市販の野菜ジュースを毎日飲んでも意味ない? 体に悪い? 管理栄養士が明かす野菜ジュースの健康効果とメリットデメリット
外食が続くと気になるのが野菜不足。そんな時、手軽に野菜を摂れる市販の野菜ジュースは、働く女性の味方ですよね。私もダイエットカウンセリングで野菜ジュースをオススメすることがよくあります。
さて、野菜ジュースのパッケージには、「1日分の野菜350g使用」や「緑黄色野菜120g使用」などと書いてあるものが多いですが、そういった野菜ジュースを1本飲めば、1日に必要な野菜の栄養素が本当に摂れるのでしょうか?
今回は市販の野菜ジュースで「摂れる栄養素」と「摂れない栄養素」についてご紹介します。
先に結論からお伝えすると、野菜ジュースだけで1日に必要な野菜の栄養素を摂ることはできません。野菜ジュースから摂れる栄養素の目安としては、コップ1杯・紙パック1本で、小皿や小鉢に入った野菜料理1皿分の代替になる程度と思ってください。
「野菜ジュース1本で野菜1皿分? ちょっと少ないんじゃない?」
そう感じる方も多いかもしれません。もちろん、パッケージに書いてある「野菜○○g使用」はウソではありません。野菜ジュースの原材料には、表示してある野菜の量がちゃんと使われています。
しかし、野菜をジュースに加工する段階で、野菜本来の栄養素が損なわれてしまうものがあるのです。
例えば食物繊維。生の野菜350gをそのまま食べれば、食物繊維は10g以上摂れるはずです。しかし、飲みやすく加工された野菜ジュースで摂れる食物繊維は、多くても2gほど。熱に弱いビタミンCなども損なわれやすい栄養素です。
逆に、熱に強いβ-カロチンは生の野菜とほとんど変わらず、野菜ジュースからも摂ることができます。
野菜ジュースで効果的に摂取できる栄養素
■ ビタミンA・β-カロチン
・原材料に緑黄色野菜を多く使用しているジュースは特に多く含まれる
・強い抗酸化作用があり、アンチエイジングや風邪予防などの効果が期待できる
■ カリウム
・野菜ジュースでは200~300㎎は含まれているものが多い
・カリウムは余分な塩分を体外に排出してくれる作用がある
■ カルシウム・鉄
・カルシウムと鉄も量としては多くはないが含まれている
・鉄は、ほうれん草・ケール・小松菜などの緑の野菜に多く含まれるので、このような野菜を原材料に使用しているジュースには比較的多く含まれる
・貧血気味の場合は緑の野菜が多く含まれた野菜100%のジュースがオススメ
■ ビタミンE
・脂溶性ビタミンのため、加工による損失が比較的少ない
・β-カロチンと同様に抗酸化作用がある
・血液の流れを良くし、冷え性予防にも役立つ女性には欠かせないビタミン
■ 食物繊維
・加工段階で損失はあるものの1.0g~2.0g程度は摂れる
・果物が入っているものより野菜100%のジュースの方が多い傾向にある
野菜ジュースで摂取しにくい栄養素
■ ビタミンB群
・もともと野菜にはビタミンB群が少ない
・B群の中でも葉酸は含まれていることもある
■ ビタミンC
・ビタミンCは熱に弱い特性があるため、原材料にはビタミンCが含まれていても加工段階での損失が大きい
このように、野菜ジュースから効果的に摂取できる栄養素もあれば、摂取しにくい栄養素もあります。摂取しにくいビタミンB群は、豚肉や大豆に多く含まれます。今の季節だと、枝豆もオススメです!
ビタミンCは、生のフルーツや野菜から摂るなどうまく補完しましょう。
ちなみに、野菜ジュースでビタミンCが豊富に含まれているものは、原材料由来ではなく、加熱殺菌後に後からビタミンCを添加したものがほとんどです。
体に良いからといって、野菜ジュースの飲みすぎは禁物です。野菜ジュースには糖分も含まれていますので、大量に飲むと肥満の原因になりかねません。1日あたり1本程度を目安にしてくださいね!
1日に必要な野菜の量は350g、小鉢にすると5~6皿分。なかなか摂れるものでもありませんので、野菜ジュースで補うのも一つの方法です。
野菜ジュースで効果的に摂取できる栄養、摂取しにくい栄養を理解して、食生活に野菜ジュースを上手に取り入れてみましょう!
体調を整えるには栄養も大切ですが、「肺活」もおススメです!
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>>自分史上「最高の体調」を引き出す“超肺活”とは? 自律神経研究の第一人者に学ぶ肺活トレーニング【小林弘幸さん】
※この記事は2013年7月8日に公開し、2024年2月20日に更新しています
『脱・不健康ライフ』の過去記事一覧はこちら
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