人生は長期戦! 遠い先を考えたから「30代で3児の出産」を決意できた

20代後半の女性たちがよく口にする、「30歳になっちゃう」という言葉。なぜ私たちはこんなにも30代になるのが怖いのだろう?
これからの人生について、一人であれこれ悪い想像をしてしまうから? それなら、少し先の未来を歩く先輩たちが、何に悩み、何に喜びながら30代を過ごしてきたのかを知れば少しは不安がなくなるかも。すでに30代を乗り越えた“40’sウーマン”たちが語る等身大の言葉に耳を傾けてみよう。

案ずるより産むが易し!
仕事は40代でも巻き返せる

人生は長期戦! 遠い先を考えたから「30代で3児の出産」を決意できた

とはいえ、キャリアについてはコンプレックスもあります。私は出産前に管理職を経験していますが、子どもを持ってからはまだ管理職に戻れていません。私が時短勤務をしている間に、他の人たちは倍くらい働いているのだから当然だと思いつつ、「差が付いちゃったな」と感じるのも事実。特に私は上を目指したい気持ちが強い人間なので、なおさらかもしれませんね。

でも、決して諦めたわけではありません。産む前よりも産んだ後の人生の方が断然長いし、子育ても少しずつ落ち着いてきた。だったら、ここからエンジンを掛けていけばいい。20代のころは短期的なスパンでしか物事を考えていませんでしたが、ママになってからは人生は長期戦で考えればいいのだと思うようになりました。

それと、家庭という人生の基盤ができたことによる安心感は私にとってすごく大きい。人生への不安が消えて、心置きなく仕事に集中できるようになりました。仕事は40代からでも巻き返せると信じていますが、体力的なことを考えると子どもを3人産むことは、私には30代でしかできなかった。それを優先してよかったと思っています。

周囲からは「1人でも大変なのに、よく2人目、3人目を産む決心が付きましたね」と言われますが、それは私が常に先のことを考えているから。だって子どもが一人っ子で、その子の結婚相手も一人っ子だったら、夫婦二人で双方の両親4人の介護をしなくちゃいけないんですよ。それに子どもが多ければ、老後に年金がもらえなくても、一人につき少しずつ仕送りしてもらえば何とか生活していける(笑)。「そんなに先のことまで考えているの?」と思うかもしれないけれど、そこまで考えないと「今が大変だから、子どもは1人にしておこう」となってしまう。何十年も先を考えるから、“今”の決断ができるんです。確かに子育ては大変なこともあるけれど、自分なりに工夫すれば何とでもやっていけます。まさに「案ずるより産むが易し」。3人産んだ私が言うのだから間違いないですよ!

取材・文/塚田有香 撮影/赤松洋太

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