ルーズなクライアントに「締め切り」を守らせるには? マナーのプロが教える「お願いごと」の正しい伝え方

挨拶、言葉遣い、身だしなみ、所作――。もう新人ではないという人の中にも、「あれ!? こんな時どうすればいいんだっけ」とビジネスマナーで急に困った経験があるという人は多いのでは? そこで、マナーのプロ・美月あきこさんが皆さんの悩みにキッパリ華麗に回答していきます。
美月あきこ
大学卒業後、日系および外資系航空会社にて国際線客室乗務員として17年間勤務。その後、人財育成トレーナーとして、接遇サービス、対人コミュニケーションについての講演・研修を企業や団体にて行う。客室乗務員時代に身につけたファーストクラス仕様のサービスを元にした、ユニー クな研修手法が好評を博す。すぐに効果の上がる「売れる営業マン・販売員」研修は全国からオファーが絶えず、年間180回以上の研修と講演を行う。著書に、ベストセラーとなった『ファーストクラスに乗る人のシンプルな習慣』(祥伝社)。シリーズ最新刊は、『15秒で口説く エレベーターピッチの達人』(祥伝社)
■FB:https://www.facebook.com/Akiko.Mizuki ■ブログ:http://ameblo.jp/lucille/

今回の質問
営業の仕事をしていますが、クライアントに「お願いをする」のが苦手です。たとえば、締め切りを過ぎても必要な資料を作成してくれなかったり、入金をしてくれなかったり、そういう時に相手を不快にさせず催促する方法が知りたいです。(25歳/営業職)
プロの回答
クライアントなど、自分より目上の立場の方に何かお願いする時に大切なのは、「自分都合のお願い」になっていないかどうかを確認することです。
例えば、「今月決算なもので、今週中に書類をお送りいただけないでしょうか」など。今月決算があるというのはあくまで自分の都合であり、相手には関係がないこと。多忙なクライアントの方なら、立腹される可能性もあります。
あくまで“クライアントの都合が最優先である”という姿勢を見せつつ、締め切りを守ってもらえないことが相手にとってどう影響するのか伝えるようにしましょう。例えば、「お客さまにご迷惑をかけてしまうため、●●のご提出は●●までにお願いできればと存じます。お忙しいところ大変恐れ入りますが、どうぞよろしくお願い致します」のような感じです。
締め切りを守ってもらえないとなぜお客さまに迷惑がかかるのか、逆に締め切りを守ってもらえるとお客さま側にどんなメリットがあるのか、理由が明確に伝えられるとなおよいですね。また、忙しいところ協力してもらうことへのお詫びと感謝の気持ちも添えてください。
また、相手が多少締め切りなどに対してルーズな方であったとしても、普段からの行いで「この人のためなら約束を守ろう」と思ってもらえるようにしておくことも非常に大切です。あなた自身が遅刻の多い人だったり、物忘れの多い人であったりした場合、自ずと相手の中でもあなたの優先順位は下がります。
人は常に相手を見てから自分の接し方を決めるもの。自分自身が「相手を裏切らない」営業マンでいることが、大前提ですね!
取材・文/栗原 千明(編集部)
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