元事務職ダンサーHARUKAが『SASUKE』初チャレンジ「損得勘定で仕事してたら、挑戦の機会はやってこない」【CYBERJAPAN DANCERS】
日々の暮らしの中で、ちょっとしたチャレンジをすること。それが、Woman typeが提案する「Another Action」。今をときめく女性たちへのインタビューから、挑戦の種を見つけよう!
国内外のクラブやフェスでパフォーマンスを披露してイベントを盛り上げるダンスパフォーマンス集団、『CYBERJAPAN DANCERS』(以下、サイバージャパンダンサーズ)。
同グループの一人で、いま目覚ましい活躍を見せているのが、元事務職のダンサーHARUKAさんだ。
インスタのフォロワーは68.5万人(24年12月現在)。11月に発売されたばかりの写真集では、鍛え抜かれた美ボディーを披露してSNSでも話題に。バラエティー番組やスポーツエンタメ番組への出演も続き、活動の幅を広げている。
そんな彼女にとって今年最大の挑戦となったのは、スポーツエンターテインメント番組『SASUKE(サスケ)』と、7年ぶりの放送が発表された女性版SASUKE『KUNOICHI(クノイチ)』への出演(※)だ。
ダンサーになってからは毎日がチャレンジの連続でしたが、今年一番の挑戦は何と言っても『SASUKE』と『KUNOICHI』に出させていただいたこと。これまでにない緊張感を味わいました。
畑違いの仕事でもオファーが来たら「とりあえずやってみようと考えるタイプ」だと明かすHARUKAさん。
初めて挑戦することでも、「まずはやってみる」スタンスを彼女が大切にし続けてきた理由とはーー?
緊張で「脚が震えた」SASUKEのスタート台
4歳から器械体操を始め、幼いころからスポーツに親しんできたHARUKAさん。専門学校を卒業して就職した後は、会社員として働いていた。
サイバージャパンダンサーズに加入したのは今から6年前。10代のころにSNSで見たサイバージャパンダンサーズに一目ぼれし、自分もその一員になることを夢見てきた。
ただ、初めて受けたオーディションはあえなく落選。事務職として働く傍らトレーニングを続け、機会がめぐってくるごとにオーディションを受け続けた。
そんな中、2018年に「研究生」としての加入が決定。ようやく夢の舞台に立つ切符をつかんだ。
今では各種イベントを盛り上げるゴーゴーダンサーとして、世界各地を飛び回る日々を過ごしている。
そんな彼女に今年いきなり舞い込んだのが、スポーツエンターテインメント番組『SASUKE』と『KUNOICHI』(ともにTBS)への出演オファーだった。
最初は、「何で私に?」って思ったんです。
『SASUKE』にはサイバージャパンダンサーズの先輩が長く出ていたので、緑山にある会場にはいつも応援に行っていたんですけど。まさか自分が挑戦させてもらえる日がくるなんて、夢にも思っていませんでした。
オファーを受けたときは戸惑ったが、すぐに「やる」と決めた。
そこからは、普段行っているボディーメイクのための自重トレーニングに加え、基礎体力づくりのためのランニングや腕力をつけるための懸垂などを実施。「動くための体」づくりに全力を注いだ。
そうして迎えた『SASUKE』収録当日。これまでサイバージャパンダンサーズの先輩が立ってきたスタート台に、初めて足を踏み入れた。
「落ちたくない」「どうしよう」……。不安と緊張が押し寄せてきて、脚が震えた。
普段のお仕事でも大勢の人の前に立つことはあるんですけど、緊張することはほとんどなくて。それなのに、『SASUKE』の舞台ではプレッシャーを感じてしまいました。
『みんなの期待に応えたい、成果を出したい』と思えば思うほど、足がすくんでしまったんです。
ただ、いざ走り出したらワクワクして、楽しくて。終わった頃にはすっかりはまってしまいました。
収録現場では、他の出演者の皆さんからも「今度一緒に練習しましょう」と声を掛けていただけて、すごくうれしかった。「もっとうまくなりたい」って今は本気で思っています。
『SASUKE』出演は思いもよらない挑戦だったが、結果的に「次にやってみたいこと」も「チャレンジに一緒に取り組む仲間」も手にすることができた。
「求められるなら、応えてみようか」
HARUKAさんが仕事をする上で大切にしているのは、「オファーされた仕事は、とりあえずやってみる」ことだ。
得意なことも、苦手なことも、期待をかけてもらったことには全力で応えてきた。
私のアイデンティティーはあくまでダンサーなんですけど、『SASUKE』に出ることで、サイバージャパンダンサーズを知ってくださる人が増えるなら、ぜひやってみようと思ったんです。
彼女がブレイクするきっかけになったのは、2020年に放送されたバラエティー番組『水曜日のダウンタウン』(TBS)への出演だ。
オファーを受けた時に番組でどんなことをするのか聞いてみると、お色気系のドッキリ企画で。私はグラドルでもないし、こんなことを自分がしていいのかな……って一瞬迷ったんです。
でも、求めてもらえるのであれば、ちょっとそれに応えてみようかという感じで、思い切って出演させていただいて。
これがきっかけで、ダンサー以外でもいろいろなお仕事をさせていただく機会が増えました。
10代のころからの夢だったサイバージャパンダンサーズのダンサーになった今、HARUKAさんの目の前に広がっているのは、想像もしていなかった世界だ。
自分の写真集が出たり、シンガーとして歌を歌ったり、そんなことをする毎日が訪れるなんて、事務職として働いていたころの自分は微塵も思っていませんでした。
ダンサーになる夢はすでにかなったが、サイバージャパンダンサーズでの活動が始まってからの方が、「やりたいことが尽きない」のだという。
今は大きな目標があるわけじゃないし、私自身は『やりたいこと』を口に出すタイプじゃないんです。
でも、一つ一つ目の前にあるお仕事に丁寧に取り組みたいし、期待されたことには誠実に応えていきたい。
そういう思いで仕事をしていたら、誰かが必ず見ていてくれて「次はこういうことをやってみない?」って声を掛けてくれるんです。それで、私も「やってみます」って答えてきて。
サイバージャパンダンサーズに加入してからは、ずっとその連続。そういうサイクルの中でチャレンジしていくやり方が向いているのかなって思いますね。
損得勘定で仕事をすると、失うものが大きい
また、HARUKAさんがサイバージャパンダンサーズに加入してから学んだのは、「損得感情で仕事をすること」による損失だった。
サイバージャパンダンサーズに加入したばかりのころは、「アイドルっぽいキャラを求められるのが苦手だった」と本音をこぼすHARUKAさん。
10代からの夢だったダンサーになったからこそ、ダンス以外の場所で勝負するのが嫌だった。
ただ、「こんなの私の仕事じゃない」とか「何で私が」って思いながらやっている仕事って、自分自身も楽しめないし、得られるものが少ないと気付いて。
損得勘定で仕事をとらえてしまうと、逆に将来のためにならないなと学びました。
だから、私のスタンスはやっぱり「何でもとりあえずやってみる」「求められたら、ちゃんと返す」ということ。
これをしっかりやっていくと、自分自身もずっと仕事を楽しんでいられるんですよ。
こんなふうに、何にでも一生懸命な彼女だからこそ、一緒に働く人も「この人と一緒に新しいことをやってみたい」と思ってしまうのだろう。
今年1年の挑戦を振り返ったHARUKAさんに、来年チャレンジしてみたいことを聞くと、「いろいろ考えたんですけど、全然見当たらなくて(笑)」と等身大の答えが返ってきた。
目標らしい目標じゃないんですけど、いま大事にしたいのはやっぱり、目の前の仕事をしっかり頑張っていくこと。
一つ一つ丁寧に仕事をして、私たちを呼んでくださった方だったり、イベントに来てくださったお客さまを盛り上げていきたいんです。
彼女の仕事に対するスタンスは、一貫して変わらない。
自分のためじゃなく、応援してくれる人のために、期待をかけてくれる人のために、今できることを頑張りたいーー。
目の前にある仕事にいつだって全力をそそいできたHARUKAさんだからこそ、自然と「やりたいこと」も「挑戦のチャンス」も広がっていくのだろう。
インタビュー写真撮影(2020年)/桑原美樹 取材・文/栗原千明(編集部)
『Another Action Starter』の過去記事一覧はこちら
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