「ねぇ、話聞いてる?」おとなしすぎる後輩とのコミュニケーションに悩む働く女性にアン ミカさんがアドバイス

アン ミカのポジティブ相談室

悩んでいるのは、一生懸命生きてる証ーー。ポジティブ姉さんアン ミカが、働く女性のお悩みにズバリ回答していきます!

アン ミカさん

アン ミカさん

1972年生まれ。韓国出身大阪育ち。1993年 パリコレ初参加後、モデル・タレント、時には歌手として、テレビ・ラジオ・ドラマ・CM出演など幅広く活躍。「漢方養生指導士」「日本化粧品検定1級」「ジュエリーコーディネーター」など多数の資格を生かし、化粧品、洋服、ジュエリー等をプロデュース。ポジティブな生き方が共感を呼び、多くの世代から支持を得ている。韓国観光名誉広報大使、初代大阪観光大使も務める

相談:受け身な後輩とのコミュニケーションに困っています

Oさん(33歳/Webデザイナー)

後輩がおとなしくて、とにかく話しません。

聞かれたことには答えるけど、そこから会話を膨らます気がないようで、何を言っても響いている感じがなく、手応えがないです。注意しても謝らないし、反省している感じもしません。

ミーティングでは私ばかりが話し、会話を振り、まるでMCのようになってしまって疲れます。

受け身な人とのコミュニケーション、どうしたらいいですか?

アン ミカさんの回答:後輩の反応を待ってあげていますか?

アン ミカ

Oさんのお悩み、すっごく共感します。もうね、Oさんとお友達になりたいくらいです(笑)

しかし最近、ふとこう思うんです。私もそうですけど、姉さん世代は多分、後輩の反応を待ってあげられない部分もあるのかもしれません。

こちらは2秒待っただけで「反応遅いわ~」って思ってしまうけど、もしかしたら後輩は考えるのに5秒かかる子かもしれない。

沈黙に耐えられず、先輩が先に答えちゃっているパターンも少なからずあるのではないでしょうか。

その結果、「あの子よう分からんわ」と判断してしまう。でも、後輩は「完璧に答えないと……」と思って、答えを探っていたのかもしれない。

他にも、本来は後輩に任せればいいことなのに、自分が先に気が付いて、つい自分で動いてしまうことがあるのかもしれませんし、後輩に反省の色が見えないのも、ひょっとしたら怒られることに慣れていないだけかもしれません。

こちらとしてはまず話を受け止めてほしいのだけれども、その準備さえもできてない……。注意されているときは平然として見えたとしても、実は家に帰ってから落ち込んでいる可能性も考えられます。

こういったギャップは、もしかすると世代も関係しているのかもしれません。もちろん個々の性格はさまざまですが、年代によって置かれた環境や教育の差はありますから。

これは私も最近気付いたのですが、きっと私たちが若かった頃もまた、目上の人から「新人類」と言われ、異質な存在だと思われていたはず。

年長者になった私たちも、それと同じようなことを下の子たちに対して思っている。「私のときはこうだったのに」って。

これは私たち世代に課せられた試練でもあります。

「この世代はこうだから」とくくってしまう方が楽だけど、その楽さに甘えないようにすることが大事なのかもしれません。

ならばいっそのこと、そのおとなしい後輩から存分に学ばせていただきましょう。ファイトです!

「自分と同じ」を相手に期待しないこと

私は、世の中には情熱型と誠実型の人がいると思っています。

感情豊かに分かりやすく表現するのが得意な人と、誠実に言葉を選んで丁寧に表現する人がいるとしたら、Oさんは情熱型で、後輩の子は誠実型なのかもしれません。

Oさんは、きっと仕事ができる方なのだと思います。だから答えが早く欲しいし、報告や相談は簡潔で分かりやすくあってほしいと思ってしまうのではないでしょうか。

でも、誠実型の後輩は丁寧に返したいと思うあまり、回りくどくみえたり、言葉選びが慎重になり黙ってしまうのかもしれませんね。

だから、まずは「自分と同じ」を相手に期待しないことが、大切なのだと思います。

その上で、後輩に役割を与えて、しっかり任せる。できなかったときは「何でやってないの!?」ではなく、「どうしたの?」と相手が発言するまで待ってみる。

その時も、相手の目をギンギンに見て威圧感を与えるのではなく(笑)、気楽なムードで引き出してあげてください。

特に、年齢差が大きかったり、先輩側が上位の役職に就いていたりする場合、思っている以上に、後輩は先輩と接することに緊張している可能性がありますから。

あとは、自分がその後輩と適切なコミュニケーションが取れているのか、改めて考えてみるといいかもしれません。

後輩に対して、「ミスを指摘する」「注意する」といった場面のコミュニケーションだけが濃くなってしまっていませんか? それ以外の会話に同じぐらいの時間を取っているか、自分に問い正してみましょう。

思い通りの成果が出なかったときに、怒ったり幻滅したりするのではなく、成果に導いていく役割が先輩たちにはあるものです。

同じ「注意する」でも、怒るのではなく、「提案によって導く意識」が必要なのだと思います。

そのためには後輩との信頼関係も重要です。本当は仕事終わりに食事に誘ったり、飲みに行ったりできればいいのですが、今はそれだけでもハラスメントと言われかねない時代。

限られた勤務時間内で、しかも緊張感のある職場で相手の思いを引き出すのは非常に難しいことですが、普段のちょっとしたコミュニケーションでさりげなく得られる情報から、気長に相手の心を開き、信頼を築き合うことを考えるのが現実的かもしれません。

もちろん職場や職種、後輩のタイプにもよりますし、忙しい中、時間も労力も掛かって大変ですが、私たちも時代時代のやり方を取り入れていく必要があるため、今の若い世代にはそういう接し方が必要なのだと思います。

そして私たちが若い頃もまた、当時の先輩方が従来とは別のやり方で、それなりの時間と労力を使ってくれていたのでしょう。

同じように、後輩が先輩の立場になれば、きっと今のOさんと同じように後輩への接し方に悩む日が来るのかもしれません。そう考えれば、少し気持ちが楽になるのではないでしょうか。

いや~、改めてOさんにはとても共感しますし、すっごく親近感(笑)。希望を持ちつつ、でも相手に過度な期待を寄せ過ぎず、ちょうどいいくらいでやっていきましょうね。

取材・文/天野夏海 撮影/SHITOMICHI(SEPTEM)

書籍紹介

『Let’s Do アンミカ! アン ミカのポジティブ相談室』(講談社)

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