【2025年版】面接で聞かれる「退職理由」はどう答えるのが正解?回答例文で解説

【2025年版】面接で聞かれる「退職理由」はどう答えるのが正解?回答例文で解説

転職の面接でほぼ確実に聞かれる「退職理由」。ネガティブな理由だから答えづらい……、と感じる方も多いと思います。

しかし、伝え方次第で、あなたのキャリアへの真剣さや今後のポテンシャルを示す絶好の機会となります。

どう答えると好印象に受け取られるのでしょうか?具体的な考え方を、例文も合わせて紹介します。

なぜ面接官は退職理由を聞くのか?

「退職理由を教えてください」という質問は、転職での面接において避けては通れないものです。ついつい前職への不平不満や、自身の不甲斐なさを語ってしまいがちですが、それはNG。

なぜなら面接官は、退職理由からあなたの価値観や人柄、キャリアへの向き合い方を多角的に理解しようとしているからです。

具体的に、面接官が退職理由を聞く理由について詳しく見ていきましょう。

価値観や仕事への向き合い方を知るため

現実には、転職理由というのは「ネガティブな理由」がほとんどです。ただ、それに対して応募者がどう考えているのか、いかに前向きに捉えているのかを面接官は見ています。

このとき「自分の思い通りにならないから」「会社に落ち度があるから」のように説明してしまうと、「自分勝手で甘い考えの人」だと思われてしまうことも。

その人が働く上で重視している条件や、仕事に対してどういう考えを持っているのかを知り、自社にマッチするのかを判断するために聞いていると理解すれば、前職の批判は得策ではないと分かるはず。

再現性のある人材か、長く活躍してくれるかを見るため

面接官は、応募者の退職理由を聞くことで「責任を持って仕事をやり遂げられる人かどうか」を判断しています。

前職で起きた課題に対し、どう向き合い、どう行動したのか。そして、その経験から何を学び、次にどう活かそうとしているのか。そのプロセスを聞くことで、「この人はうちに来ても、困難な状況を乗り越えて成長してくれるだろうか」「同じような理由で、すぐに辞めてしまわないだろうか」という点を見極めています。

カルチャーフィットを見極めるため

面接官は前職の退職理由が「自社の環境や文化」にも当てはまることだった場合、採用を躊躇するものです。例えば「トップダウンの風土が合わなかった」という理由の人を、同じくトップダウンの文化を持つ企業が採用するのはミスマッチですよね。

特にリモートワークが普及した現在、社風や価値観が合うかは、入社後のパフォーマンスや定着に大きく影響します。そのため、応募者の価値観と自社のカルチャーがフィットするかを慎重に確認しているのです。

答えにくい質問にも誠実に答えられるか

答えにくいこと、難しい質問にどう答えるのか。退職理由を聞いた時にはぐらすようなことはないか、環境などの外部要因に責任転嫁することはないかなどを見て、応募者が誠実な対応ができる人なのかを見極めています。

同時に、落ち着いてきちんと答えられるかどうかで、ストレス耐性や、仕事への責任感や困難を乗り越える力を見ているのです。

面接で話す退職理由を準備する際の注意点

質問意図を踏まえて、次に具体的な「退職理由」を考えていく際に注意すべき4つのポイントを抑えておきましょう。重要なのは「ネガティブな事実を、ポジティブな未来志向に変換していく」ことです。

面接で退職理由を話す時に気を付けたい4つのポイント

1.ネガティブな理由をそのまま語らない

前職に対しての不満がまるでないという人は稀です。不満を持つこと自体は当たり前のことですが、それを面接で正直に伝える必要はありません。

会社に対する批判や不満を「退職理由」にすると、面接官は「自社でも同じ理由で退職をするのでは?」と不信感を持ちます。

「退職理由」になった批判や不満があったとしてもそれを正直に話すのではなく転職後はどうしていきたいのか、対応策や展望など、前向きな内容につなげていきましょう。

2.志望動機やキャリアプランとの一貫性を持たせる

「退職理由」というのは、入社したい会社への「志望動機」につながります。「前職では〇〇という課題があり、△△を実現できませんでした。だからこそ、それが実現できる御社を志望し、将来的には□□で貢献したいです」という一貫したストーリーにするのが理想です。

退職理由からこれら具体的な展望までつなげることで、退職理由を「キャリアプランに基づいた、前向きな選択」というポジティブな印象にすることができます。

3.嘘はつかない

面接官からの印象を良くするために、嘘の退職理由を作るのは逆効果です。その場ではいいかもしれませんが、他の質問と矛盾が発生すれば「一貫性のない人だな」「適当なことを言っているのではないか?」と、それだけで信用をなくしてしまいます。

場合によっては、内定後にリファレンスチェック(前職への照会)が行われることもあります。自社と応募者のミスマッチを防ぐためにも、事実は正直に、しかし伝え方を工夫して話しましょう。

4.抽象的な言葉を使わない

「キャリアチェンジのため」「スキルアップしたいから」など、具体性のない抽象的な言葉を使うと、面接官によってはネガティブに捉えられてしまう可能性があります。

例えば、「スキルアップ」という言葉は、具体的なエピソードがないと「前職では成長できなかった、という不満の裏返しなのでは?」という印象を与えかねません。

なぜスキルアップしたいのか、どんなスキルを身につけ、どう会社に貢献したいのか、必ず具体的なエピソードなどと合わせて「具体性」を持たせるように注意しましょう。

退職理由をまとめる際のコツ

次に、実際に面接での受け答えをするための文章を考えていきましょう。最初から文章を考えるのではなく、まずは要素の整理から始めます。

退職理由を作る4つのステップ

ステップ1:まずは退職理由を正直に書き出す

まずは正直に、あなたが退職を考えた理由を書き出してみましょう。「給与が少ない」「残業が多い」「人間関係が煩わしい」「会社の将来性が不安」などです。

ステップ2:退職理由を前向きな言葉に変換(ポジティブ変換)

書き出したネガティブな理由は、「だから、どうしたいのか?」という視点でポジティブな言葉に言い換えてみましょう。

「給与が少ない」→「成果が正当に評価される環境で、より高い目標に挑戦したい」

「残業が多い」→「業務効率を追求し、生産性を高める働き方を実現したい」

「人間関係が煩わしい」→「チームで協力し、一体感を持って目標達成を目指せる環境で働きたい」

「やりたいことが実現できない」→「〇〇の専門性を高め、より深く業務に貢献したい」

ステップ3:転職後のビジョンを考える

次に、ステップ2で考えたことが転職先で実現できたら、その先にどのようなビジョンを描けそうなのかを考えます。

例えば、「成果が正当に評価される環境で働けたら、営業力を活かしてより一層予算の大きなクライアントにアプローチしてみたい」というように、「これからどうしていきたいか」という理想を付け足すイメージです。

ステップ4:志望理由につなげる

ステップ2で考えた「ポジティブな退職理由」と、ステップ3で考えた「転職後のビジョン」を組み合わせて、「この会社を志望した理由」につなげていきます。

「給与が少ない」が理由なら、「前職では成果に対して公正な報酬を得ることが難しかった。だからこそ、成果を明確に評価する制度があり、社員のモチベーションを重視している御社で、自分の力を最大限に発揮したい」という流れです。

面接官に好印象を与える退職理由の回答例文

面接官に好印象を与える退職理由の回答例文

これまでのコツや注意点を踏まえた上で、よくある退職理由別の例文と伝え方のポイントを用意しました。

「どうしてもネガティブな理由が出てきてしまう」という人も、できる限りポジティブな要素に変換できるよう、伝え方を参考にして工夫してみましょう。

パワハラなど人間関係による退職の例文

前職は、個人の成果を重視する風土があり、個々が独立して業務に取り組む環境でした。緊張感を持って職務に当たれましたが、私自身は、チームメンバーと積極的にコミュニケーションを取り、協力しながら一つの目標を達成することに大きなやりがいを感じるタイプです。

御社がチームワークを重視し、部門を超えたプロジェクトも積極的に推進していると伺い、私が理想とする働き方が実現できると感じました。これまでの経験で培った〇〇のスキルを活かし、チームの一員として貢献していきたいです。

伝え方のポイント
「パワハラ」「いじめ」という直接的な言葉や、特定の個人への不満は避けましょう。「個人の尊重よりもトップダウンの指示が優先される環境だった」のように組織風土や文化とのミスマッチとして伝え、「自分はどのような環境で働きたいのか」という前向きな希望につなげるのがポイントです。

体調不良で退職した場合の例文

前職では業務にやりがいを感じていましたが、プロジェクトの繁忙期が長期にわたり、体調を崩してしまいました。退職を決意し、一定期間療養に専念した結果、現在は完治しており、医師からも就業に問題ないとの許可を得ています。

療養期間中に自身の働き方を改めて見直し、健康管理の重要性を痛感しました。現在は定期的な運動を習慣にするなど、セルフケアを徹底しています。今後はこの経験を活かし、万全の体調管理のもとで、御社に貢献していきたいと考えております。

伝え方のポイント
「現在は業務に支障がない」ことを明確に伝えるのが最も重要です。再発の懸念を払拭するため、具体的な対策や工夫を添え、働く意欲をしっかりと示しましょう。

短期間で退職した場合の例文

前職では、入社前に伺っていた業務内容と、実際の職務に相違がありました。具体的には、〇〇の業務に携われると伺っていましたが、実際には△△が中心でした。状況を改善するため、上長に複数回面談を申し入れ、業務内容の変更を相談しましたが、組織の都合上、すぐの実現は難しいとのことでした。

このままでは自身の専門性を高めることが難しいと考え、早期ではありますが、転職を決意いたしました。御社では、私が希望する〇〇の業務に挑戦できると伺い、ぜひこれまでの経験を活かして貢献したいと考えております。

伝え方のポイント
「すぐに辞めるのでは?」という懸念を払拭することが重要です。「環境を変えるために、自分なりに主体的な行動を起こした」という事実を伝え、安易に辞めたわけではないことを示しましょう。

残業が多くて退職した場合の例文(ワークライフバランス)

前職では、より高い成果を挙げるために業務に邁進しておりました。しかし、業界の慣習から長時間労働が常態化しており、インプットや自己研鑽の時間を十分に確保することが難しい状況でした。

今後、より高いレベルで会社に貢献し続けるためには、業務時間内で生産性を最大化し、プライベートの時間で専門知識を深めることが不可欠だと考えています。効率的な働き方を推奨されている御社の環境で、メリハリをつけて成果を出し、会社と共に成長していきたいです。

伝え方のポイント
「残業が嫌だ」ではなく、「より高いパフォーマンスを発揮するために、働き方を見直したい」というポジティブな意欲として伝えましょう。スキルアップへの意欲や、生産性向上への意識をアピールするのがポイントです。

「退職理由」は前向きに自分をアピールできるチャンス!

「退職理由」は前向きに自分をアピールできるチャンス!

「退職理由」というとネガティブなイメージがあったり、答えにくい質問という印象がありますが、伝え方によってはあなたのキャリアへの誠実さや成長意欲を伝えるアピールポイントにすることができます。

なぜ退職を決意したのか、それは自分のキャリアにとってどのような意味を持つのか。前向きに、自信を持って話すことで、面接官からの印象は大きく変わります。「退職理由」は自分自身を見つめ直し、未来への意思を示すチャンスと捉え、しっかり準備して面接に臨みましょう!