
【2025最新調査】7割以上の女性が生理で「仕事に支障がある」と実感! つらい生理痛を和らげる食材&レシピを管理栄養士が紹介【医師監修】
月イチの生理痛、重くて困っている女性も少なくないのでは?
Woman typeが実施したアンケート調査によれば、7割もの女性が生理によって「仕事に支障がある」と感じていることが分かった。

一方、生理の辛さを抱えながらも、病院に行って相談する人は約4割と半数以下。

生理痛の要因としては「子宮内膜症」や「子宮筋腫」「子宮腺筋症」などの子宮の病気が原因であることも考えられるため、少しでも気になる場合は婦人科を受診することが大切だと医師の成田亜希子さんは言う。

【記事監修】医師・成田亜希子さん
2011年国立大学医学部を卒業。医師免許取得。一般内科医として様々な疾患の患者と日々向き合っている。保健所勤務経験もあり、感染症や母子保健、精神保健、健診事業などにも精通している。 今は、医師として働く傍ら、正確な医学情報を発信すべく様々な媒体の執筆・監修を行っている。
また、総合医療系のクリニックに務める栄養士・北川みゆきさんによれば、日頃の食事に気をつけることで生理痛の予防や緩和が期待できることもあるとのこと。
生理痛の悪化を防ぐのに役立つ栄養素とは一体どんなものなのだろうか? 食事のポイントと簡単にできるレシピを聞いてみた。

【お話を伺った方】管理栄養士・ 北川みゆきさん
栄養士・野菜ソムリエ・食育アドバイザー NPO法人日本食育ランドスケープ協会理事 統合医療系のクリニックにて、栄養士・野菜ソムリエとしてがん患者さん向けの免疫力を高める体に優しい食や野菜ジュースの提案・監修を行っている。スキンケア大学サイト内の美ログコラム「美と健康を叶える食の話」の連載と女性向けの美と健康と食に関する記事の監修を担当。ホリスティック栄養学をベースに、予防栄養医学を広めるべく、ホリスティックウェルネスコーチ、講演、講義を通じて全国で活動している。公式サイト
生理痛の悪化を防ぐ食生活は? キーワードは「バランス」「朝ごはん」「常温」
「食生活のバランスが、ホルモンバランスの安定につながります」と、北川さん。
加工食品やインスタント食品、甘いもの、炭水化物などに偏った食事には注意が必要。タンパク質や炭水化物、脂質、野菜、果物をバランスよく摂ることで、ホルモンのバランスも整えられる。
できるだけ手作りの食事を心掛けつつ、難しい場合は加工が少なく、なるべく素材に近い食品を選ぶとよいという。
また、簡単なものでも「朝ごはん」は必須。朝ごはんを抜くと、一日の活動エネルギー源となる栄養素が不足してしまい、寝ている間に下がった体温がなかなか上がらない。
生理痛の原因になる冷えを予防するためにも、毎日食べたいところだ。時間がなければ、近いメニューをコンビニなどでも購入してみよう。

「余裕があれば炭水化物のみでなく、ヨーグルトや野菜、フルーツをプラスするといいですね。ただし、飲み物や食べるものはできれば常温にしましょう。冷たいものばかりでは当然体が冷えてしまうので、逆効果になってしまいます」
食べたものを消化・吸収するには、胃の中で食べ物の温度を体温と同じくらいまでに上昇させなければならないため、余計なエネルギーを使う原因に。飲み物や食事は常温、または温かめをチョイスして、体の負担を減らしたい。
基本的な食生活の改善ポイントが分かったところで、生理痛の症状緩和につながる食材と効率的な食べ方を教えてもらった。
生理痛の予防が見込める食材は? 生姜・ネギ類、アボカド、ナッツ類など

生理痛の予防には、体の冷えを予防することと血液の循環を良くしておくことが大切。
オススメの食材は、にんにく、にら、生姜、タマネギ、長ネギなど。これらの野菜には、体を温める効果が期待できるにおいや辛みの成分が含まれている。
また、アボカド、カボチャ、赤ピーマン、アーモンドなどのナッツ類、うなぎ、はまちにはビタミンEが多く、血行促進に役立つ。体内の循環を促して子宮の過度な収縮を防ぐことで、生理痛が軽減できるのだという。
栄養成分をより効果的な摂取できるメニュー

■はちみつ生姜湯
生の生姜に含まれている辛味成分「ジンゲロール」は、熱を加えたり乾燥させることで「ショウガオール」に変化し、血流を促して体を温める働きが見込める。
温かい飲みものにすれば、さらに温め効果アップ。ジンゲロールには殺菌効果もあるといわれているため、風邪のひき始めにもおすすめ。
■生姜の炊き込みご飯
千切りにしてご飯に炊き込み、主食として食べれば、日頃から無理なく加熱した生姜を摂取できる。
■すりおろし玉ねぎたっぷりドレッシング
玉ねぎの細胞壁に含まれるにおい成分「アリシン」は、血行を促して体を温める効果が期待される。加熱に弱く、水溶性の成分なので、すりおろして溶けた成分もまるごと摂れるドレッシングが最適。
■アボカドとカボチャとアーモンドのサラダ
アボカド・カボチャ・アーモンドは、いずれも血行を促進する働きのあるビタミンEが豊富。
ビタミンEは脂溶性なので、油と一緒に摂ると吸収がよくなる。カボチャはやわらかくなるまで火を通し、マヨネーズなどで和えて食べると◎。
痛みや不快感を和らげると言われる食材
玄米、納豆、まぐろ、レバーなど

生理痛の原因の一つは、生理中の子宮の収縮。細胞内のカルシウムが増え過ぎると子宮がより収縮してしまうため、過剰なカルシウムを排出する働きがあるマグネシウムを摂取したい。
マグネシウムを多く含む食材は、玄米、納豆、牡蠣、ほうれん草、ごま、落花生、さつまいもなどが代表的だ。
また、にんにく、まぐろ、かつお、鮭、さんま、鶏肉、レバーに多く含まれるビタミンB6は、マグネシウムと同様に子宮を緩める働きが期待できる。
「女性ホルモンの分泌を整えて、生理中でも生理でない日の状態に近づけることで、痛みを和らげられる場合もある」と北川さん。
マグネシウムとビタミンB6を豊富に摂取できるレシピ
■ほうれん草の胡麻和え/マグネシウム
3~4cm幅に切ったほうれん草をゆでて、すりごま、醤油で味を調えて。
■牡蠣とほうれん草のグラタン/マグネシウム
下処理をした生牡蠣をバターでソテーし、白ワインを加えて蒸し煮に。さっとゆでてざく切りにしたほうれん草を加え、軽く和える。
ホワイトソースをプラスして全体をよく混ぜたら、塩・胡椒で味を調えてオーブンで焼けば完成。
■サラダほうれん草とナッツのサラダ/マグネシウム
サラダ用のほうれん草をざく切りにし、好みのナッツ(ピーナッツ、アーモンド、カシューナッツなど)を刻んで好みのドレッシングで和えるだけ。
食欲がない時でも栄養バランス良く食べられるのでおすすめ。
■チキンのガーリックソテー/ビタミンB6
にんにくのスライス、鶏もも肉をオリーブオイルでかりっと焼き、塩・胡椒やガーリックパウダーで味を調える。
■玄米+さつまいもの味噌汁+納豆+魚(まぐろ、かつお、鮭、さんまなど)+ほうれん草のおひたし
マグネシウムとビタミンB6をまんべんなく摂取することができる和食の例。朝ごはんや夕食に取り入れてみて。

生姜のペーストや玉ねぎドレッシングを持ち歩いたり、ランチでほうれん草サラダを追加してみたりと、毎日の食事に一品加えるだけなら負担も少ない。
生理中の痛みが気になる人は、栄養バランスや食べ物・飲み物に心がけてみてはいかがだろうか。
※この記事は、2014年3月14日に公開し、2025年6月26日に更新しています
取材・文/Woman type編集部
【アンケート調査概要】
●調査方法:20~49歳の女性へのWebアンケート(クラウドワークスにて)
●調査期間:2025年5月16日~5月18日
●有効回答者数:100名