【EXILE/FANTASTICS佐藤大樹】高い目標も、野心的な夢も「絶対かなえる」男の“ちょっとした習慣”
夢ができたら、まずは口に出すようにしているんです。言霊って絶対にあると思うから。
「EXILEのメンバーになりたい」という夢を抱いたかつての少年が、それを現実に変えたのは19歳の時。
佐藤大樹、EXILE / FANTASTICSのメンバーであり、現在は俳優としても活躍中の彼が最初にかなえた大きな夢だった。

高校時代から「EXILEに入ります」と周囲に宣言していた結果、見事オーディションに合格してその切符を手にした佐藤さん。この2月、彼はまた二つの夢を実現した。
「ドラマ主演」、そして「自身の主演ドラマでの主題歌担当」だ。
ツアーの準備をしながらのタイトな撮影、「正直、プレッシャーを感じた」
2月15日(火)より放送開始となったドラマ『liar』(MBS/TBSドラマイズム枠にて)は、佐藤さんにとって初主演ドラマ。本作では、佐藤さんがパフォーマーとして活躍中のFANTASTICSが主題歌を担当している。
舞台や映画で主演を務めたことはあったので、次はドラマで、と思っていました。その夢が叶っただけじゃなくて、まさか主題歌まで担当させていただけるなんて感激です。
個人でやってきた俳優の仕事をグループに還元できたことも、率直にすごくうれしいですね。
喜びを噛みしめる一方で、今作では大きな苦労もあったと明かす。
連続ドラマの撮影は、舞台の練習や映画撮影以上にスケジュールがタイト。しかも今回、撮影時期とFANTASTICSのツアーがちょうど重なっていたんです。
オファーをいただいたからには120%の演技で応えたいという思いと、いつもよりもきついスケジュールで準備をしなければいけないという状況とのはざまで、プレッシャーを感じました。

ツアーの準備を進めながら、ほぼ毎日ドラマの撮影に挑む。台本を覚える時間を確保するだけでも一苦労の中、肌を露出するシーンが多い今作に合わせた体づくりも必要だった。
「正直つらかったです」と口にする佐藤さんだが、その表情は晴れ晴れとした笑顔だ。
自分よりも年齢が上の、“大人の男”を演じるのは今回が初めてでした。
これまで演じてきた役柄とはしぐさや表情が全く違ったので、俳優として芝居の引き出しが増えた実感があります。
ドラマ『liar』で佐藤さんが演じる市川一哉は、商社に務める優秀な営業マン。口数が少なく、一見クールで大人な印象だ。
しかし、男女の視点が交互に描かれる今作では、モノローグで胸の内を吐露するシーンも非常に多い。「表情とせりふを別々で演じる」という経験も新鮮だったと撮影を振り返る。

撮影中は無言のシーンでも、モノローグのせりふが乗った状態で放送される。モノローグで語る内容を思い出しながらお芝居をしなければいけないから、目の動かし方や首の角度などもすごく重要なんです。
撮影中はちゃんとできているか不安でしたけど、市川のモノローグが見られる2話をチェックしたら、思ったよりうまくできていた気がします。自己採点ですけどね(笑)
「かなえたいことは、口に出せ」HIROさんから学んだ夢を実現する秘訣

「EXILEのメンバーになる」「自身の主演ドラマの主題歌を担当する」など、多くの夢を実現してきた佐藤さん。夢をかなえるためにしていることは? と尋ねると、二つの心掛けを教えてくれた。
一つは、ダンスもお芝居もずっと好きでい続けること。好きだから一生懸命取り組めるし、上達できる。好きこそものの上手なれ、ですね。
もう一つは、夢を口に出すこと。実はこれ、HIROさんの受け売りなんです。
HIROさんは、どんなに大きな夢でも宣言してかなえてきた。「言霊って本当にあるんだよ」という言葉がとても印象に残っています。
実際、目標を口に出すようになってからは、周りの人が応援してくれたり、サポートしてくれることが増えました。
とはいえ、その道のりは決して平たんだったわけではない。「何度も壁にぶち当たってきた」と、過去の苦い経験を語ってくれた。
以前、映画の撮影でトレーニングの時間が十分にとれない中、撮影のクランクアップ翌日にEXILEのライブがあったんです。
その1曲目で、あろうことか足がつってしまって。あの時はめちゃくちゃヒヤッとしました。
その瞬間はライブに全く集中できなかったし、楽しさも感じられなかった。
ライブを見に来てくれているお客さんの中には「これが最初で最後」って人もいるかもしれないし、みんな他の日と同じチケット代を払っているのに、全力のパフォーマンスができなかった。

振り返ってみると、この時期、毎日すごく忙しくて、目の前のことをこなしていくので精一杯になって、自分のコンディション管理がだんだんできなくなっていたんです。
足がつってしまったのはアクシデントだけど、そういう事態を招いてしまったのは自分のせい。「プロ失格だ」って自己管理の甘さを痛感しました。
しかし、この経験が佐藤さんの仕事への向き合い方に変化をもたらした。
それまでの僕は、ただがむしゃらに頑張ることしか考えていなかったんです。
何かあった時、最終的に頼れるのは自分だけなのに、無理して自分の体を壊したら元も子もないですよね。

セリフを覚えること、トレーニングすること、しっかり休むこと……全部大切で優先順位はつけられない。だけど、何をしたら何が返ってくるかくらいは考えたら分かる。
そこだけは冷静に考えて、目の前の仕事に向き合うようにしています。
目標がないとつまらない。「こうなりたい」が仕事の原動力
大きな目標を実現した佐藤さんだが、夢を見る気持ちはまだまだ失われていない。
「言える夢、人には言えない夢、たくさんありますけど……」と未来に希望を抱く少年のように瞳を輝かせ、少し照れくさそうに話し始めた。
まずは『liar』を僕の代表作にすること。今まで僕のことを知らなかった方たちにも楽しんでもらえる作品にしたいですね。
と同時に、「今後は『liar』とは正反対の役柄も演じてみたい」という。
年上の女性にキュンキュンしてもらえるような、子犬系男子の役をやってみたいです。おしゃべりな役は得意だし、童顔だし、髪を明るく染めたらハマり役になるんじゃないかな(笑)
他にも、今の僕だからこそ演じられる役をたくさん経験して、「佐藤くんにこんな役をやってほしい」と思ってもらえるようなレパートリーをつくっていけたらいいですね。

また、「仕事でつながった縁を大切にしていきたい」という思いを語った上で、次のような目標も口にした。
今まで一緒に仕事をした人たちともう一度お仕事をしたい。そして、これまで出会えなかった方たちともつながっていきたいですね。
そしてその縁は、自分だけでなくグループにもつなげていきたい。別の作品でも、グループが主題歌として携わる機会をつくっていけたらと思います。
たくさんの目標を語ってくれた佐藤さんだが、なぜ彼は常に夢を絶やさずにいられるのだろうか。
夢がないとつまらないって思っちゃうんです。この仕事をしている意味がないなって。
グループとしては「何年目でアリーナツアー」「その先には単独ドームツアー開催」という夢に向かって頑張ってきたし、俳優としては「こういう作品に出たい」という目標があるから、もっとお芝居が上手くなりたいと思えた。
僕にとって夢を持つことは、仕事の原動力なんです。
夢を持つこと。それは決して容易ではないように思えるかもしれないが、まずは小さな目標でもいいから口に出してみる。すると少しずつ仕事に対する意識が変わり、前向きになれる。
働く日々を豊かにする一工夫は、意外なほどにシンプルだ。佐藤さんの言葉が、大切なことに気付かせてくれた。

<プロフィール>
EXILE / FANTASTICS from EXILE TRIBE
佐藤大樹
2014年2月、EXILE新パフォーマーオーディション「EXILE PERFORMER BATTLE AUDITION」に参加。同年4月27日開催の「EXILE PERFORMER BATTLE AUDITION」FINALで新パフォーマーとしてEXILEへの加入が決定。現在は「FANTASTICS from EXILE TRIBE」としても活動する他、俳優としても活動の幅を広げている
■Twitter:@taiki__official
■Instagram:taiki_sato_official
作品情報

『liar』
MBS/TBSドラマイズム枠にて
MBS毎週火曜24:59~/TBS 毎週火曜24:58~
TVer&MBS動画イズムで全国無料見逃し配信
dTVで見放題独占配信ほか、スピンオフドラマ「liar~すれ違う恋~」独占配信
https://www.mbs.jp/liar/
出演:佐藤大樹 見上愛
川島海荷 太田基裕 高田里穂 佐藤友祐 山谷花純 / 古川雄輝 升毅
監督:熊坂出
脚本:内平未央 大谷洋介 下亜友美
原作:袴田十莉・もぁらす「liar」(双葉社・エブリスタ)
制作プロダクション:スタジオブルー
製作:「liar」製作委員会 ©「liar」 製作委員会
■Twitter:@liar_drama
■Instagram:liar_drama
■TikTok:drama_mbs
■公式HP:https://www.mbs.jp/liar/
取材・文/阿部裕華 撮影/赤松洋太 ヘアメイク/大木利保(CONTINUE) スタイリスト/吉田佳輔