二児の育児と仕事に奮闘! フリーアナウンサー高島彩が語る“私らしい両立生活”の築き方
やりがいのある仕事は続けたい。でも、結婚や出産だって諦めたくない。未来の両立生活を考えると、どうしても不安な気持ちが込み上げてくる……。そんな働く女性は多いだろう。
フリーアナウンサーの高島彩さんも、かつてはそんな女性の1人だった。現在二児の子育てと仕事の両立に奮闘中。「戸惑うことばかり」だという子育てを通じ、自分自身の仕事観や、生き方そのものにも大きな変化があったことを実感しているそう。
子育てを経験したからこそ得られた気付きと、仕事をするからこそ得られる喜びと――。
出産後に感じた変化や、自分らしい両立生活の築き方について高島さんにお話を伺った。
育児は思うようにならないことばかりで当然!
「努力が実る」のは仕事をする人の特権だった
気が付けば二人の娘の母となり、早いもので上の子は今年で3歳です。今は子育てを優先しながら、無理のない範囲でお仕事をさせていただいています。心から待ち望んで授かった命だったので、長女を出産したときは、とにかくうれしくて、愛おしくて仕方ありませんでした。
妊娠・出産によって仕事上のブランクができることを、全く不安に思わなかったかと言えば嘘になりますが、私がいなくても仕事はまわっていくけれど、娘にとって母親は私だけ。「いつも側にいて手を掛けてあげたい」、「娘の成長の1分1秒も見逃したくない」という思いが強くて、仕事復帰を予定より3カ月遅らせてもらったほどです。
長女が生まれたばかりの頃を振り返ると、初めての子育てに戸惑うことばかりでした。
仕事であれば、自分が努力した分だけ誰かが認めてくれたり、成果に結びつくことも多いけれど、子供相手ではそうはいきません。頑張っても思うようにいかないことばかり。せっかく時間をかけて手の込んだ離乳食を作ったのに、一口食べただけでイヤイヤされてしまうことなんてしょっちゅうです。
私はどちらかといえば、何事もきっちりしていたいタイプ。子育てにおいても一人で張り切っては、思い通りにいかずに悩んだり、落ち込んだり。そんな毎日の中で、自分自身も少しずつ鍛えられていった気がします。
「完璧」じゃなくてもいい。
経験の中で気付いた“割り切る”ことの大切さ
特に鍛えられたのは、「割り切る」力です。長女を出産した時は何もかもが初めてで、「私が母親なんだから、何でも完璧にやってあげなきゃ」とかなり肩の力が入っていました。でも、最近ではいい意味で大雑把になってきて自分自身もリラックスしていられます。
例えば、昔は娘が泣いているだけで、母親として責められているような気がしていました。泣き声を聞いていると自分自身が苦しくなるので、長女が泣き出す前に気配を察しては何度も抱き上げていたものでした。
でも、経験を重ねていくと、「子どもの生命力は強くて、私が心配しているよりもずっとたくましいんだな」ということに気付くことができた。少しくらい子どもが泣いていても全然焦らなくなってきます。元気に泣くことができるのも丈夫に育っている証だと思えるようになったので、今は次女が泣き始めても、「ごめんねー。ちょっと待っててねー」と声を掛けるくらいの心の余裕が持てるようになったのです。
正直なところ、2人目が生まれると「完璧」なんて、もうそんなことは言っていられません(笑)。家が少しくらい汚れていたって気にしない。何か困ったことがあったらすぐに夫に助けを求めたり、時には母に甘えたり、うまく周囲の手を借りられるようになりましたし、家族みんなで子供たちを育てていける今の環境に、素直に感謝できるようになりました。
仕事と育児の両立のコツも、徐々につかんできました。例えば、仕事のメールをチェックしているときに限って「ママ、遊んでー」と子供にせがまれて、ついイライラしてしまったり……。でもよく考えてみると、私がその時メールチェックをしていたから、娘に仕事を中断されたような気分になってイライラしてしまっただけ。娘は何も悪くない。そこで、緊急の場合を除いて、家には仕事を持ち込まないことを決めました。もとから「娘と一緒にいる時間に仕事はしない」と割り切ってしまえば、余計なストレスがたまることもありません。
限られた時間を大切にしたい!
出産前よりもさらに「仕事を楽しもう」と思えるようになった
また、仕事に対する意識も変わりました。子育て真っ最中の今は、限られた時間の中で働いています。だからこそ、1つ1つの仕事をより大切にしたいという気持ちが強くなったのです。
特にフリーアナウンサーの立場では、一度現場を離れてしまうと、戻る場所がなくなってしまう可能性があります。それでもなお、「戻ってきてください」と声を掛けてもらえることが、心からありがたく感じています。
そして、私が仕事をしている間、娘たちに少なからず寂しい思いをさせてしまっているのですから、この時間を有意義なものにしなくてはもったいない。今のこの仕事に全力で取り組んで、思い切り楽しもうと思うようになりました。
最近では長女もずいぶんお姉ちゃんになってきて、「ママ、今日はお仕事?」、「頑張ってね」などと話し掛けてくれるようになりました。娘たちの成長を見ているとつくづく感じるのですが、子どもにとっては毎日が新しい挑戦の連続です。泣きながら初めてのことに挑んでいる姿を見ていると、私も負けてはいられないなと思うのです。
一歩ずつでもいいから、私自身もずっと挑戦を続けていきたいと思っています。いつも前向きに、頑張って新しいことに挑んでいく姿を、娘たちに見てもらえればうれしいですね。
取材・文/瀬戸友子