あくびが止まらないのは病気? 生あくびの対処法は?「酸欠状態」から脱する3つの原因と対処法【医師監修】
睡眠不足で眠いときや、退屈なときに出てしまうあくび。
私たちは一日に7~8回ほどあくびをするとされています。あくびは脳を覚醒させる働きがあることが動物実験などの研究からも明らかになっています。
しかし、「あくびが止まらない」「頻繁にあくびが出てしまう」……そんな状態なら、それは体が発する危険信号かもしれません。
眠気のないときに出るあくびは一般的に「生あくび」と呼ばれ、心当たりがある人の中には、「病気かも」「何か原因があるのでは?」と不安になっている方もいるのではないでしょうか。
※この記事は2014年4月21日に公開し、2024年6月1日に内容を更新しております
そのあくび、酸欠状態のシグナルでは? あくびの原因
眠気のないときに出るあくびは一般的に「生あくび」と呼ばれ、睡眠不足による眠気や疲れなど、思い当たる原因がないのにあくびが頻繁に出てしまう人は、脳が「酸欠状態」である可能性があります。
「酸欠状態」になる原因は、主に二つあります。
1.環境
体質には問題がなくても、職場や家庭の環境によって血中の酸素濃度が低下し、酸欠状態になってしまう場合もあります。
通常の外気の酸素濃度は、20.9%といわれており、これが閉め切った部屋では20.6%まで下がり、さらに満員電車や狭い部屋などに多くの人が密集すると、20%程度にまで下がります。
一時的には問題ありませんが、長期間にわたって酸素濃度が低い場所に身を置いていると、酸欠状態になってしまいます。
2.体調不良
貧血や起立性低血圧など、脳へ送られる酸素の量が低下する病気を患うと、頻回にあくびが出るようになることがあります。
あくびはより多くの酸素を取り入れることができるようになるため、不足した酸素を補おうとする一種の生理現象とも考えられます。
その他にも、疲れや睡眠不足による眠気、車酔いなどの体調不良を自覚する前に生あくびが出ることもあり、体調不良のシグナルとしてあくびが出ることも示唆されています。
また、中には、心筋梗塞や脳卒中を発症した際に脳へ送られる酸素が不足して頻繁なあくびが症状として現れることも。
人間の身体は、血中の酸素濃度が97%程度で維持されることが理想です。
しかし酸欠体質の人では、これが94~95%程度になっています。ほんの数%の違いですが、例えばこれは、100メートルを全力で走ってハァハァ言っている状態とほぼ同じです。
酸欠状態のときにあらわれる症状と、酸欠の危険性
酸欠状態が続くと、以下のような症状に見舞われます。
● 眠い
● だるい、疲れやすい
● 集中力が続かない
● 目がかすむ、ぼやける
● 頭痛
また、あまり酸欠状態が長く続くと、脳梗塞や脳卒中、目の病気などの深刻な疾病のリスクも高まります。
酸欠状態から脱出する方法
1.運動をする
長い時間同じ姿勢でいると、血行が悪くなって身体を巡る酸素量が減少します。最適な血行を維持するには、小まめに立ち上がる、歩くなどして適度に身体を動かすことが必要です。
また、スポーツの試合など、緊張するような運動をすると呼吸が浅くなってしまうことも。呼吸が浅いと、一度の呼吸で体内に取り込む酸素量が少なくなってしまうため、リラックスしてできる運動を取り入れることが大切です。
2.深呼吸をする
深呼吸をすると、体内に多くの酸素を効率的に取り入れることができます。
ゆっくりと息を鼻から吸ってお腹をたっぷり膨らませ、またゆっくりと口から息を吐き出し、お腹をへこませていきましょう。腹式呼吸を繰り返すことで、リラクゼーションの効果もあります。
朝晩に加え、仕事の合間などの気分転換に、お腹までたっぷり息を吸い込む深呼吸を10回程度繰り返してみてください。身体に酸素が行き渡り、酸欠状態の改善を助けます。
3.鉄分を摂取する
ヘモグロビンは、体中に酸素を運搬する役目を担っています。ヘモグロビンは赤血球に含まれるたんぱく質の一種ですが、産生されるには鉄分が必要です。
この鉄分不足で血中のヘモグロビンが少なくなると、貧血状態に陥りやすくなります。すると、全身の細胞に酸素が行き渡りにくくなり、頭痛やだるさ、肩凝り、息切れやめまいなどの症状もあらわれやすくなるのです。
貧血を予防・改善するには日々の食事の中で、十分な鉄分を摂取するようにしましょう。
成人女性の鉄分の摂取目標は、1日あたり10mg~11mgです。これは食品にすると、鶏レバー30g、あさり7個程度になります。食事から十分量を摂取するのが難しい場合は、鉄剤やサプリメントを服用するのも効果的。
一方で、鉄は摂り過ぎの弊害もあるので、適正量の摂取を心掛けてください。
あくびが多いと感じる人は、以上の3点を取り入れて生活してみてください。脳、身体の酸欠状態を解消していきましょう。
そして、先述したとおり、脳の酸欠状態は生活環境や習慣が原因となっているだけでなく、深刻な疾病が背景にある可能性もあります。
生活習慣を見直してもあくびの症状が治らない、あくびがあまりに頻繁に出過ぎるなど気になる症状がある場合は、一度病院で診察を受けるようにしましょう。
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