転職活動で効果を発揮する自己分析って?メリットや方法についても解説

「自己分析」は、転職活動を始める上で欠かせない最初のステップです。自分自身のアピールポイントを探したり、希望に合った企業選びをしたりするためには、自分について深く理解し、その情報を整理しておくことが重要です。転職活動で自己分析をするメリットや、自己分析のやり方などを解説していきます。

自己分析とは

自己分析は、さまざまな角度から自分のことを掘り下げて考えていくことによって、仕事で活かせるスキルや長所、向いていないこと、仕事や人生に求めているものが分かってくる取り組みです。

自分のことを深く知っておくと、自分の長所やスキルを活かせる場所が探しやすくなったり、本当に望んでいる生き方が分かりやすくなったりするので、幸せへの遠回りを防ぐということにもなります。自己分析を行う方法は、質問項目に沿ってノートに答えを書いていくという簡単なものから、ツールを使ったり、人にサポートしてもらいながら進める方法などいろいろあります。

就活で行う自己分析との違い

就活に向けた自己分析と転職においての自己分析の違いはどこにあるのでしょうか? それは、実際に仕事をする中で得た体験を元にした自己分析になるということです。

就活のときは、まだ社会人としての経験がないため、部活やアルバイトのなかで得た経験から強みや特技などを掘り下げていくことになります。これが転職活動になると、前職でどんな工夫をして職場での成果につなげていたかを書き出すことになります。

このように、学生時代とは違った側面から自分を掘り下げていくのが、転職における自己分析です。

自己分析によって実現できること

自己分析をすることによってどんなことが叶うのでしょうか? 以下に一例を上げてみました。

●自分がどんな価値観を持っているかが分かる
●長所や短所をより深く理解できる
●気付いていなかったスキルが発見できる
●具体的なエピソードに基づいた志望動機が話せる
●本当に実現したい目標かどうかが分かる
●転職という選択が良いかどうか判断できる

これだけを見ても、取り組まないと損と言えるでしょう。しかし、自己分析を行うメリットはそれだけではありません。次の項目でさらに詳しく解説していきます。

自己分析で得られる3つのメリット

自己分析は、自分の内面に向かい合う作業です。実際やろうと思うと結構手間が掛かるものなので、「そんなに労力を掛けてやる意味があるの?」と思う人もいるでしょう。ここでは、自己分析によってどんなメリットがあるのか3つの側面から解説します。

1、面接で説得力がある回答ができるようになる

自分の長所や短所というのは、気付いていないこともたくさんあるものです。自己分析で、いろいろなことを書き出していくと「自分にこんな長所があったんだ」ということに気付いたり、「自分には本当はこういう仕事が合うのかもしれない」ということが見えてきたりします。こういった実感を伴った発見によって、進むべき道が分かったり、面接官の質問に対して自信を持って答えることができたりすることもメリットです。

また、「なぜそのことを長所と思うのか」ということを掘り下げていく中で、具体的なエピソードに基づいた自分の長所や短所が理解できるようになります。これによって、面接の受け答えにも一層説得力が増すことになるでしょう。

2、自分に合った仕事や職場環境が分かるようになる

自分が持っている強みやスキルを発揮できる環境が分かると、長く働ける職場がイメージしやすくなります。そうなると、「周りの人が良いといったから」、「何となくかっこ良さそうだから」、「給料が良いから」という理由から転職を決めることはなくなるでしょう。

これらの理由で転職した場合、自分自身の価値観や適正とは違うところでの職場選びとなり、入社してからズレを感じてまた転職……なんてことになりかねません。自分軸に基づかない転職は長続きしないので、「自分にとって大事なこと」に沿って会社を選ぶことが大事です。

3、本当に転職する必要があるか冷静に考えられる

転職をすることは、人生にとっても大きな決断です。仕事内容はもちろん、上司や同僚などの人間関係も変わり、収入面や仕事にかける時間なども変わってきます。それは、大切な人との時間の持ち方やプライベートな時間の過ごし方にも影響してきます。

それだけの決断をするためには、その転職が本当に必要であるのかどうかを見極めることが必要です。「何を目的として転職をするのか」、「そのことは今の職場で実現することはできないのか」、「目的と思っていることは心から望んでいることなのか」そういったことを自己分析でハッキリさせていくことで、本当に今転職することが必要かどうかも明らかになるでしょう。

自己分析の3つの方法

自己分析のやり方は、転職に関するいくつかの項目について自分自身に質問を投げかけ、回答していくというのが基本的な方法です。しかし、自己分析に使えるツールにもさまざまなものがあります。基本的なところから取り組んで、慣れてくると自分に合った方法を見つけるのも良いでしょう。

ここでは代表的なものを3つ紹介します。

質問項目を用意して回答していく方法

こちらは一番簡単にできるもので、用意した質問に対する自分の考えをノートに書いていくというシンプルなやり方です。強み・弱み、モチベーション、将来像など複数の項目とそれぞれの質問内容があります。

例えば、強み・弱みの場合は、「人から評価されたことは何ですか?」「どんな仕事に苦手意識を感じてきましたか?」などという質問です。これを一通り書き出したら、さらに「なぜそう思うのか?」という理由を書き出して、掘り下げていきます。そしてできあがった全体像を見ると、自分に向いていることや将来の理想像などが俯瞰して見えてくるようになります。

自己分析の質問項目について詳しく知りたい方は「一問一答でする自己分析」のページも参考にしてみてください。

同じ質問項目を他の人に聞いてみる他己分析もおすすめ

自己分析によって、かなり自分のことを掘り下げることができますが、それでも自分が気付いていないこともあります。なぜなら書き出す内容が、自分の認識や記憶だけに頼った内容になるからです。

視野を広げるためには、他人からの意見を聞いて、自分の姿を客観的に判断することが大切です。自分の長所や短所だと思うところ、向いていると思う仕事、自分とのことで印象に残っているエピソードなどを他の人に聞いてみて、自分で行った自己分析の回答と比較してみましょう。きっと、ハッとさせられる意見があるのではないでしょうか?

他己分析では、客観性を持たせるために、年齢や関係性もバラバラな複数の人に聞いてみるのがオススメです。

マインドマップを使った方法

自己分析によく使われる方法にマインドマップがあります。
やり方は、紙の中央に1つキーワードを書いて、そこから連想する言葉を枝が伸びるようなイメージで書いていくというものです。

例えば、中心に「仕事」という言葉を書いたとしたら、「得意なこと」「接客」など連想する言葉を書いていきます。フリーソフトを利用して簡単に取り組むこともでき、慣れると思考が整理されて自分のことがよく分かります。マインドマップについて詳しく知りたい人は「マインドマップを使った自己分析」のページも参考にしてみてください。

キャリアの棚卸しから自己分析をする方法

キャリアの棚卸しは、これまでの社会人経験のなかで携わったきた仕事を振り返り、「どんな業務を行っていたか」を紙に書き出していく手法です。「そこで工夫したことは何か」などを深掘りしていくことによって、自分ではあまり評価していなかったことの中に活かせるスキルを見つけたり、自分の強みや仕事に対する姿勢、モチベーションがアップするとき、などが理解できたりするのが特徴です。

キャリアの棚卸しについて詳しく知りたい人は「キャリアの棚卸しについて」のページも参考にしてみてください。

自己分析をせずに転職活動に臨むとどうなる?

もし自己分析をせずに転職活動に臨むと、面接の場面で聞かれた質問に対してとっさに答えることができなかったり、全体を通して整合性が合わないその場しのぎな回答をしてしまったり、と良くない状況につながりやすいです。

面接の場面ではどんな質問が飛んでくるか分かりません。何を聞かれても、的を得た回答ができる準備があれば、慌てることもないでしょう。十分な準備をしたという安心感にもつながります。希望する職場の貴重な面接の場で力を発揮できるよう、自己分析で準備をしておきましょう。

自己分析は簡単なところから始めよう!

自己分析は、簡単な作業から始めることができて、進むべき道を示してくれる羅針盤を得る取り組みです。自分で気付いていない自分の姿やいろいろな発見もあるので、占いなどが好きな人も楽しめるのではないでしょうか?

自己分析には、今回紹介した以外にもさまざまな方法があります。転職活動だけではなく、将来を考える上での指針を得ることもできるので、転職を考え始めたら、ぜひ取り組んでみてくださいね。

『女の転職アカデミア』とは

『女の転職type』がお届けする、
転職活動を一歩前に進めるためのお役立ちコーナーです。

転職を成功させて理想の未来を手に入れるには、自己分析から企業研究、書類作成に面接対策まで、やることがたくさん! その途中で、悩み立ち止まってしまうこともあるでしょう。そんな時、ここに来たらヒントが得られて道が開ける。皆さんにとって、そんな場所でありたいと願って運営しています。