「賞与が出ない」「給与カット」収入減に不安を感じたら今すぐ試したい、稼ぐ力を磨く3つの方法

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夏のボーナスシーズンが到来しました。皆さんの会社では、賞与が出ましたか?

給与が上がらない

あるコンサルティング会社の調査(※1)によれば2021年夏の民間企業のボーナスは 、前年比-2.3%と、2020年冬のボーナスに続いて減少、一人あたり支給額は37万4654円と予測されています。

コロナ禍で支給を取りやめる企業も多く、ボーナスが支給される労働者の割合は全体の77.5%と、1990年以降の最低水準にとどまる見込みです。

賞与が出なかった、賞与は出たけれど金額が減った……そんな現状に不安を感じた人も少なくないのではないでしょうか。

そこで今回は会社の給与が安定しない、なかなか増えない時代に「稼ぐ力」を今後どうやって磨いていくか、私なりの考えを3つのポイントでまとめてみたいと思います。

本業×副業で「稼ぐ力」をアップ!

副業

一つ目は本業に加えて副業にも挑戦することです。実際、大手の人材サービス会社の調査(※2)によれば回答者のおよそ半数が「副業を希望する」と回答しています。

私が共同経営するWaris(ワリス)でも副業を希望する方の割合が、年明け以降それ以前の約2倍になっており、副業熱の高まりを感じます。

背景にはコロナ禍で首都圏中心にリモートワークが浸透し、オフィスまでの往復の通勤時間がカットされたことで時間的な余裕が生まれたこと。ここ数年、社員に対して副業を解禁する企業が増えたこと、などがあげられます。

副業

では、副業で実際どれくらい稼げるのか。

私たちの会社でマッチングしているビジネス系フリーランス(広報やマーケティング、人事などのビジネス系のお仕事)については、月間30~40時間ほど稼働されて10万円前後~15万円程度の方が多い印象です。

ただこれは、皆さんの職業や、仕事内容、スキルレベルによりますね。

また、副業とひとくちに言っても本業の延長で行うケースと、まったく違うものを副業にするケースと大きく2パターンあります。

例えば、本業で広報や人事の仕事をしていて、このスキルや経験を生かして他社さんの広報や人事の仕事を副業で請け負う……これは本業と副業が一致しているケースですね。

一方で、本業ではマーケティングの仕事をしているけれど、副業では趣味の絵を生かしてイラストレーターの仕事をしている。あるいは、本業では経理の仕事をしているのだけれど、お料理や家事が大好きで、余暇時間に家事代行の副業をしている……なんていう方もいます。

副業

では、副業に興味を持った場合、どうやって仕事を見つけるか。

例えば、フリーランス(副業ふくむ)の7割くらいは個人的人脈や過去(現在)の取引先から仕事を得ています。

ですから、「副業を始めた」「副業をしたい」という思いをまずは率直に身近な人に伝えることから始めてみてはいかがでしょうか?

SNSで発信するのもいいですね。また、今は副業をふくめてフリーランスとして働きたい人と頼みたい人(企業)をマッチングするサービスがたくさんあります。

そういったサービスも活用して、ぜひ自分のやってみたい仕事の領域にフィットしたものをネットなどで探してみましょう。

副業

実は、副業のメリットって「副収入を得る」だけではありません。

本業もしくはそれに近い領域での副業であれば、自社以外の事例も同時並行に複数経験することで、2倍速あるいは3倍速で経験値をアップすることができます。

また、副業を通じて、自分の強みを再発見したり、人的ネットワークが拡大したりも……こうした「副次的効果」が「稼ぐ力」をさらに後押しする点も重要です。

新たなスキルを学んで自分をアップデートする!

スキル

二つ目のポイントは「新たなスキルを学んで自分をアップデートすること」です。このときに「稼ぐ」という文脈で言うと、市場ニーズのあるスキルをしっかり学ぶことが大切。

今なら「デジタル領域のスキル」が市場では強く求められています。コロナ禍で社会のさまざまなサービスがオンライン化し、企業活動のデジタル化が加速していることを背景に、デジタル人材は採用市場においても非常に価値が高くニーズが急拡大しているのです。

例えば、ウェブ広告の企画・運用などを行うウェブマーケティング(デジタルマーケティング)職はニーズが強い反面、まだまだ経験者が限られるのでスキルを学ぶことが転職や再就職にもつながりやすいです。

実際、私たちは「ウェブマ女子広告運用講座」というプログラムを他社さんと共同運営していますが、これまで4期生まで運営し、約3割の人がウェブマーケティング職での仕事獲得につながっています。

デジタル領域はリモートワークとの相性が良く、中でも、育児、介護、転勤(駐在)帯同など外的要因で働く時間や場所に制約が生まれやすい女性にとっても働く機会を得やすい分野です。

私の会社では他にも、無償・オンライン・就業サポート付きのDX人材育成プログラム「Pathfinder(パスファインダー)」に賛同パートナーとして参画しています。

こちらはクラウドベースの顧客管理システムであるSalesforce(セールスフォース)の導入や運用について実践的に学び、就業につなげていく試みです。

こうした時代にそったスキルを学びキャリアアップ・スキルアップにつなげることはぜひ意識していただきたいポイントですね。

スキル&経験の掛け合わせで自分の「希少性」を高める!

スキル

最後に大切にしたい観点が、「スキル&経験の掛け合わせで人材としての『希少性』を高める」ということです。

「その人にしかできない」「その人だからこそできる」--そんな存在になれたら市場から必要され続け、結果として稼ぎ続ける人材になることができます。

例えば、営業職で上記のようなクラウドベースの顧客管理システムの運用にも知見があって、かつマネジメント経験もある……とか、広報職でビジネス英語が得意で特にIT企業での知見を持っている……など。

希少性を高めるような掛け合わせを意識しながら経験を積み上げていってみてはいかがでしょうか?

これからの収入、給与カットに不安を感じたら……「副業の可能性をチェックすること」、「市場ニーズの高いスキルを磨くこと」、そして「希少性の高い人になるための経験やスキルの掛け算を意識すること」、ぜひ試してみてくださいね。

(※1)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「2021年夏のボーナス見通し~コロナ禍の影響で、昨冬に続き減少~」ttps://www.murc.jp/publicity/news_release/news_release_210407/

(※2)エン・ジャパン株式会社「6000人が回答!『副業』実態調査」
https://corp.en-japan.com/newsrelease/2020/24252.html

田中美和

【この記事を書いた人】
Waris共同代表・国家資格キャリアコンサルタント
田中美和

大学卒業後、2001年に日経ホーム出版社(現日経BP社)入社。編集記者として働く女性向け情報誌『日経ウーマン』を担当。フリーランスのライター・キャリアカウンセラーとしての活動を経て2013年多様な生き方・働き方を実現する人材エージェントWarisを共同創業。著書に『普通の会社員がフリーランスで稼ぐ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。一般社団法人「プロフェッショナル&パラレルキャリア フリーランス協会」理事