20 FEB/2024

雷が鳴ってる時のお風呂は危険? 感電して死亡するケースも? 落雷対策専門家が明かす「実はNGなカミナリ対策」4選

※この記事は、2024年2月20日に更新されています【落雷対策専門家 監修】※

近年、カミナリを伴い突発的な大雨が降るゲリラ豪雨が増加。今年も「ゲリラ雷雨が頻発する」という予想が出ています。

雷

落雷での死亡者数は年平均13.6人。(1994~2003警察白書)カミナリの直撃を受けると80%以上が死亡する

恐ろしいのは、激しい落雷。停電が起きたり、カミナリに打たれて感電して死に至るケースもあるため、正しい落雷対策は身に付けたいものです。

『Yahoo!天気・災害』にも全国の落雷情報を提供している、落雷対策専門の気象情報会社『フランクリン・ジャパン』の今村益子さんは「ゴロゴロと雷鳴がかすかにでも聞こえた時にはすでに落雷の危険地域に入っている。すぐに建物の中に避難するべき」と話します。

しかし、遠くで雷鳴が聞こえているくらいでは、そう危機感を抱く人は少ないかもしれません。そこで、今村さんに「実はNGなカミナリ対策」について伺いました。

カミナリを甘く見ずに、自分を守る正しい知識を知っておきましょう。

【1】「山でのキャンプ時にカミナリが鳴ったら、テントの中に逃げこむ」はNG

ビルが立ち並ぶ大都市では、人よりも高いビルや建物(避雷針設備あり)がカミナリを引き寄せるため、人が落雷の直撃を受ける心配はほとんどありません。

しかし、郊外にいる場合や屋外レジャー中は、高い建物がないので、落雷の直撃を受けるリスクが高まります。

建物の中に逃げ込むのは良いのですが、避雷針設備のないあずま屋(屋根と柱だけで壁のない建物)や、ほったて小屋、テントは、カミナリが落ちやすく、かつ、内部の人に電流が流れやすいかなり危険な場所となります。

最も推奨される避難場所として、鉄筋コンクリート製の建物の内部、自動車の内部、避雷針設備の施された建物の内部、本格的な木造建築の内部などが挙げられます。

【2】「家の中にいれば絶対に安全」はNG

野外にいるよりは建物の中にいる方が安全ではありますが、屋内環境においても、カミナリの電流が侵入するルートがあります。

電話線や電源線、アンテナ線などが挙げられ、これらに繋がる電気機器や、壁・柱などからは1m以上離れるとより良いでしょう。

また、水道管や排水管などの金属管などを伝わり、カミナリの高電圧が屋内に侵入する恐れがありますので、落雷時には、入浴なども避けた方がより安全です。

【3】「金属を身体から外しておく」はNG

カミナリは金属に落ちるので、昔は貴金属を身に付けていると落雷に遭いやすいと思われていました。

しかしこれは、落雷で死傷した人の身に付けていた金属が解けていたり、金属に触れている部分の皮膚が著しいやけどを負っていたことから生じた誤解(迷信)であることが、科学的に確かめられています。

落雷時に貴金属を外す必要は、一切ありません。

【4】「高い樹木の下に避難した方が良い」はNG

野外で落雷が起った場合、最も危険なのが高い樹木の下に逃げ込むことです。樹木は、周囲よりも高く、カミナリを引き寄せる効果がありますが、電気を通しにくい性質でもあります。

そのため、傍らに人がいた場合、電気が幹を流れずに、より電気を通しやすい性質を持つ人に飛び移る「側撃」という現象が起こりやすくなります。

この場合、人はカミナリの直撃を受けたのと同等の電流を体に受けることになり、死亡する確率が極めて高くなるのです。野外で落雷が発生した場合はなるべく高い樹木からは離れた方が良いのです。

いかがでしたか? 勘違いしていたカミナリ対策があった、という人も多いかもしれません。

普段働くオフィス街は高い建物も多く、直接落雷被害に合う可能性はかなり低いかもしれませんが、「やっぱり不安」だという人もいるのでは?

そんな人にぜひ紹介したいのが、いち早くカミナリ情報をキャッチできるアイテムやスマホアプリ。落雷に遭わない最も確実な方法は、事前に察知し、落雷危険地域に入る前に安全な場所に避難することです。

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取材・文/岩河内弘美(編集部)