芸歴25年以上の人気声優たちが、モチベーションを常に高く保ち続けられるワケ/松本梨香 三石琴乃 水樹奈々 名塚佳織

今後何十年も働き続ける中で、高いモチベーションを常に維持することは難しいもの。「いい仕事」をし続けるためには、どのようなマインドで日々を過ごせばいいのだろうか?
そこで本記事では、25年以上活動を続けてきたベテラン声優たちが「モチベーションを保ち続ける」ために意識していることをピックアップしてご紹介。
声優界で長年トップを走る彼女たちが、大切にしていることとは?
声優歴36年 松本梨香さん「あえて無駄なことをする時間をつくる」

アニメ『ポケットモンスター』のサトシ役を代表に、エンターテインメントの第一線で走り続けている松本梨香さん。いつもニコニコ明るいパブリックイメージそのままに、彼女が貫いてきたのは「常に“ご機嫌な自分”でいる」ことだといいます。
長いキャリアの中では立ち直れないほどつらいことも、傷つくこともあったはず。それでも「ご機嫌な自分」で仕事に向き合い続けられるのはなぜなのでしょうか?
嫌なことがあったら、まずその場を離れて「無駄なことをする時間」をつくるようにしています。
コメディ映画を見たりお風呂に入ったり、大好きな飼い犬と思いっきり遊んだり。自分が吹き替えを担当したアニメや映画を見て、元気を出すこともあります。
過去の仕事には元気で頑張っている自分がいるし、画面越しに自分の好きな自分と会える。それを見ているうちに、子どもたちからもらった応援の言葉を思い出し「よし、また頑張ろう!」と思えるようになるんです。そうやって時が経つと、抱えていたモヤモヤも晴れていきます。
声優歴35年 三石琴乃さん「自分の心が喜ぶ方に向かう」
声優歴27年 水樹奈々さん「出し惜しみをせず全力を出す」

劇場版『美少女戦士セーラームーンCosmos』に登場した三石さんと水樹さん。
仕事をする上で避けては通れない「逆境」を感じたとき、声優界のトップランナーの二人はどうやってモチベーションを保っているのでしょうか?
うまくいかなかったり、思うように動けなかったりするときは、目線や環境を変えるのがいいと思います。 ずっと同じ道を歩まなくても、違う道に行けば違う景色が見えます。
思っている以上に世間は広いですから、同じ場所で無理にあがかなくてもいい。
植物が光のあたる方に枝を伸ばすように、自分の心が喜ぶ方に向かったらいいんじゃないかなと思いますね。
出し惜しみなく、余力を残さず、「今日が最後かもしれない」という思いで毎日を過ごしています。
そうやって全部を出し切ると、次のエネルギーが湧いてくる気がして。
たとえ失敗したとしても全力でやっていれば後悔はないし、その経験は必ず次に生きます。 もし遠回りになることがあったとしても、その経験もとても大切です。
声優歴25年 名塚佳織さん「仕事、育児、ご褒美のメリハリを大切にする」

声優歴25年、『ONE PIECE FILM RED』のウタや、アニメ『交響詩篇エウレカセブン』(エウレカ役)、『コードギアス 反逆のルルーシュ』(ナナリー・ランペルージ役)など数多くの作品に出演し続けている名塚佳織さん。
二人の育児と仕事を両立する名塚さんがモチベーションを保ってチャレンジし続けられるのは、「仕事・育児・ご褒美」のメリハリがあるからだと話します。
役者の仕事が特殊なのかもしれませんが、子どもに授乳しながら、家事をしながら、仕事のことを考えているときもあります。
もちろん仕事でも育児でもどれか一つに無心で没頭する時間が必要なこともありますけどね。
例えば、子どもが風邪をひいたら仕事は一時中断して落ち着くまで向き合う。仕事に没頭しなきゃいけない時は家族や頼れる人に頼って仕事に集中する。そうやってメリハリをつけています。
自分へのご褒美も大切です。
大好きな甘いものを買ったり、遊びの時間をもらったり、ただただ寝る時間を確保したり……それらの時間も含めて、メリハリを大切にしています。
文/Woman type編集部