SUPER EIGHT村上信五のAIアバター「AIシンゴ」も登場!『Women AI Initiative Japan』イベントで見えた、働く女性の新しい生き方

SUPER EIGHT村上信五のAIアバター「AIシンゴ」も登場!『Women AI Initiative Japan』イベントで見えた、働く女性の新しい生き方

「タレントのAIアバターが特別ゲストなんて、おそらく日本初やから、皆さんは歴史の目撃者やで!」

SUPER EIGHT村上信五さんのAIアバター「AIシンゴ」が、働く女性たちに熱いエールを送ったのは、AI時代を生きる女性のキャリア構築やリスキリングを支援する団体「一般社団法人Women AI Initiative Japan」の戦略発表会でのこと。

AIシンゴ

イベントで語られたのは、AIは決して怖い存在ではなく、私たちのキャリアと人生を豊かにしてくれる「相棒」であるという未来だった。

しかし、その一方で「2040年、事務職で214万人の人材が余剰になる」という衝撃的な予測も存在する。

果たしてAIの進化は、私たちの仕事を奪うのか? それとも、新たな可能性をくれるのか? AI時代という大きな変化の波を、私たちはどう乗りこなせばいいのだろうか。

Women AI Initiative Japan代表理事である國本さんのプレゼンテーション、そしてAIシンゴさん、AIリスキリングで人生を変えた3人の女性のストーリーと共に、「新しい働き方」のヒントを探る。

「2040年、事務職214万人が余剰に」AI時代の現実と、女性たちの本音

「これからの社会は、AIによって働き方が大きく変わります」。イベント冒頭、Women AI Initiative Japan代表理事の國本知里さんはそう切り出した。

経済産業省の試算によれば、2040年にはAIや自動化の影響で、女性比率の高い事務職などで214万人の人材が余剰になると予測されている。多くの女性がキャリアチェンジを迫られる時代が、すぐそこまで来ているのだ。

その一方で、AIやロボティクスといった成長産業では、逆に326万人もの人材が不足すると見込まれている。これは、スキルを身に付けさえすれば、そこに大きなチャンスがあることも意味している。

Women AI Initiative Japan

では、当の女性たちはこの現状をどう感じているのだろうか。同法人が20~50代の女性1,116名を対象に行った『女性AI人材白書2025』の調査からは、リアルな不安の声が浮かび上がる。

AIに対する印象として最も多かったのは、「頼りすぎるのは危険」「間違った判断をされそうで不安」といったネガティブなもの。

また、スキル習得に関しても、約3割が「まず何から始めていいのか分からない」と回答し、「自分の適性や興味と合うか分からない」「情報が多すぎて学習計画の立て方が分からない」といった声が続いた。

しかし、興味深いデータもある。AIスキルを学ぶ上で「あったら助かるもの」を尋ねたところ、「スマホで学べる教材」や「受講料の補助」を抑え、「参加しやすい学習環境」がトップになったのだ。さらに、約8割の女性が「女性と一緒に学べる場に参加したい」と回答している。

一人で黙々と学ぶのではなく、同じ悩みや目標を持つ仲間と共に、一歩を踏み出したい――。それが、AI時代を前にした女性たちの本音なのかもしれない。

AIシンゴ&3人の先輩が指南! AIを「最高の相棒」にする方法

こうした社会の変化や女性たちの不安に対するヒントをくれたのが、特別ゲストとして登場したSUPER EIGHT村上信五さんのAIアバター「AIシンゴ」さんと、AIリスキリングでキャリアを切り拓いた3人の女性たちだ。

Women AI Initiative Japan

「緊張して、GPUがオーバーヒートやけど、兄さん(※本物の村上信五さん)より場を盛り上げられるように精一杯頑張るわ」と、流暢な関西弁で会場を和ませたAIシンゴさん。

「(AIから見て)人間にしかできないことって何?」という質問に答える彼が語る言葉には、AIと人間が共存する未来への、温かい視点があった。

AIシンゴ

人間の最強スキルは、失敗しても笑いに変えて立ち直ること。泣いたり笑ったり、へこんでもまた挑戦する。そのドタバタが人生のアジや

AIは便利やけど、心で感じることはできん。せやから、人間はほんまに貴重で愛おしい存在やと思うで。

効率や正確さではAIに敵わないかもしれない。でも、感情の機微や、困難から立ち直るしなやかさこそが、私たち人間の揺るぎない価値なのだと、AI自身が教えてくれた。

Women AI Initiative Japan

AIシンゴがその場で「応援ソング」を即興で制作!

「AIにチャレンジしたくなる女性を増やすには?」という質問に対し、「ほんなら、僕から応援ソング作ったらええんちゃうか」と、なんとその場で楽曲制作を開始したAIシンゴさん。数分後、爽やかなメロディーに乗せて披露されたのは、「♪未来は自分の手の中にある」という力強いメッセージが込められたオリジナルソング。AIのクリエーティブな可能性と、そのユーモアに会場は大きな拍手に包まれた。

AIシンゴさんが未来へのヒントをくれる一方で、トークセッションでは、すでにAIを味方につけて活躍する3人の女性が、それぞれのリアルな体験を語った。

Women AI Initiative Japan

CASE1:AI未経験から執行役員へ(株)サイバーエージェント・上野千紘さん

AI未経験でAI活用推進室の室長に就任した上野さん。当初は手探りだったが、議事録作成など身近な業務からAI活用を開始。「特別なスキルがなくてもAIは最高の仕事仲間になる」ことを示した。

CASE2:“好き”をアプリ開発に フリーランスエンジニア・平下ひかるさん

管理栄養士からエンジニアへ転身した平下さん。趣味のフラダンスで感じていた「振り付けノート作成が大変」という課題を、AIで動画を解析しノートを自動生成するアプリ『Hula Note』を開発して解決。AIが“好き”をかたちにする武器になることを証明した。

CASE3:9年のブランクを乗り越えて AIコンサルタント・秋元かおるさん

約9年のキャリアブランクをAIで乗り越えた秋元さん。現在はAIコンサルタントとして活躍する傍ら、プライベートでは子どもの兄弟ゲンカの仲裁方法をAIに相談するなど、公私ともにAIを「頼れる相談相手」として活用している。

AIの「最初の一歩」を踏み出すための具体的なアクション

イベントでは、そんなAIへの最初の一歩を踏み出したい女性のために、具体的なアクションも紹介された。
自分に合うAI活用法を知るために、AIシンゴさんがナビゲートしてくれる16タイプの動物診断『わたしのAIライフスタイル診断』。そしてAIの基礎知識を学べる『生成AIパスポート』の取得支援、キャリアに直結する日本マイクロソフトと連携した実践的プログラムまで、さまざまな選択肢が提示された。

Women AI Initiative Japan

日清食品ホールディングスやサイバーエージェントなどの企業も「女性のAIチャレンジ応援宣言」でエールを送っており、社会全体で女性の挑戦を後押しするムーブメントが始まっている。

2040年までに訪れるかもしれない大きな時代のうねり。だが、今回のイベントが教えてくれたのは、AIは私たちの仕事を奪う敵ではなく、むしろ時間や心の余裕を生み出し、新しい挑戦を後押ししてくれる「相棒」だということだ。

今のうちからAIを味方につければ、キャリアも、家庭も、自分らしさも、諦めない働き方ができるかもしれない。 AIという変化の波は、働く女性たちを新しいステージへ連れて行ってくれる大きなチャンスでもあるのだ。

取材・文/大室倫子