老廃物が溜まりやすい場所は?むくみ・肩こり解消で仕事のパフォーマンスを上げるセルフリンパマッサージのやり方【医師監修】

老廃物が溜まりやすい場所は?むくみ・肩こり解消で仕事のパフォーマンスを上げるセルフリンパマッサージのやり方【医師監修】

長時間のデスクワークによる足のむくみや、プレゼン・会議の緊張からくる肩こり。働く女性が抱えがちなこれらの不調は、仕事の集中力やパフォーマンスを低下させる一因です。実はその原因、リンパの滞りかもしれません

リンパ管は血管と同じように体中を巡っており、その中を流れるリンパ液には体内の老廃物や体内に侵入した細菌やウイルスを外に排出する役割があります。

このリンパの流れが悪くなってしまうと、むくみや肩こりなどの症状が出て、疲労のように感じることも。

リンパの流れを促進させるためには運動や体を温めることが欠かせませんが、手軽にできるリンパマッサージも大変効果的です。

そこで、多忙な毎日の中でも実践できるセルフリンパマッサージの方法を解説。心身のコンディションを整え、より良いキャリアを築くためのセルフケア習慣のヒントをお届けします。

【監修】医師・成田亜希子さん

【監修】医師・成田亜希子さん

2011年国立大学医学部を卒業。医師免許取得。一般内科医として様々な疾患の患者と日々向き合っている。保健所勤務経験もあり、感染症や母子保健、精神保健、健診事業などにも精通している。 今は、医師として働く傍ら、正確な医学情報を発信すべく様々な媒体の執筆・監修を行っている。

リンパ節の位置を覚えよう!

リンパ管の節目にある太くなった部分はリンパ節と呼ばれ、主に体の関節付近にあります。このリンパ節は、リンパ液に含まれる老廃物などをキャッチして捉える働きがあるため、リンパ液もたまりやすい場所です。

リンパ液の流れが悪くなったときは刺激して流れを良くする必要があります。鎖骨や脇の下、足の付け根など、軽く揉んだり、さすったりしてあげましょう。

日本リンパ美容健康普及会より

画像:日本リンパ美容健康普及会より

リンパ節の位置とマッサージ方法

リンパ液は最終的に静脈の中に流れ込んで心臓に戻ります。そのため、リンパ液は心臓に向かっては一方向に流れています。

まずは各部位ごとにどちらの方向へ流れるようにすれば良いのか確認してみましょう。マッサージするときには皮膚を痛めないように、ボディークリームやオイルを使いましょう。

あごまわりのリンパ節

PC作業中の無意識の食いしばりや、会議での緊張は顔周りの筋肉を硬直させ、顔色をどんよりと見せてしまう原因に。

顎下や鎖骨のリンパを流すことで、顔のむくみやたるみを解消し、明るい表情で仕事に臨めるようになります。

首の側面、顎下(がくか)リンパと呼ばれ、顔から体に向けて下方向へリンパが流れています。首横の上部から、体の下側に向かって、優しくさすりましょう。

鎖骨のリンパ節

鎖骨上の窪みを体の外側から中心に向けて、ゆっくり揉んでください。

ここは最終的に心臓から静脈へ流れ込む前のリンパ節で、老廃物が多い場所です。

顎下リンパと鎖骨リンパが滞ると、顔のむくみやたるみだけでなく、肩こりの原因にもなりかねません。

脇の下のリンパ節

のどや肺に近い、腋窩(えきか)リンパです。リンパは手から腕の根元に向かって流れていますので、手から脇の方に向かってさすりましょう。

長時間のキーボード入力でこわばった腕や肩の疲労回復に効果的です。夕方の疲労感が軽減され、定時まで集中力が持続しやすくなります。

足の付け根にあるリンパ節

脚の付け根の部分(骨盤の窪み部分)には、下半身のリンパが集合する鼠径(そけい)節があります。ここに老廃物が溜まると下半身全体がむくみ、太くなるなどの影響が出ます。

一日中座りっぱなし、あるいは立ち仕事による下半身のむくみは、多くの働く女性の悩み。

ここに溜まった老廃物を流すことで、夕方のつらい足のだるさが軽くなり、仕事後のプライベートも活動的に過ごせるかもしれません。

へそのある方向から、脚の付け根に沿って、くぼみの中心部に向けてさすりましょう。

ひざ裏のリンパ節

膝窩(しっか)リンパと呼ばれるひざ裏のリンパ。鼠径リンパと同様に、脚のむくみに大きく関係するところです。ふくらはぎからもも裏へ向かって、優しく流すようにさすりましょう。

リンパマッサージで注意したい点

リンパマッサージ

リンパ節を押して痛いときはキャッチした細菌やウイルスなどと戦って炎症を起こしていたり、老廃物が溜まっている可能性があります。リンパ節を強く押したり、揉みすぎたりしないようにしましょう。

リンパ管は強く押すとダメージを与えてしまい、余計に巡りが悪くなる原因となります。

また、お風呂に浸かりながらのマッサージも控えましょう。水圧により大きな力がかかるため、逆効果となることがあります。お風呂上がりの血行が良いときや、温めてからのケアが効果的です。

リンパマッサージのときにクリームやオイルを使うことで、しっとり保湿もできますね。

【コラム】働く女性100人調査!みんなは仕事が原因でむくみ・肩こりなどを感じたことはある? どう対処している?

働く女性100人調査!みんなは仕事が原因でむくみ・肩こりなどを感じたことはある?

Woman typeが2025年5月に働く女性100人を対象に行ったアンケート調査では、実に81%もの人が「仕事が原因でむくみや肩こりなどの不調を感じたことがある」と回答。多くの女性が、デスクワークや立ち仕事による体の不調と日々向き合っていることが分かります。

では、皆はどのように対処しているのでしょうか。

寄せられたコメントを見てみると、「仕事の合間に肩を回したり、トイレで軽いストレッチをする」といった、こまめなケアを心がけている人が多数。

また「温湿布を貼る」「半身浴で汗をかき、お風呂上がりにマッサージする」など、体を温めるケアを取り入れているという声も。

痛みがひどい場合には「痛み止めを飲む」、セルフケアで改善しない場合は「マッサージや鍼灸院に行く」という人もいました。

多くの人が自分なりのセルフケアを実践し、つらい不調を乗り越えているようです。

仕事のパフォーマンスを高める「セルフケア」という自己投資

リンパマッサージは、単なるリラックス法ではありません。

長時間のデスクワークによる体の不調をリセットし、思考がクリアになることで、企画力や判断力の向上も期待できるかも。

また、顔のむくみや目の下のクマが解消されれば、自信を持ってプレゼンや商談に臨めることにもつながるでしょう。

このように日々のコンディションを整えることは、目の前の業務の質を高めるだけでなく、長期的なキャリアを築く上で、最も手軽で効果的な「自己投資」と言えます。

多忙な毎日だからこそ、1日5分、自分をいたわる時間をつくってみてくださいね。

文/Woman type編集部

【アンケート調査概要】
●調査方法:20~49歳の女性へのWebアンケート(クラウドワークスにて)
●調査期間:2025年5月16日~5月18日
●有効回答者数:100名