14 SEP/2023

「生涯子どもなしが最大42%」の裏にあるのは経済的不安? 自分らしいライフスタイルを選択するために今できる三つのこと

live your life

『「生涯子供なし」現18歳女性で最大42% 男性は5割も』 ――最近、こんな新聞の見出しが話題になりました。

これは国立社会保障・人口問題研究所が発表した「日本の将来推計人口」に関連したもので、報道によれば2005年生まれの女性(23年に18歳)の場合、「子どもを持つ人が最も少ない」仮定では「50歳時点で子どもを持たない人の比率」が42%になると言います。

また、「子どもを持つ人が最も多い」仮定でも24.6%で、両者の中間を取ると33.4%とのこと。

3人に1人は子どもを持たないことになります。また男性では最大5割程度、2人に1人が子どもを持たない可能性があるそうです。

背景には教育資金などへの経済的不安

こういった数字を見て、みなさんはどんな感想を持つでしょうか?

ちなみに「子どもを持たない理由」としては同じく国立社会保障・人口問題研究所の資料によると「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」といった経済的理由を挙げる人が6割以上と圧倒的に多くなっています。

今後、「結婚しない」「子どもを持たない」――そんなライフスタイルを送る人は男女ともにますます増えていくことでしょう。

しかし、「本当は子どもが欲しいけれど、経済的な不安があるから持たない」と、本心とは裏腹に経済的な理由で子どもを持たないことは、自分らしい選択ができているとは言えないのではないでしょうか。

将来的に子どもを持つ・持たないどちらを選ぶにせよ、「自分が納得できるライフスタイルを選択する力」を身に付けておくことは重要です。

田中美和

生き方・働き方はますます多様化していく

私はフリーランスやリモートワークなど働く時間や場所にとらわれない仕事を女性にご紹介する会社を経営しています。

10年前の創業時はサービスにご登録されていた方たちの大半が、30~40代のママたち。「育児と仕事を両立したい」そのためにフリーランスやリモートワークを希望される方が中心でした。

今もサービスご利用者の5~6割はママですが、一方でご結婚されていない方、お子さんがいらっしゃらない方、また20代の方の登録も増えています。

しかしながら働き方が多様化してきたからこそ、「自分らしい働き方をどう実現したらいいか分からない」「自分には何もない」……こんな不安を抱く人も増えています。

将来的に、多様な選択肢の中から「自分らしいライフスタイルを選択する」力を身に付けるために、今のうちから取っておきたいアクションを、三つほどご紹介します。

【「自分の手の中にあるもの」を言語化する】

まず、だいたいみなさん「自分には強みがない」「スキルがない」(だから不安…)とおっしゃるのですが、20年以上「自分らしく働く」ことにかかわってきた私の経験から言うと、本当に「何もない」人なんていません。みなさん毎日の生活を通して重ねてきた経験、習得してきたスキルが必ずあります。

ただ、これまで獲得してきた経験やスキルを「棚卸しする」「言語化する」機会を持てていないだけではないでしょうか。私の友人で一年に一度ホテルに缶詰めになって「自分合宿」をしている人がいます。一年間で自分が獲得してきた経験やスキルを振り返って、次年度の自分の目標を決めるのだそうです。

そこまでやるのはなかなか難しいかもしれませんが、忙しい毎日の中で少し立ち止まって自分を振り返る時間を持つことで、自分の強みを言語化し整理することができます。

そうすることで、自分の強みを「稼ぐ力」へと育てていくことができ、将来の選択肢を広げてくれるはずです。

田中美和

【多様な働き方の選択肢を知る】

次に大切なのが、「多様な働き方の選択肢の中からその時の自分にぴったりくるものを組み合わせて実現すること」です。

私がお会いした人の中には、ずっと会社員で転職をしながら「自分らしい働き方」を実現してきた人もいますし、複数社での会社員をへて今はフリーランスという人、正社員・パート・派遣・フリーランスなどを経て50代で再び正社員…という女性もいらっしゃいました。

自分らしい働き方を考えるうえで「これが正解」「これが間違っている」ということは本当にないのだなと痛感します。ただ、選択肢を知らないと選べないのも事実。このため、まずはぜひ多様な働き方の選択肢、多様な生き方を知っていただきたいです。

【学び続けることが「自分らしい働き方」につながる】

自分らしい働き方を実現していくうえで「学び」は欠かせない要素です。人生100年時代、長寿化するなかで年金の支給開始年齢の引き上げなどもあり、私たちは70歳くらいまでは働くと思っていたほうがいい世代です。

20歳前後で社会人になったとして実に50年近く働く期間があるんですね!それだけの期間ですから、せっかく学んだスキルも陳腐化してしまいます。新しいテクノロジーもどんどん出てきます。

学び続けることで、時代に合わせて自分の価値も高め続けられる。そしてそれが、自分の選択の幅を広げてくれます。

このように、「自分の強みを知り、多様な働き方を知り、学び続ける」ことにより、キャリアの主導権をしっかり自分で握って行動することができる。そしてそれが、「自分らしいライフスタイルの選択」へとつながっていくのだと、私は考えています。

田中美和

実は最近、ここでお話したような内容を一冊の本にまとめました。

タイトルは『自分らしく働くための 39のヒント Live My Life』。書籍の中では「自分らしく働く」ための考え方や行動のヒントをご紹介しています。

今回お話しさせていただいた、「忙しい毎日の中で一度立ち止まり、自分を振り返る時間を持つ」具体的な方法や、30代から50代まで男女ともに「自分らしい働き方」をつくってきた人の事例についても詳しくご紹介していますので、ぜひ、参考にしてみてくださいね。

今起こすアクションで、将来自分らしいライフスタイルを選択する力を持つことはできます。ぜひ、できることから一つずつ始めてみてください。

書籍情報

田中美和 自分らしく働くための 39のヒント Live My Life

実例もあり! 超実践的フロー&ワークシートであなたの才能をみるみる体系化
「私には強みもないし…」「人に誇れるような学歴や経歴がないんです」
みなさんの中にもそう思う人がいるかもしれません。でも安心してください!  
私たちは100人いれば100通りの人生があります。これまでやってきたこと、取り組んできたこと…今まで経験したことが一人ひとり必ずありますよね。

大切なことは歩んできた道のりをしっかり振り返ること、その結果として自分の手の中に何があるかを正しく理解すること、そして今後どんな人生を歩みたいかを考えて行動へつなげていくことです。
すべてが今につながっているし、振り返ればたどってきた道がある。

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田中美和

【この記事を書いた人】
Waris共同代表・国家資格キャリアコンサルタント
田中美和

大学卒業後、2001年に日経ホーム出版社(現日経BP社)入社。編集記者として働く女性向け情報誌『日経ウーマン』を担当。フリーランスのライター・キャリアカウンセラーとしての活動を経て2013年多様な生き方・働き方を実現する人材エージェントWarisを共同創業。著書に『普通の会社員がフリーランスで稼ぐ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。一般社団法人「プロフェッショナル&パラレルキャリア フリーランス協会」理事