【男女格差】過去最低の世界125位でも、20代女性の仕事・昇進意欲は向上? この国で「長く働く」ためにできること
「男女平等、日本は世界125位で過去最低」
今年も「ジェンダーギャップ報告書」が世界経済フォーラムから発表され、話題を集めています。
この報告書は、世界経済フォーラムが毎年発表しているもので、経済、教育、政治、健康の四つの分野における男女間の不平等を測定し、ランキング形式で発表しています。
最新の2023年版で日本は調査対象となった146カ国中125位となり、過去最低の順位となりました(下図)。
よく言われていることですが日本は特に経済・政治領域での男女格差が大きく、このランキングでは毎年下位にとどまっています。
低い女性管理職の比率や男女の賃金格差、女性国会議員の少なさなど女性の政治参加が少ないことが要因です。
男女格差は大きいけれど、20代女性ほど仕事の継続や昇進に意欲的に
一方で、良いニュースもありました。
令和5年版の「男女共同参画白書」によれば「この仕事を長く続けたいと思っている(いた)」「いずれは管理職につきたいと思っている(いた)」などの仕事の継続や昇進について年代が若くなるほど前向きで、特に20代女性は3割近くが管理職にいずれはなりたい意向を持っていることが分かりました(下図)。
女性活躍推進法が施行され、女性リーダー育成へ向けて各社で行われているさまざまな取り組みが、女性たちの意識にもプラスの影響を及ぼしていることが想像されます。
「いずれはリーダー・マネジャーになりたいな」
読者の中にも、そんなふうに考えている人は少なくないのではないでしょうか?
この国で、自分らしく「長く働く」をかなえるためにできること
では、女性たちが自らの希望をかなえ、自分らしく働いていくためには何が大切なのでしょうか?
もちろん、国や企業が女性が活躍できる環境を整える必要があるのは大前提なのですが、今日は女性たち一人一人ができることを紹介していきたいと思います。
【1】業務経験を豊かにすることを意識する
なかなか女性リーダーが増えない原因の一つとして「ガラスの壁」があることを皆さんはご存じでしょうか?
女性は就職後に他部署への横の移動が男性に比べて少ないことが数多くの調査・研究から明らかになっています。これを「ガラスの壁」と呼びます。
最初の配属が周辺的な業務であることに加えて、中枢的な業務への異動が起こりにくく、管理職や役員に必要なスキルや経験を身に付けることが難しいのです。
だからこそ会社側は、男女の業務経験格差が是正されるような取り組みを推進する必要があります。
女性側も新規事業の立ち上げプロジェクトや部署を横断するようなプロジェクト、プロジェクトを統括する立場などに積極的に手を挙げ、業務経験を豊かにすることを意識することが大切です。
【2】多様なロールモデルに触れる
「身近なところにロールモデルがいません……」
女性の皆さんからよく寄せられる悩みの一つです。
ロールモデルとは、目標とする人や、自分のキャリアを築く上での指針となる人のこと。
ロールモデルがいることで、私たちの自分の将来像を明確にしたり、モチベーションを高めたり、日々の行動のお手本としたりすることができます。
ただ、ロールモデルは必ずしも一人ではなくてもOK。遠くにいる人でも身近な人でもかまいません。大事なのはその人の考え方や行動を学び、自分のキャリアに生かしていくこと。
ですから、私はできるだけ多様なロールモデルに触れることをおすすめしています。
多様なロールモデルに触れることができたら、ロールモデルの「いいとこ取り」ができますよね?
「Aさんの周囲との接し方」「Bさんのワークライフバランスの取り方」「Cさんのプレゼンテーションの仕方」など、多様なロールモデルの「ココをまねしたい!」というところを少しずつ自分の人生に取り入れていけばいいんです。
女性のロールが必ずしも女性である必要もありません。男性の方も含めて「まねしたい人」をぜひ考えてみてください。
【3】道は自分で切りひらく
「男女共同参画白書」によれば、いまだに約3割の女性が第一子出産前後に退職しています。
私が共同経営する会社のサービスには配偶者の転勤についていくために退職した女性たちも多数登録されていますが、家族など周囲の事情に、より影響を受けやすいのも女性のキャリアの特徴の一つですよね。
だからこそ、どんな状況になっても「自分の道は自分で切りひらく」意識を持つことが大切です。
「配偶者の転勤が多いので、リモートワークで自宅中心に働ける仕事がしたい」と、転職や独立をする女性たちもいます。
多様なロールモデルを通じて多様な働き方の選択肢を知ったうえで、その中から自分はどれを選びたくて、どうしたらそれが実現できるのか、考えたうえで行動していきましょう。
自分で調べたり考えたりしても分からなければ、キャリアカウンセラーなどのプロの手を借りるのも手です。
自分のキャリアは自分のもの。自分からつくっていく意識を大事にしていきましょう!
『ニューノーマル時代のLive Your Life』の過去記事一覧はこちら
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