「ご報告があります」はNG!? 嫌いな上司に退職の意思を伝える方法
挨拶、言葉遣い、身だしなみ、所作――。もう新人ではないという人の中にも、ビジネスマナーで困った経験があるという人は多いのでは? そこで、マナーのプロ・美月あきこさんが皆さんの悩みにキッパリ華麗に回答していきます。
美月あきこ
■FB:https://www.facebook.com/Akiko.Mizuki ■ブログ:http://ameblo.jp/lucille/
今回の質問
転職が決まって退職願いを出そうと思っていますが、直属の上司が苦手でうまく言い出せずにいます。いつ、どのように退職の意思を伝えるのがいいのでしょうか……?(営業職/27歳)
プロの回答
退職の意思を伝えるのは誰にとっても気が重いもの。伝え方を間違えてしまうと気持ちよく送り出してもらえないことがあるので注意が必要ですよね。
まず大切なのは、直属の上司にあなたの口から退職の意思を伝えるようにすること。たとえ上司のことが嫌いであったとしても、人伝にあなたの退職のことを知らせるのは失礼にあたります。ここで上司の気分を損ねてしまうと、あなたが不利益をこうむるケースもあるので慎重に。周囲の人に転職のことを話して噂になってしまわないよう注意しましょう。
退職意思の報告は、就業規則を見ると「1カ月前までに」となっていることが多いかもしれません。でも、それはあくまで目安。自分の会社の状況をよく見て、もっと早めに伝えた方がいいかどうかを判断しましょう。あなたの仕事を代わりにやってもらう人の手配など、あなたの退職前後には上司にも少なからず負担が掛かるものです。
実際に退職する時期については、極力周りに迷惑が掛からないようなタイミングを選ぶようにするのがビジネスパーソンとしてのマナー。「今は忙しいからまた後にして!」と先延ばしにされてしまう可能性もありますし、繁忙期の退職はどうしてもという理由がない限り避けるべきです。
上司へのお声掛けの仕方は、「●●課長、今後のことでご相談があります。近々、お時間をいただけないでしょうか」と、アポを確認。この時、転職の意思はしっかり固まっていたとしても、「ご報告」ではなく「ご相談」とする方が相手への敬いの気持ちを表現できます。
いざ退職の旨を伝えるときには、相手が嫌いな上司であったとしても「今まで大変お世話になりましたが……」という感謝の言葉を添え、落ち着いた口調で話すことを心掛けましょう。間違っても、「これが最後」とばかりに会社の悪口や上司の悪口を言ったり、取り乱したりしないこと。上司からの心証が悪くなってしまうだけでなく、「会社のここを直したら転職するのを取り消してくれる?」など、引き止められてしまうかもしれません。あくまで、自分の個人的な理由を退職理由としておきましょう。
上司が自分の苦手な人であったとしても、最後の最後に無用なトラブルは起こさないようにすることが大切! ここはあなたが大人になって、最後まで丁寧な対応を心掛けてほしいと思います。
取材・文/栗原千明(編集部)
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