働き方改革が進む社会で“企業から必要とされる”転職者とは? キャリアのプロが4つのポイントで解説
これまでのカウンセリング件数は2万件以上! 女性に大人気のキャリアカウンセラー水野順子さんへの連載取材で、長く働き続けたい女性に役立つ転職・キャリアの情報を発信していきます。初めての転職活動に役立つノウハウも盛りだくさん! 長期的な視点で今後のシゴト人生を考える上でも参考にしてくださいね。
転職活動を始めると、自分のビジネスパーソンとしての「市場価値」と向き合うことになる。現代社会で必要とされているスキルや能力を自分は身に付けているのか、確認する良い機会にもなるだろう。キャリアカウンセラーの水野順子さんによれば、「働き方改革が急速に進められていることや、国や企業が女性活躍の推進に力を入れていることなどから、転職者に求められる能力にもますます変化が出てくる」という。
では、今年度以降、どんな働く女性の市場価値が高くなるのだろうか? 積んでおくと良い経験や身に付けておくべきスキルについて、4つのポイントで教えてもらった。
1.リーダーや管理職を務めた経験
「働き方改革を進めているワークライフバランスの整った企業に転職したいと考える女性は多いはず。でも、忘れてはいけないのは、企業が働き方改革を進める理由は、社員に長く働いてもらい、成果を上げてほしいからだということ。そのため、転職者を採用する際も、長く働く意志の有無はもちろん、その会社で長く働き続けるためにリーダーや管理職のポジションを目指してくれる人材なのかどうかが重視されます」(水野さん)
既にリーダーや管理職業務を経験した女性は、ますます重宝されるという。まだ経験がない若手も、責任ある仕事にどんどんチャレンジしたいという意思があるかどうかを問われることになるだろう。
2.生産性の高い働き方ができる
「女性も男性も、育児や介護などと両立しながら仕事をすることが前提となった今、これまでのように長時間労働を前提とした働き方ではもう会社を維持していくことはできません。そこで、成果を意識し、限られた時間の中でも生産性高く働ける人材の需要はますます高まっていきます」(水野さん)
生産性の向上はいまさまざまな職場で課題になっているため、個人レベルでも常に生産性の改善を考えながら働ける人が求められている。個人レベルでも、チームレベルでも、普段から生産性高く働くためにどんな工夫をしてきたのか具体的に語ることができれば、採用時の面接でもアピールポイントになるだろう。
3. ITスキルと語学力がある
「どんな業務を担当するかでレベル感は変わりますが、ITスキルと語学力、いずれも基礎的なことは理解できる程度にしておくことが、今後どこの会社でも活躍できるようになるための条件ですね。日本は少子化でマーケットが縮小していきますから、大企業に限らずとも、国内企業はマーケットを海外にまで広げていかざるを得ません。すると、今と比べても多様な国の人たちがお客さまになるし、一緒に働く人にも海外の人が増えていく。そんな未来を見据えた採用を行っている企業は少なくありません」
市場のグローバル化にともない、さまざまな業務でWebサービスを導入する機会も増えていく。ITについての基礎知識を持っていると、仕事をスムーズに進めることができるだろう。
4.医療・福祉、観光、建設……伸び代の大きな業界で働いた経験がある
「東京オリンピックを控え、『観光』や『建設』業界は今後も成長していくことが予測されています。また、高齢化が急速に進む中で『医療・福祉』業界で働ける人材もよりいっそう必要です。こうした業界で企業の成長に貢献できるような経験やアイデアを持っている人の市場価値は、今後もますます高まっていくと思います」
経験職種はそう簡単に変えられないものだが、日々の仕事への取り組み方は明日からでもすぐに変えることができる。生産性高く働き、成果にこだわる仕事をすること。業務上の課題があれば、自ら意見を出し、周囲を巻き込んで改善をすること。
自分のスキルアップにつながるような新しいチャレンジを重ねていくこと。そういった行動の一つ一つが、自身の市場価値を高めることに繋がっていく。
取材・文/栗原千明(編集部)
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