フラットに自然体でいる方がアドバイスを素直に受け入れられる【今月のAnother Action Starter vol.7女優・倉科カナさん】

another action starter
倉科カナ

積み重ねた経験の分だけ
小さな自信が生まれる

ありのままの自分を受け入れようという気持ちになった理由を尋ねると、倉科さんは「そうですね……」としばらく考えたのち、答えた。

「たぶん、演技の経験値が増えたからこそ出てきた気持ちなんだと思います。デビューしたての10代の頃は、ただただお仕事が楽しいばかりで。でも、ある程度経験を積むと、演じる上でのプレッシャーや責任が分かってきて、周囲のことも見えるようになってきます。すると、もっと役に近づきたいという気持ちが強まってきて、演技への取り組み方も変わってきたんですよね」

役作りのための調査や体験。それを演技にフィードバックし、生きた経験として自分の人生の引き出しにしまっていく。夢中でその繰り返しを行っていくうちに、いつしか自分自身の経験値も高まっていく。

「その過程で、少しずつ自信が持てるようになってきたように思います。経験を積んだといっても、まだまだ多くはないですが、それなりに積み重ねてきたものを振り返ると、ほんの少しだけ堂々としていられるようになったんですよね。だから、ヘンに無理をすることがなくなったんだと思います。もしかしたら、経験だけじゃなく年齢を重ねたせいなのかもしれませんが(笑)。『ありのままの私がいい』って、心から思うことができるようになりました」

一方で、仕事に際して以前から変わらずに行っていることがある。

「目に見える行動とかではないんですけれど。人との出会いは大切にしなきゃとか、経験を積むとおごりが出るから気をつけなきゃとか、そういう心構えは大切にしているつもりです」

仕事もプライベートも恋愛も
無理せず“おおらかに頑張る”

倉科カナ

そんな倉科さんのリラックス&リセット法は、日本舞踊と手を動かすことなのだという。

「日本舞踊は、18の頃からやっています。日本舞踊にも役柄があるんです。女中さんや子ども、お侍さんなど、役柄で踊りががらりと変わります。なんか、それがとても深くて。最近は、無になって踊りのことを考えるのがとても楽しいんです」

「家にいるときは、『花のズボラ飯』の花ちゃんみたいにごろごろしながらDVDを見たりするのが一番のリフレッシュ法かも(笑)。あとは、料理やパズルなど、手を動かして何かを作ることがとても好きですね。特に好きなのは、刺繍です。実は刺繍で絵本を作りたいって考えているんです。チクチクと縫いながら、優しくゆったりとした時間を過ごすのがお気に入りです」

さすが倉科さん、女性らしい!……と思いきや、友達と遊びに行って、居酒屋などでパーッと過ごすのも大好きなのだとか。気分によって、過ごし方も180度変わるらしい。

最後に、同世代の働く女性に向けてメッセージを聞いた。

「あんまり無理をしてほしくないなって思います。私は『おおらかに頑張ろう』ということを心がけているんです。“頑張る”って、とても強い言葉ですよね。何をするにも、頑張ろうと思い過ぎると、人を拒絶してしまいがちだと思うんです。でも、お仕事をする上で人と接することを避けては通れません。だから、誰かを受け入れながら頑張ろうというぐらいが一番いいんじゃないかな。そっちの方が、ギスギスせずにいられるんじゃないかなって思って、私も無理をしないように取り組んでいます。どんなことでも、やった分だけ経験になるんですよね。だから、お仕事もプライベートも、もちろん恋愛も、人生にムダなことなんて一つもないと思います!」

メッセージのあと、茶目っ気たっぷりに「『。(マル)』!……ってキレイに締めてみました」と笑う倉科さん。その笑顔は、やっぱりものすごくキュートだった。

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