物価上昇が止まらない時代に知っておきたい! 女性がキャリア&収入アップしやすい副業の選び方3選【田中美和】

「実質賃金が24カ月連続マイナス、過去最長」というニュースが話題になりました。
「実質賃金」というのは、労働者が受け取る給与から物価上昇分を除いた額のこと。つまり、物価の上昇率が給与額の上昇率を超えていたら、実質賃金は減少するということです。
今は、給与総額は伸びているものの、物価上昇に追いつかない状態が続いています(下図)。

厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和6年3月分結果速報」より
こうした時代だからこそ、副業で収入を増やすことを検討している人も多いのではないでしょうか?
副業は目先の収入を増やすだけではなく、新しいスキルを学んだり、経験を身に付けたり、人脈を広げたりすることで、長い目で見た収入アップにも繋がり、ひいては自分らしい生き方、働き方にも繋がります。
そこで今回は、長く、自分らしく働き続けるために知っておきたい「未来の収入アップをかなえてくれる副業の選び方」や両立のコツについてご紹介します。
「興味があって、本業と両立しやすい」は大前提
大前提として、副業であっても本業であっても、仕事を依頼してくる人たちからすればプロとして質の高い仕事が求められます。
本業と上手に両立して高いアウトプットを出すには、自分の興味・関心のある分野でなければとても続けられません。
また、興味・関心のある分野だからこそ、新たなスキルを学ぶ意欲につながり、結果的にスキルが上がって稼ぎやすくもなっていきます。

一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会ホームページより
上の図はおもなフリーランスや副業の職種一覧です。みなさんが興味のある仕事はありますか?
副業の仕方としては、本業を活かすかたちもありますし、本業とはまったく異なる副業を選ぶ方法もありますね。
たとえば、本業で人事部で採用の仕事をしている人がその経験を活かして他社の採用業務を副業で請け負うようなケースがありますし、マーケティングの仕事をしている人が副業でハンドメイドのアクセサリー作家をしているようなケースもあります。
普段は派遣社員として事務系の仕事をしている人が、終業後や休日を活かして副業で家事代行(ハウスキーパー)をしていることもあります。
また、本業とのバランスを考えると「両立のしやすさ」を軸に副業を選ぶのも大切なポイントです。オンライン中心でできるものや、すきま時間にできるようなものは両立しやすいですね。
ウェブデザインやライティング、動画編集、SNS運用などの仕事はオンラインで完結できる典型的な副業のお仕事です。
アクセサリーや雑貨など、自分で作った作品を販売する副業もminneやメルカリなどのアプリを使って売ればすきま時間を活用できるので両立しやすいものです。
では本題の「稼げる副業をどう選ぶか」についてもコツをお伝えしていきましょう。
稼げる副業の選び方① できる限り上流工程を狙う

どんな領域であっても、企画立案や開発設計など仕事全体の初期にあたる上流の工程を担当できるスキルを持っていたほうが報酬が高い傾向にあります。
例えばSNSの運用ひとつとっても、どういうターゲットへ向けてどういうメッセージで訴求すれば依頼主が求める成果が得られるのか? といった観点から企画して運用できる人は報酬が高くなります。
フリーランスへの発注にあたって、企画などの上流業務から施策の実行までをまとめて依頼したい場合も多いので、日々の仕事経験を積むときに上流工程から実行部分まで一連の流れを意識的に経験しておけるとよりいいですね。
未経験だったり、スキルの習熟度が浅かったりすると、なかなか仕事が見つからなかったり、見つかったとしても報酬レベルが低い状態からのスタートとなります。なぜなら、「経験豊富な人にお願いしたい」という顧客が多いからです。
ですから経験が浅い状態から副業を始める場合は、しばらくは「経験を積む期間」と割り切って、まずは実績を積み上げることを重視しましょう。
そのうえで実績をアピールしながら少しずつ「稼ぐ」段階へと移行していってください。
稼げる副業の選び方② 市場ニーズの高さを見極める

2つ目に意識していただきたいのが「市場ニーズ」です。
市場ニーズとは、市場で求められている商品やサービスのことです。 副業を選ぶ際には、自分が得意な分野や興味のある分野だけでなく、市場ニーズがあるかどうかをしっかりと調査する必要があります。
市場ニーズがある副業であれば、案件を見つけやすくなります。加えて需要が多いということは、企業や個人がそのサービスにお金を払う価値があると認識しているということです。
そのため市場ニーズがある副業であれば、自分のスキルや経験に見合った報酬を得られる可能性が高くなります。
市場ニーズを調査するためには、クラウドワークス、ココナラ、ランサーズなどのクラウドソーシングやスキルシェアサービスに掲載されている案件を調べてみるのがすぐできる方法でおすすめです。
自分の興味・関心がある仕事内容をぜひ検索してみましょう。
稼げる副業の選び方③ 「希少性(レアさ)」を意識する

最後に、副業で成功するためには「希少性」を意識することも非常に重要です。
②で「市場ニーズが高ければ稼ぎやすい!」とお伝えしましたが、市場ニーズが高くても、そのスキルの提供者が多ければなかなか「稼ぐ」のは難しいものです。
たとえばライターは市場ニーズが高いものの、一方で副業でチャレンジしたい人が多い人気職種でもあるので、競争が激しく高単価で受注するにはハードルがあります。
しかしライターと言っても専門的な技術に関する情報を、分かりやすく読みやすい文章に書き換えるテクニカルライターはその専門性ゆえに希少性が高く、ライターの中でも高収入を実現しやすい仕事です。
テクニカルライターは、家電やソフトウエアなどの製品のマニュアルや説明書、技術文書の作成をするような場面で活躍しています。
また私の会社では女性を中心にフリーランスの仕事をご紹介するサービスをおこなっていますが、ウェブサイトやSNS、広告などを活用して、潜在顧客に商品やサービスを知ってもらい販売につなげていくウェブマーケティングは常に市場ニーズの高い仕事です。
なかでも一般的に「BtoBマーケティング」と呼ばれる法人へ向けたウェブマーケティングについては経験者が市場に少なく、常に引っ張りだこです。
以上、今回は「本業と副業を両立するコツ」や「稼げる副業の選び方」についてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか?
お伝えしたポイントやコツを参考にしていただきながら自分に合った副業を見つけて上手に活用し、より自分らしい生き方・働き方を実現していってくださいね。
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【この記事を書いた人】
Waris共同代表・国家資格キャリアコンサルタント
田中美和
大学卒業後、2001年に日経ホーム出版社(現日経BP社)入社。編集記者として働く女性向け情報誌『日経ウーマン』を担当。フリーランスのライター・キャリアカウンセラーとしての活動を経て2013年多様な生き方・働き方を実現する人材エージェントWarisを共同創業。著書に『普通の会社員がフリーランスで稼ぐ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。一般社団法人「プロフェッショナル&パラレルキャリア フリーランス協会」理事
『ニューノーマル時代のLive Your Life』の過去記事一覧はこちら
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