超ポジティブなプラスサイズモデル&ダンサーJESSICA流「見た目にごちゃごちゃ言う人」への対処法

「あれ、太った?」
「女性らしくしなさい」
「社会人らしさが足りないんじゃない?」
ハラスメントやルッキズムへの意識が高まりつつあるとはいえ、職場や家族、友達からこんな言葉を投げかけられた経験を持つ人はきっと多いだろう。
そこでプラスサイズモデルとしても活動する、ダンサー・振付師のJESSICAさんに話を聞いた。
アンチコメントに対して明るく楽しく、時にかっこいいダンスで応対する彼女は、見た目についてごちゃごちゃ言ってくる人にどう対処しているのだろう。
>>JESSICAさんのキャリアインタビューはこちら
ダンサー・振付師JESSICAの「プラスサイズな自分めっちゃ好き!」マインドをつくった原体験

JESSICAさん
1995年生まれ。大阪府出身。ファレル・ウィリアムスや『DREAMS COME TRUE』などのバックダンサー、振付師を務めるプロダンサー。次世代型クリエイター・ユニット『午前0時のプリンセス』のメンバーであり、モデル、インフルエンサーとしても活躍中 Instagram/TikTok/YouTube
適当に流して、相手のことも否定しない!
「太った?」とか、「やつれた?」とか、いちいち見た目について聞かれるのが嫌だな〜と思います。
そういうとき、JASSICAさんはどうしていますか?
うーん……気にしない(笑)
そもそも言ってくるやつが悪いんですよ。言われてる側は何も悪くない。好きな見た目で生きている人を否定する権利なんて誰にもないですから!
それが前提ですけど、「痩せた方がいい」みたいに言われるのがめっちゃ嫌ってわけでもないですね。その人の価値観ではそうなんやって思うだけ。
「痩せた方がいいと思うんやな〜」で終わりです。
反発はしない?
あなたはあなた、私は私、ですからね。
私が「自分は魅力的」って思ってるからそれでいいです。
それに「太ってる方がええやんか!」とも思わないですから。
私はプラスサイズモデルとしてプラスサイズを日本に浸透させていきたいけど、太ってる方が良いとも、痩せ型がダメとも思わない。
痩せてる人も太ってる人も、それぞれかっこいい。全部良い! その中で、私は今の自分の体形が好きで、相手はそうじゃないってだけの話です。
だから体形のことで悩んでいる人がいたら「今のままですてきやで!」って気づいてほしいなって思います。
変に気にせず、流せばいいのか……。
私のSNSの投稿に対して、いろんな女の人たちがコメントやメッセージをくださいますけど、みんな真面目なんですよ。ほんまに真面目で優しい人が多いんです。
だから良い意味でも悪い意味でも、周りの意見を取り入れようとしちゃうんですよね……。
言われたことを真正面に受け止めすぎるから、かえって人の目が気になっちゃうのかもしれないですね。
もうね、適当に流して、自分のペースでいいんだよって思います。
で、人のことも否定しない。それが一番だと思いますね。
北川景子もあなたにはなれない
JESSICAさんは人の目を気にすることはありますか?
ほ〜んまにないです。
この場所でうるさくしたらあかんとか、そういう周りの目は気にしますけどね。体形のこととか考え方とか、そこは自分の価値観でいってます。
広告もSNSも「痩せているのが良い」を前提にしていることが多いし、ダンサーはスリムな人がほとんどですよね。
そういう中で、どうして「今の自分が魅力的」とブレずにいられるんですか?
人生は一度きりで、明日死ぬかも分からないじゃないですか。本気でそう思ったら、周りのことなんて気にしてる場合じゃないと思うんですよ。
限られた人生を1日でも多く楽しみたいし、ハッピーでいたい。それなら悩むより、今の自分を認めて楽しんだ方がよくない?っていう。
めっちゃシンプル……!
私は極論で考えがちですけど、本気でそう思ったら「確かに周りのこと気にしてる場合ちゃうわ!」って思えるんじゃないかな。
それに、高校に入る前にダイエットして20キロ痩せた時、「痩せる前の方がかわいかったな」と思ったし、ご飯を我慢しながら「こんなん明日死んだら後悔するわ」って思うのも嫌だったんですよね。
自分はいっぱい食べて、迫力あるボディーで暮らす方が幸せ。
だから何も気にせずおいしいものをいっぱい食べている今は、毎日が楽しくて幸せです!
JESSICAさんが食べてる動画、めっちゃ幸せそうですもんね。
もちろん理想の体形を目指して頑張るのもめっちゃいいと思います。
私はどんな体形の人もすてきだと思いますけど、好みはそれぞれあるじゃないですか。細身が好きとか、ぽちゃっとしてるのが好きとか。
それを否定する必要はないと思うんですよね。目指す方向を変えるのは難しいし、ダイエットもしたければ無理せずゆっくりしたらいい。
いずれにせよ、自分がなりたい理想像には努力しないとたどり着けないですしね。
たしかに。
ただ、理想は理想としてありつつも、どんな姿でも「今もかわいいやん!」って、自分を認めて愛してあげてほしいなとは思います。
特に見た目ってすぐには変わらないじゃないですか。明日いきなりめっちゃ細身にはなれないし、めっちゃプラスサイズにもなれない。
それなら、今の自分も認めてあげた方が、人生の中に楽しい瞬間は増えるんじゃないかな。
それに、一人一人自分の魅力が絶対にあるんですよ。私が北川景子になろうと思ってもなれないし、北川景子も私にはなれないじゃないですか。
それがあると、「痩せなきゃいけない」「太ってる自分はだめ」みたいな、マイナスな感じにはならないんじゃないかな。
幸せの基準、高すぎない?
アンチから嫌なことを言われたりして、落ち込んだり自信を失いそうになったりしたときはどうしてるんですか?
私、ネガティブになったことないんですよ。
え?
周りがネガティブになってたら一瞬つられて落ち込みかけるんですけど、「いや、待って待って〜! 大丈夫やん!」って感じにすぐなります。
だから落ち込みかけるのは一瞬で、落ち込んではないっていう(笑)
ネガティブになったことがない……?
でも、嫌いなことくらいはありますよね?
嫌いなこと ……えー何が嫌いやろ!?
逆に聞きますけど、何が嫌いですか?
二日酔いとか……。
楽しんだ証しじゃないですか〜!(爆笑)
めっちゃポジティブ……!
うーん……嫌いなこと、全然思い浮かばないですね。苦労したことも全部忘れますし、そういう性格なんでしょうね(笑)
ただ、みんな幸せの基準は高すぎると思うんですよ。そこに到達してないから私は幸せじゃないって感じちゃってる気がします。
本当はすぐそばに幸せに思えることがいっぱいあって、その一つ一つに気付ければ「私めっちゃ幸せやん!」ってなれるんですよ。
例えば、私はこうやってしゃべれてるだけでも幸せやし、晴れてたら幸せだし、雨降ってても幸せ!
いろいろ期待しちゃうけど、仕事はうまくいく方が珍しいし、人に理解されないのも「そりゃ別の人間やからな」って思えば、「今の状態でもすごいやん!」って思えるんじゃないかな。
前回話した通り、考え方一つでネガティブな考えとか悩み事がパーンってなくなるのは、自分が身を持って感じたことでもあって。だからこそ、みんなも絶対にできるって思います。
一生懸命になれる仕事や趣味があるだけでも幸せだし、いろんな幸せの形があるじゃないですか。
私は今年29歳なんですけど、アラサーだからとか、結婚しなきゃとか、そういう全てにとらわれずに生きていきたいな〜と思います。
皆さんも1日でも多く今の自分を認めてあげて、愛してあげて、一緒に楽しんでいきましょ!
企画・取材・文・編集/天野夏海