“不安定地獄”からは逃げられない!「とりあえず正社員」オンナが陥る落とし穴【連載:転職サプリ】
これまでのカウンセリング件数は2万件以上! 女性に大人気のキャリアカウンセラー水野順子さんへの連載取材で、長く働き続けたい女性に役立つ転職・キャリアの情報を発信していきます。初めての転職活動に役立つノウハウも盛りだくさん! 長期的な視点で今後のシゴト人生を考える上でも参考にしてくださいね。
「ちゃんとしたキャリアと言えるものがない」
「働いても働いても、わずかな収入しか得られない」
「将来が見えず、不安が募るばかり……」
パートやアルバイトなどの非正規雇用で働く女性が増えている(厚生労働省)。働き方の多様化が広まっているとはいえ、中には不安定な職に不満を感じている人も多い。未来を案じて「何としても正社員に」と考える女性もいる。

だが、キャリアカウンセラーの水野順子さんは「今の時代、必ずしも正社員に固執する必要はないのではないか」と疑問を口にする。
「『何の仕事でもいいから正社員になりたい』と話す女性には、『安定』や『保障』、『待遇』の改善を求めている方が多いと思います。しかし、長い目で見てみると、これから先はどんな業界・企業であっても、『正社員』だから『安定』とは言い切れません。
この先は、『就社』よりも『就職』の時代。つまり、“どこの企業で働くか”より“どんな仕事をするか”が重視される時代です。個人の力にフォーカスがあたるようになってきているという意味では、何がなんでも正社員になる必要はないと思います」(水野さん)
正社員になるメリット・デメリット、両方に目を向けて
本当に自分が望む働き方が「正社員」なら実現できるのか、これまでに非正規の働き方しかしてこなかった場合、合う・合わないを判断するために、一度正社員の働き方を経験してみるのもいいだろう。
しかし、正社員になってすぐに離職となってしまえば、自分にとっても企業にとってもダメージが大きい。だからこそ、「入社する前に正社員として働くデメリットにも目を向けて」と水野さんは念を押す。
確かに、今の世の中は正社員であることが強みになることも多い。
一方で、「時給換算すると給料が決して高くない(仕事と給料が見合わない)」、「残業や休日出勤が発生する可能性がある」、「仕事の責任が重く、プレッシャーが大きい」など、各企業の状況や個人の価値観にもよるが、こういった特徴は正社員であっても感じる可能性はある。「正社員になれば全てよくなる」という考えはしない方がいいだろう。
また、正社員で働くからには、自分が深めたいと思う仕事や、その道を極めたいと思うような分野の仕事を選ぶ方が得策だ。
「正社員は仕事の裁量が大きく、責任も大きい仕事が多いもの。全く興味のない仕事に就いてしまうと、モチベーションを保つのも、続けていくのも難しいと思います。正社員になるからこそ、全く興味がないことではなく、自分がより強く『その仕事をやってみたい』と思う仕事に就くという視点に切り替えた方が、入社後のミスマッチを防げるのではないでしょうか」(水野さん)
人生100年時代、会社員であっても企業に頼らず個人の力で食っていけるスキルと自信を身につけられるかどうかが勝負だ。雇用形態も含め、自分にとってどんな働き方が最も実力を磨くことにつながるのか、今と未来を見据えながら考えてみよう。
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【お話を伺った方】
キャリアカウンセラー
水野順子さん
株式会社キャリアコレクション代表取締役、All About女性の転職ガイド。公務員・外資系大手人材サービス会社を経て独立。キャリアカウンセリングや研修・講演を通じ、メンタルケアや人間関係の築き方などを含めた女性のキャリア支援を行っている。過去に20,000人以上へのキャリアカウンセリングと、60,000人以上への講演・研修によるキャリア支援実績がある
■ホームページhttp://www.mizunojunko.com
取材・文/栗原千明(編集部)
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