「人生は明日終わるかも」死生観と向き合い、高橋メアリージュンがたどり着いた“後悔しない選択”
モデル・俳優として第一線で活躍し、31歳で実家が抱える数千万円の借金を完済。その後、ヨガや瞑想を通して死生観と向き合い、キャリアを積み重ねてきた高橋メアリージュンさん。
自分の“心の声”を聞く時間を重ねてきた彼女は、現在は自身の会社を経営し、2026年には株式会社Zの取締役(CPRO)にも就任した。
その根底にあるのは「人生は有限だから、後悔を残さない選択をしたい」という思いだ。
「人生は有限」と意識することは、キャリアの選び方をどう変えるのか。高橋さんの言葉から、“自分の人生”のハンドルを握るためのヒントを探る。
高橋メアリージュンさん
モデル・俳優として活動する傍ら、ヨガ・瞑想を通じて心身の健康や生きる意味を探求。死生観に向き合い、人生を豊かにする学びと体験を届けている。塩原代表との出会い、そして『JAANE-じゃあね-』のコンセプトに共感し、株式会社Zに参画。
“人生は有限”だからこそ「自分はどう生きたいのか」
2026年、新たにリリースされた“生き活支援”アプリ『JAANE -じゃあね-』を開発する株式会社Zの取締役(CPRO)に就任した高橋さん。モデル・俳優として第一線で活躍してきた彼女は、なぜ経営という新たなフィールドに踏み出したのか。
生き活支援アプリ『JAANE』は、突然の事故や病気などの“もしも”に備え、あらかじめ大切な人へメッセージを残しておくことができるサービス
その背景には、これまでの人生で積み重ねてきた経験がある。
人生の有限性という点では、いつ死ぬか分からないじゃないですか。明日終わっちゃうかも、今日終わっちゃうかもと思うと、選択が変わりますよね。『JAANE』は、それに気付くきっかけになると思います。
そう語る高橋さんは、15歳でデビューして以来、31歳まで実家が抱える数千万円の借金を返済し続けてきた。家族を支えるという明確な目標があったからこそ、20代は迷いなく走り続けることができたという。
今までは「実家の借金を返す!」が最大の目標であり、唯一のモチベーションだったんです。自分のやりたいことはそれだ、とすら思っていました。
でも、すべてを返し終えたときに「あれ、私の本当にやりたいことって何だろう……?」ってなったんですよ。
目標を達成した瞬間に訪れた、思いがけない空白。自分と向き合わざるを得ない時間で、「生きること」そのものを深く考えるようになった。そこで出会ったのが、ヨガや瞑想だった。
忙しさの中では気付けなかった自分の本音。瞑想を通して耳を澄ませたとき、初めて「自分はどう生きたいのか」を考えるようになりました。
人生は有限だと実感したこと。目標を失い、立ち止まり、心の声を探し続けたこと。
その積み重ねがあったからこそ、「終わりを意識することで、今をどう生きるかを考える」という『JAANE -じゃあね-』の思想に、自然と共鳴したのだ。
「気付いたら行動する」後悔を残さないためのルール
瞑想を通して自分の心の声を聞くようになった高橋さんだが、「気付くだけ」では意味がないと話す。
瞑想して自分の心の声を聞いても、「いいや、無理無理」って行動に移さなかったら、心のざわつきや後悔が残ると思います。
だからこそ、“気付いたらそれを行動に移す”というプロセスが大切。私も31歳からは、自分のやりたいことはすべて行動に移そうと決めて、挑戦するようにしています。
自分の本音に気付いても、実際に動くのは勇気がいる。だが高橋さんは、思い立ったらすぐに行動してきた。瞑想を経て「旅がしたい」と感じたその直後に、スペイン行きのチケットを予約したこともあるという。
忙しさや周囲の期待のなかで、本音を後回しにしてしまうことは少なくない。けれど、「心の声に気付く → 小さくてもいいから動く」というシンプルな繰り返しこそが、後悔の少ない人生につながっていく。
行動に移すと、自分との約束を守れた感じがするんですよ。自分のことに気付けて、自信になって、自分のことが好きになれる。それが幸せだなって思えるんです。
「自分の心の声に従う」ことを意識するようになってから、仕事の選び方も変わったという。判断基準は、意外なほどシンプルだ。
仕事は、ワクワクするかどうかで選んでいます。どれだけ条件が良くても、心が動かなければお断りすることもあって。
大事なのは、選んだあとに心がざわつかないかどうか。ワクワクなのか、ざわつきなのか、その答えはいつも自分の心が教えてくれると思っています。
条件や評価ではなく、自分の内側の反応を見る。自分の軸に照らして選んで挑戦する。その姿勢は、今回の取締役就任にも通じている。
『JAANE -じゃあね-』を開発する株式会社Z代表の塩原さんは、もともと私の英語の先生でした。その時にアプリの構想や、「大切な人を思い浮かべることで、世界はもっと優しくなるんじゃないか」という話を聞いて、強く共感したんです。
応援したいと思っていたところにCPROのお話をいただき、ぜひやらせてください、とお受けしました。
自分の人生は、自分が主役
人々の愛を可視化する“生き活支援”アプリ『JAANE』には、生きている間にやってみたいこと、実現したいこと、挑戦したいことを書き出せる「バケツリスト」機能が搭載されている。高橋さんも、すでにいくつか目標を登録しているという。
私のバケツリストには『シロナガスクジラに会いたい』と書きました。2年以内と期限も決めていて、もう資料請求もしてあります(笑)
あとは最近、家族全員がそろう機会がなくて。フィリピンの温かくてきれいな南の島で、家族みんなで過ごしたいんです。夕日が沈む時間にライブバンドの生演奏があって、みんなで笑顔でディナーをしている光景を毎晩想像して、涙が出るんですよ。それを叶えたいなって。
やりたいことを書き出す。大切な人を思い浮かべる。それだけで、自分の本音が見えてくるという。アプリを開くと、最初に問われるのは「誰にメッセージを残しますか?」という問いだ。
人生の最後にその人へメッセージが届くと想像するだけで、本当に大切な人が誰か見えてくる。その瞬間から「人生を大切に生きよう」「大切な人をもっと大切にしよう」って思えるんです。
その人たちに伝えたいメッセージって、すごくピュアなものが残ると思うんですよ。人生は一回しかないので、後悔なく生きたい人、もっと充実させたい人に使ってほしいですね。
キャリアに迷い、「自分の人生のハンドルを握れていない」と感じる瞬間は誰にでもある。そんなときこそ、思い出してほしいことがあるという。
私は「自分の人生は自分が主役」だと思って生きています。たとえ周りの人100人にできないよと言われても、少しでも自分ができると思うなら、それを信じていい。自分が自分の一番の味方でいてほしいんです。
自分を責め続けていると他人にも厳しくなってしまうけれど、自分を許せるようになると、自然と人にも優しくなれますから。
人生は有限。だからこそ、選択は尊い。
誰かの期待ではなく、自分の心の声に耳を澄ませること。小さくてもいいから、行動に移すこと。その繰り返しが、「後悔しない人生」へとつながっていく。


