06 OCT/2021

時短勤務の転職に挑戦した私が職務経歴書づくりに3カ月を費やした理由

仕事大好きママの
「時短転職」体験記

仕事か、プライベートか。働き方を二者択一で考える時代はもう終わり。「仕事のやりがい」も「子育て」も。全部諦めないと決めた“仕事大好きママ”の「時短転職」体験記をお届けします!

「時短転職」体験記

育休から復帰して半年。フルタイム勤務に戻すより、もうしばらく時短勤務を続けたい。でも、もっと成長したいし、仕事は頑張りたい。

意を決して「時短勤務のまま、もっと仕事のウエイトを上げたい」と会社と交渉するも、「お母さんは無理をしない方がいいでしょ?」と、NOを突きつけられ――。

前回の連載では、もんもんと過ごす中、時短勤務転職をする決意するまでについて書きました。

>>「お母さんなんだから、頑張らなくていいよ」マミートラック真っ只中にいた私の転職体験記

今回の記事では、私が、育児と両立しながらどのように転職活動を進めたのか、書いていきたいと思います。

転職活動をする時間がママにはない?

朝起きて、家族の食事を準備し、ぐずる子どもをなだめながら出掛ける準備。時計とにらめっこをしながらダッシュで保育園と職場へ。

限られた時間の中、全力で仕事をして……時計を見れば、もうこんな時間! 慌てて子どもを迎えに行き、家に帰ってきたらまた、炊事に追われ、子どもと遊んで寝かしつけ……。

一体、「自分の時間」なんてどこにあるの?

そう、働くママにはとにかく時間がない。1日の中で、自分の自由時間はせいぜい1時間あるか、お昼休みくらいなもの。

転職活動についてじっくり考える時間も、余裕を持って取り組む時間もないのが実情です。私自身もそうでした。

「時短転職」体験記

転職活動って、意外と時間がかかります。自己分析、履歴書や職務経歴書の作成、企業探しにエージェントとの面談、企業との面接に、場合によっては筆記試験など。

人によってかかる時間は違いますが、内定を得るまでには少なくとも2~3カ月は要することがほとんどでしょう。長い人だと、半年~1年近くかかることも。

同じワーママ転職をやり遂げた友人の中には、途中休止期間を挟んで、2年かけて転職したという人もいたほどです。

私の転職軸は何? 「優先順位」を決めることからスタート

そこで私は、転職活動は「細く長く」挑むつもりで戦略を立てることにしました。

まずは、仕事探しをするときの優先順位づけを隙間時間に考えることからスタート。

転職するなら、給料を上げたい、労働環境も人間関係も良くしたい……なんてあれもこれも欲しくなってしまうものですが、すべてが揃う環境はなかなかない。

過去の転職経験から、理想を全部かなえようとすると、この先の転職活動で企業探しに苦しむことになると分かっていたので、転職先に望むことの優先順位を先にしっかりと決めておくことにしました。

そして、「時短勤務ができる」「フレキシブルな働き方ができる」「経営理念に共感できる」こと、この三つを今回の転職の最重要項目としました。

あとはこの条件にあてはまる会社を求人サイトやエージェントを使って探していけばいい。企業探しに無駄な時間を割いたり、面接に行ったりする手間が省けると考えたのです。

職務経歴書の作成にかけた3カ月

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転職軸を決めたら、いよいよ本格的に転職活動をスタート。転職エージェント(人材紹介)と、求人サイトの両方を使って、選考を進めていくことにしました。

どちらを利用するにしても、最初に必要になるのが、履歴書と職務経歴書の作成。私は過去に転職経験があったので、以前使ったデータを最新の状態にアップデートすることに。

職務経歴書には、自分を商品だと思い、商品概要・売りポイント・長所短所を、端的に分かりやすくまとめていきました。

ただ、社会人歴が10年以上ともなると、やってきた仕事も膨大で、まとめるのはかなり骨の折れる作業です。自由時間ができるタイミングで自分でコツコツ書いては推敲し、さらには転職エージェントの担当者に添削してもらい……完成までに3カ月くらいかかりました。

なんでそんなにかかったの? と驚かれるかもしれませんが、このフェーズを丁寧に取り組んで本当によかったと思っています。

自分のこれまでのキャリアと、とことん向き合ったことで、その後に挑んだ面接は、いずれも自信をもって受け答えすることができ、説得力が増したのです。

また、転職活動を細く長くやっていくと腹を決めていたので、時間がかかっても、焦らずにいることができました。

働くママの転職は、専門エージェントの活用が便利

それから、ようやく完成した職務経歴書を使い、本格的に企業探しを開始。エージェントや求人サイトは一つに絞らず、複数のサービスを併用することにしました。

というのも、「時短勤務」だったり、「リモートワーク」「フレックス」だったり、柔軟な働き方がかなう仕事を探したい場合、当時(私が転職活動をしたのはコロナ禍以前でした)はそこまで選択肢が多くなかったからです。

そして、実際に私が使ったエージェントは次の五つ。

『ママテラス』

柔軟な働き方を希望するキャリア人材と社会的課題に取り組むスタートアップをマッチングする転職マッチングサービス

『ママリブラ』

プロフェッショナルママの転職サービス。管理者候補、企画専門職、エキスパートなど、高いスキル・専門性を活かせる求人をそろえている

『QOOLキャリア』

「時短勤務で働きたい」「出社時間を調整してフルタイムで働きたい」「通勤時間を短くして無理なく働き続けたい」子育てをしながら自分のキャリアをさらに充実したものにする転職サービス

『リアルミーキャリア』

働くママが時短でも正社員でキャリアアップできるよう支援する転職エージェント。首都圏エリア限定で、入社初日から時短勤務が可能な求人をそろえている

『withwork』

ワーキングペアレンツが柔軟に働けるIT/Web業界の求人紹介する人材エージェント。リモートワークやフレックス、時短などができる東京23区内の求人を取り扱っている

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ワーキングマザー専門の転職エージェントなど、今の自分のニーズに合う専門性を持ったエージェントをフル活用しました。

それぞれのエージェントで面談をしたところ、扱っている求人はどこもばらばら。複数のエージェントを使ったからこそ、自分が決めた転職条件の中で、持てる限りの多様な選択肢とめぐり会えました。

エージェントでは希望に合う求人をキャリアアドバイザーから紹介してもらえるので、企業探しも効率的。それに、面接練習に付き合ってもらえたり、企業との交渉ごとも代わりにやってくれたりするのも助かります。

何より、子どもが体調不良になった時に、面接日の再調整も快く対応してくれて助かりました。これらの点から、忙しいワーママの転職に、専門エージェントの活用はお勧めです。

カジュアル面談を活用して企業とのマッチングを効率化

また、エージェントとあわせて今回の転職でチャレンジしたのが、ビジネスSNSの活用です。

代表的なのは、『LinkedIn』や、『Wantedly』などのサービス。カジュアル面談や、職場見学をさせてもらい、相性がよいと感じれば、本選考に進みます。気軽に他社の方とつながって、お話できる場が、私にとってはとても新鮮で、楽しい時間になりました。

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そして、面接を何回か重ねてから「やっぱり違った」と気付くより、選考に進む前に、こうやってお見合い的なことができた方が、実は効率いいのではないかと思います。

また、こうしたカジュアル面談の機会が「アウトプット」の練習にもなったのです。自分のこと、仕事のこと、転職のこと、いろいろなことを人に話すうちに、面接で話したいことが整理されていきました。

選考前のカジュアル面談や職場見学について、忙しいママたちは「そんなことまでしていられない」「これって遠回りじゃない?」と思うかもしれませんが、本選考をスムーズに進められるようになると思えば、実はこれも転職活動を効率化するアクションなんじゃないかな、と感じます。

さて、私の転職活動は、準備運動を経て、軽くジョギングするフェーズに入りました。これから転職活動真っ只中で、大爆走していく時期に突入! 転職フルマラソンを完走するまでの道のりを、次回以降も綴っていきます。

※次回、10月中旬公開予定です

永見 薫

【著者プロフィール】
永見 薫

1982年生まれ、東京都在住の会社員兼ライター。3歳児のママ。不動産系企業を複数経て、2020年6月に時短勤務転職をして、再生可能エネルギーの事業会社へ。「暮らすこと」と「働くこと」が交じり合ったライフスタイルが理想。サスティナブルやまちづくり、働くことに興味があり、関心分野の取材やインタビュー記事を執筆中。◆noteTwitter

文/永見薫