ウエディング広告ディレクター 伊藤ゆりさん/ヨガインストラクターとのWワークを実現! どちらの仕事に対しても誠実であることが何よりも大切
仕事でもプライベートでも輝いている女性をクローズアップ! 自分らしいワーク&ライフスタイルで充実した毎日を送っている女性たちから、ハッピーに生きるヒントを教えてもらっちゃおう。
2つの仕事を軽やかにこなすワーキングビューティ、伊藤ゆりさん。ウエディングに特化した広告制作会社でアシスタントディレクターとして働きながら、ヨガインストラクターとしての活躍の場も広げている。2つの自分を両立させ、毎日の生活を楽しむ秘訣を聞いた。
広告制作の仕事とヨガのインストラクター
両立のキーワードは“誠実であること”
編集部:伊藤さんが2つの自分をどうやって手に入れたのか、とても興味があるのですが、もともとはどちらがメインのお仕事だったのですか?
どちらかと言うとウエディングのお仕事でしたね。新卒でブライダル関係の会社に入社し、ウエディングプランナーをしていました。実はプランナーの採用枠はなかったのですが、「どうしてもウエディングプランナーになりたい!」と訴えて採用していただき、バリバリと働いていました。大好きな仕事で成果を上げることができ、表彰されたりもしたんです。その後何度か転職を経て、今はウエディングに特化した広告制作会社で働いています。
編集部:ヨガのお仕事はいつから始められたのですか?
実は最初の会社にいたとき、仕事が楽しくて頑張り過ぎてしまったのか、身体を壊してしまったことがあったんです。それをきっかけに、まずは心身を休めようとヨガを始めたのが23歳の時。ヨガがすごく合っていたようで、思った以上に早く身体が回復しました。そこでヨガを人に広めたいと思い、資格を取ってインストラクターとして働きはじめました。
編集部:現在のウエディングの職場ではどのようなお仕事を?
結婚情報誌やカタログ、パンフレットなどの広告ツールに掲載する写真をディレクションするのが主な業務です。「この会場ならこういうお花が合う」とか、「このモデルさんにこういうドレスを着てもらおう」などというコーディネートを行い、当日の撮影に立ちあって納品するまでの全てにかかわります。入社1年目の私は、アシスタントとして先輩方のサポートについています。
編集部:ヨガインストラクターとしての副業はOKなんですか?
そうですね。会社はヨガの仕事もしたいという私の気持ちを理解してくれていて、週4日は会社、就業後の夜と残りの1日、それと土日はヨガの仕事という形で両立させてもらっています。
編集部:2つの仕事を両立するために気を付けていることは何ですか?
週4日の出社、しかも夜にレッスンが入るので、どうしても他の社員より早く帰ることになります。その分、朝早い時間に出社したり、家で仕事をしたりすることで、短い時間であっても十分な成果を上げられるように心掛けています。
私のような仕事の取り組み方は、どちらかがないがしろになると「もうひとつの仕事の方が大切なんだろうな」と周囲からは見えると思うんです。だから、任されたことは絶対に時間に間に合うように行うとか、できるだけ先回りして対応するといったことを常に注意していますね。当たり前のことかもしれませんが、2つの肩書きを両立するためには、どちらの仕事に対しても誠実であることが何よりも大切だと思っています。
ストレスは言葉にしてこまめに発散!
ダメな自分を認めて許したら、新たな気持ちでまた頑張る
編集部:広告制作のお仕事とヨガの先生。日常生活はお忙しいのでは?
確かに、ヨガをより深く理解し、新たに資格を取るために身体の解剖学的な勉強をしたり、自分自身もヨガのレッスンを受けたりしているので、今年に入って丸1日休んだ日は1~2日しかないかも(笑)。
でも「時間は作るもの」だと思ってやりくりしています。ヨガの勉強をしたり、トレーニングしたりする時間は仕事でもありますが、リフレッシュにもなっているのかな。でもヨガに関しては、お客さまの集客やレッスン場所の確保など、事務的なことに追われるときも多くて。そんなときは、ストレスを感じてしまうこともありますね。
編集部:ストレスを上手くやり過ごすコツは?
我慢せずに人に話すことですね。身近な人に「うまくいかないんだよね」とか、「しんどい!」とかさらけ出してます(笑)。
身体を壊す前は、「ネガティブなことは言っちゃいけない。とにかく頑張んなきゃ」って思っていたんです。でも、できない自分を認めて許せるようになると、次に進んでまた頑張れるんですよね。
「私だって我慢せずにストレスをさらけ出すこともある」ということは、ヨガの生徒さんにも伝えています。生徒さんは自分と世代が近いOLさんだったりするので、「辛いと感じるのはいけないことじゃなくて自然なことなんだよ」というメッセージになればと思って。
編集部:自然体でいるって大切ですよね。
そうそう! 人との付き合いも似ていると思うんです。たとえ折り合いがつかなくても、自分も相手も悪くない。認めて許して、ちょっとだけ引いて見ればいいんじゃないかなと思うんですよね。かくいう私自身も日々修練しているところで、まだまだできてないですけれど(笑)。
編集部:最後に、将来の夢や目標について教えてください。
将来的にはヨガの仕事をメインにしたいと思っています。今年は、大きなヨガのイベントで200名もの人たちにヨガをレッスンするチャンスをいただきました。いつもの10名程度のレッスンとは見える世界が違い、言葉で動きを伝えて雰囲気を作り上げていくというスタイルがとても新鮮だったんです。
こうした経験を経て、私はヨガをずっと教え続けたいってあらためて思ったんですね。マタニティーヨガや産後ヨガ、シニアヨガなど、女性のいろんなライフステージに沿った形で、心も身体も健康でいられるためのサポートをしていきたいなと。そして、一人一人に満足してもらえる先生になりたいし、ヨガを広めていくことにも貢献したいと思っています。
もちろんウエディング広告に関するディレクションの仕事も、やりがいが大きく、大好きな仕事です。こちらも精一杯頑張って、いい成果を上げていきたいです。
取材日の週末に31歳の誕生日を迎えた伊藤さん。彼女の2013年は、小さな仕事が次の大きな仕事につながっていく経験をたくさん積んだ年だったという。秘訣は、夢や目標を言葉にすること。ひとつひとつの仕事を丁寧に行い、責任の重さまでも背負う覚悟で言葉を発すれば、誰かが必ず道を示してくれると話す。飾りなく仕事や人生のあれこれを話してくれた伊藤さんのビッグスマイルは、とてもナチュラルで美しかった。
取材・文/朝倉真弓 撮影/赤松洋太
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