3/8は国際女性デー。「女性初」を成し遂げた4人に学ぶ“先駆者マインド”【山下良美 渡邊直子 矢澤麻里子 杉原愛子】

本日3月8日は、女性たちの輝かしい歩みを祝福し、さらなるエンパワーメントを誓う「国際女性デー」。
Woman typeでは国際女性デーを記念して、特集企画「~進め、わが道。拓け、道筋~先駆けの女性たち」を実施しています。
今回は番外編として、過去Woman typeに掲載した4人の女性のインタビューをピックアップ。
各分野で「日本人女性初」という偉業を成し遂げた彼女たちは、どのようにして道を切り拓き、先駆者となったのでしょうか?
W杯サッカー史上初の女性審判 山下良美

一人目は、W杯サッカー史上初の女性審判、日本人女性として初のプロフェッショナルレフェリーとなった山下良美さん。
「もともと審判になる選択肢は頭になかった」と明かす彼女。日本サッカー界のパイオニアへと山下さんを導いたものは何なのか、キャリアインタビューを通して探りました。
「あなたも審判をやってみれば?」と勧められて、初めて「そういう道もあるのか、じゃあせっかく声を掛けてもらったし、まずはやってみようかな」くらいの気持ちで始めたんですよ。
いざ審判をやってみると、選手時代とはまた違う立場からサッカーについて考えられるようになってきました。
「楽しい」という感情とは違うけれど、サッカーの奥深さにどんどん気付いていく感じ。
ピッチに立たせていただくたびに、自分のスキルについても「次はここをもっと修正しよう」「もっと良くしたい」という感情が自然に湧いてきました。
そうこうしているうちに、いつの間にか審判を続けていたんですよね。
日本人女性初の8000m峰14座制覇 渡邊直子

現役看護師でありながら、登山家として活躍し、日本人女性初の8000m峰14座制覇を果たした渡邊直子さん。
そんな渡邊さんが高所登山に挑戦し始めたのは大学生のとき。いざ5000m、6000m峰に登ってみると高所に強く、「向いているな」と思ったと言います。
そこからどんどんと登る山の標高を上げていき、ついには8000m峰へ。
渡邊さんが危険を伴いながらも挑戦を続ける理由は、「自分を変えたい」という思いでした。
子どものころは引っ込み思案な性格で、アウトドア団体の中で発言もできなくて。
でも海外で登山をしていると、言葉が通じないのに不思議と仲間たちとコミュニケーションが取れるんですよね。この成功体験は自信になって、私を大きく変えてくれました。
日本初の女性単独VC 矢澤 麻里子

日本初の女性単独ベンチャーキャピタル(VC)Yazawa Ventures Founder代表の矢澤 麻里子さん。
「働く」に変革を起こそうとしているスタートアップや女性起業家の支援をしている彼女の原体験は、自身が妊娠、出産を経験したときのこと。
早く仕事に戻りたい気持ちと、子どもを思う気持ちの狭間で身動きが取れなくなってしまった当時、定期的な支援を受けられる環境の必要性を感じ、「今度は自分がサポートできる人間になりたい」と起業を決意したと話します。
世の中にとって絶対必要だと思ったことも後押ししました。子育て中はどうしても働く時間が短くなり、100%仕事にフォーカスするのも難しいですが、それは能力が低いからでは決してない。
そう考えた時に、妊娠、出産を機に仕事を辞めてしまったり、自分の能力を過小評価してチャレンジができなかったりする現状は、日本社会にとって機会損失だと思いました。
女子体操初のユニフォーム開発者 杉原愛子

女子体操でハイレグのレオタードの着用が慣例になっている中で、新たな選択肢として太もも部分まで覆われたレオタード『アイタード』をプロデュースしたのが、女子体操選手の杉原愛子さん。
2023年12月に発売された『アイタード』は着実に広まっており、昨年初めて全国大会の団体競技でも取り入れられました。
「ハイレグのレオタード」が世界共通のスタンダードとなっている中で、なぜ杉原さんは「新しいスタンダード」を作ることができたのでしょうか?
レオタードを太ももまでのショート丈にすれば、着心地も普段の練習着と変わらないし、演技にも影響がない。それでいながら、レオタードが抱える問題も解決できる。作らない理由はないですよね。
もともと誰もやってないことをやるのが好きなタイプ。アイタードも「前例がない」不安はありましたけど、それを上回る挑戦したい気持ちに突き動かされて、開発に向けて動き出しました。