、ほうれん草・ケール・小松菜などの緑の野菜に多く含まれるので、このような野菜を原材料に使用しているジュースには比較的多く含まれる
・貧血気味の場合は緑の野菜が多く含まれた野菜100%のジュースがオススメ

■ ビタミンE

・脂溶性ビタミンのため、加工による損失が比較的少ない
・β-カロチンと同様に抗酸化作用がある
・血液の流れを良くし、冷え性予防にも役立つ女性には欠かせないビタミン

■ 食物繊維

・加工段階で損失はあるものの1.0g~2.0g程度は摂れる
・果物が入っているものより野菜100%のジュースの方が多い傾向にある

野菜ジュースで摂取しにくい栄養素

野菜

■ ビタミンB群

・もともと野菜にはビタミンB群が少ない
・B群の中でも葉酸は含まれていることもある

■ ビタミンC

・ビタミンCは熱に弱い特性があるため、原材料にはビタミンCが含まれていても加工段階での損失が大きい

このように、野菜ジュースから効果的に摂取できる栄養素もあれば、摂取しにくい栄養素もあります。摂取しにくいビタミンB群は、豚肉や大豆に多く含まれます。今の季節だと、枝豆もオススメです!

ビタミンCは、生のフルーツや野菜から摂るなどうまく補完しましょう。

ちなみに、野菜ジュースでビタミンCが豊富に含まれているものは、原材料由来ではなく、加熱殺菌後に後からビタミンCを添加したものがほとんどです。

体に良いからといって、野菜ジュースの飲みすぎは禁物です。野菜ジュースには糖分も含まれていますので、大量に飲むと肥満の原因になりかねません。1日あたり1本程度を目安にしてくださいね!

1日に必要な野菜の量は350g、小鉢にすると5~6皿分。なかなか摂れるものでもありませんので、野菜ジュースで補うのも一つの方法です。

野菜ジュースで効果的に摂取できる栄養、摂取しにくい栄養を理解して、食生活に野菜ジュースを上手に取り入れてみましょう!

あすけん

体調を整えるには栄養も大切ですが、「肺活」もおススメです!
下記記事もチェックしてみてくださいね。

>>自分史上「最高の体調」を引き出す“超肺活”とは? 自律神経研究の第一人者に学ぶ肺活トレーニング【小林弘幸さん】

※この記事は2013年7月8日に公開し、2024年2月20日に更新しています

>>Woman type最新記事はこちら