今回寄せられたお悩みは、不妊治療中に多くの人が経験する体調不良に関するもの。

体調不良で思うように働けない、仕事で成果を出しづらい……そんな自分とどう向き合っていくか、相談者さんのお悩みから考えてみたいと思います。

【Profile】
ルポンコンサルティング代表／国家資格キャリアコンサルタント
田所ゆかり
日産自動車にて電気自動車の開発やベンチャー事業の立ち上げ等に従事した後、デロイト トーマツ コンサルティングに転職。その後、キャリアコンサルティング事業、企業の新規事業化支援などを手掛けるルポンコンサルティングを起業。会社員時代に不妊治療を経験して誰にも相談できず悩んだ経験から、キャリア形成支援の必要性を痛感し「妊活キャリア」事業を立ち上げる。不妊治療中に転職、起業を実現した経験から、不妊治療を言い訳にしない攻めのキャリア構築を得意としている

悩み：不妊治療による体調不良で職場の評価まで下がっている

ホルモン剤などの治療薬の副作用による体調不良（だるさ、眠気、吐き気、頭痛など）や、治療のストレスなどで明らかに仕事の集中力やパフォーマンスや職場での評価も下がっています。

本当は仕事をバリバリ頑張りたいけど、体調面で無理はできず急に仕事を休んでしまうことも。もっと仕事を頑張りたいのに、フラストレーションがたまってくばかりでどうすればいいのでしょうか……。

＜回答＞
一人で頑張りすぎないで。体調のことは、まず医師と相談

不妊治療中の体調不良、すごくつらいですよね。

職場で不妊治療に理解のある人がいない場合は、周囲に相談しづらく一人でどうにかしようと頑張ってしまう面もあると思います。

ただ、治療によって起きる体調不良やストレスを、自分の努力だけでコントロールするのは困難です。

まずは根本原因である体調不良を改善できる方法がないか、通っている不妊治療クリニックの先生に相談して検討してみましょう。

例えば、医師に相談して薬の調整が可能か聞いてみる。仕事に影響を及ぼすほどの副作用が出ていることを伝えて、他の治療方法がないか相談してみる。

通院しているクリニックで代替案が提示されない場合は、他のクリニックや自治体の相談窓口を活用してセカンドオピニオンを求めることも有効です。

また、パフォーマンスの低下はご自身も辛いですが、職場側も状況が分からず困惑している可能性があります。

できれば、信頼できる上司や人事の方に「不妊治療中であること」「副作用で体調に波があること」など、現状を伝えてみてください。

伝えることで、「業務の調整」「配慮を必要とする期間」などが見える化され、職場も対応しやすくなります。

完璧なパフォーマンスを出すことは難しくても、「状況を伝え、できる範囲で貢献しようとしている」という姿勢を示すことで、信頼関係を維持することにもつながるでしょう。

仕事の「やりがい」と「自由度」を再確認する

さらに、Bさんは「本当は仕事をバリバリ頑張りたい」というお気持ちがあるとおっしゃっています。自分の気持ちが明確で、とてもすてきなことです。

そしてこれは、Bさんが仕事に対する高いモチベーションや「やりがい」を求めている証拠だと思います。

今は体調面で難しいかもしれませんが、その「やりがい」を失わないことが大切です。

一方で営業職とのこと、クライアントとの関係性や会社のシステムによって時間の融通の利きやすさ（「自由度」）は異なりますが、現在の職場はどうでしょうか？

フレックスタイムやリモートワーク、あるいは担当業務の調整などが付きにくい場合は、職場を変えることも一つの選択肢になります。

ご自身が何に「やりがい」を感じているかを明らかにし、それが営業職以外でも実現できるのであれば、体調による調整がしやすい「自由度」の高い仕事に変えることで、パフォーマンスの改善につながるかもしれません。

ぜひ「やりがい」と「自由度」を両立できる働き方を見つけ、諦めずにキャリアを築く道を見つけていきましょう。

田所ゆかりさんキャリアインタビュー https://woman-type.jp/wt/feature/40144/

前回の相談：「仕事を休み過ぎて申し訳ない」会社を辞めて妊活に専念するため退職すべき？ https://woman-type.jp/wt/feature/39928/

書籍紹介

情報提供：『妊活キャリア』

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