「あの人はキラキラしてていいな、なのに私は……」 自分に自信が持てないときの発想転換の特効薬
パーソナルコーチ・平田香苗が、毎日をもっと楽しく過ごしていくためのヒントをお届けします。アンラッキーなことが続いて落ち込んでしまったり、仕事の壁にぶつかってしまったり、働く女性なら誰もが日々何かしらあるもの。そんな時でも自分の力でアタマを切り替えて、「よしっ!」と前向きに一歩を踏み出せる強い心を持っていたいですよね。あなたも“心の基礎体力”を上げるトレーニングをしてみませんか?
今回のテーマ「自分に自信が持てない」
Woman type読者の皆さん、こんにちは!
パーソナルコーチの平田香苗です。
セミナー準備に確定申告・・・・・・と山を越えたとたんに重い風邪を引いてしまいました。
24時間マスク面です(涙)。まあ、マスクの後が隠せるから好都合とも言いますが(笑)。
季節の変わり目は本当に要注意ですね。
読者の皆さまもご自愛ください。
さて、パーソナルコーチングでは最初のセッションでざっくばらんにいろいろなお話を伺うのですが、「ついつい他人と自分を比べてしまい、自分に自信が持てないんです」という方が少なくありません。
「自分に自信が持てない」は置いておいて、「他人と比べる」は未だに私もやってしまいます。
何ともいえない、いやーな感じですよね。私は胸がざわざわしたりします。
「他人と自分を比べる」のは「成長したい、もっと○○な自分になりたい」と思っていることの現れ。
ですから、比べること自体は本来悪いことではないと思うのです。
でも、この「他人と比べる」という行動を、ネガティブにとらえている方は多いですよね。
それは、「あの人は○○ができる、△△である」という事実の認識以上に、そこから自分を責めたり、劣等感を感じてしまうことが多いからでしょう。
そもそも、日本の学校や社会、家庭は「他人との比較、競争」で満ちています。
生まれてこの方どっぷりとその空気に触れてたんですもの、そういう思考のクセがついているのは無理もないことです。
ですが、この考え方を採用している限り、いつまでたっても「もっとこうなりたい」「もっとこうしたい」という飢餓感から逃れられません。
自分がいくら成長しても、世の中には上には上がいるものですから。
他人と自分を比較して、うらやましがったり自分をけなしているだけなら時間とエネルギーの無駄です。なんの成長も生産性もありません。
どうせだったら、「他人と比べる」ことを、自分に自信をつける“きっかけ”に転換してみませんか?
実は、「どうして自分は他人と自分を比較してしまうのか」にヒントがあるのです。
例えば、「あの人はいつも人の輪の中にいて、人にちやほやされていていいな。私とは大違いだ」。
そう思うのなら、そこで考えるのを止めてしまわず、その人と同じ状況がもしも自分に起きたらどんな風に感じるか想像してみましょう。
大勢の人に囲まれちやほやされている私――。
どうですか?
「あの人は週末も朝からいくつものセミナーを掛け持ちして勉強している。すごい行動力だ。それに比べて私は・・・・・・」と思うのなら、その人と同じように行動した自分を想像してみましょう――。
どうですか?
「そっくりそのまま同じようになりたい」、「やりたい」と思った方。
そうであれば、話は簡単。すぐに行動に移せばいい話ですね。
何かと言い訳が出てきたら「できない理由」は誰が決める? チャンスの時にこそ現れる最大の敵に勝つヒント 【連載:ココトレ vol.2】を読めば大丈夫です(笑)。
逆に、「やりたいこととちょっと違う」、もしくは「近いんだけどちょっとしっくりこない」と思った方もいらっしゃるかもしれませんね。
「大勢の人の輪の中にいるって、気を遣って疲れそう。根っからそれが好きなんだったらともかく、私はかえって居心地悪いかも」
「週末は大切な人とゆっくり過ごす時間に当てたいし、独りになる時間も欲しい。勉強はしたいけど、一日出ずっぱりって心からやりたいとは思わない」
では、何故その人たちと自分を比べてしまったんでしょうね?
もしかしたら、今よりも少し、人と交わりたいと思っている自分がいるのかも。
もっと勉強したいって思っている自分がいるのかも。
他人と比べて、「勝っている」「劣っている」は重要ではありません。
「どうして」その人のその言動が自分のアンテナに引っかかったかが重要なのです。
そこに、あなたがもっと「なりたい自分」になるためのヒントが隠れているから。
そして、そのやり方は「気になった他人」と同じである必要はありません。
思い込みや前例など、枠に囚われなければ可能性はいくらでもあるものです。
後は柔軟性とアイデア勝負。できない言い訳は吹き飛ばしてくださいね。
「どうしてあの人と自分を比べてしまうのか考えたけど、具体的にどうしたいのかが何かも思い浮かばない」という方もいらっしゃるかもしれませんね。
ただ、きらきらしている友人がうらやましいとか、自分のやりたいことを実現している他人がうらめしかったり。
そういう場合はちょっと自分を鏡で見てみてください。
好みの洋服を着ていますか?
自分がしたいと思う髪形をしていますか?
自分のお気に入りのインテリアやグッズに囲まれているでしょうか?
表情はいかがですか? 自分の好きな顔をしていますか?
自分が喜ぶものを身につけることを、実践していますか?
「好きなものに囲まれたら心が落ち着く」を体感していますか?
自分をいい状態にすることを、もっと尊重してみてもいいかもしれませんね。
他人と自分を比較していると「人と同じ」になりやすい傾向があります。
知らず知らず「没個性」になってしまうケースも少なくないです。
まずは自分のお気に入りのものを身につける、囲まれる、見に行く、そんなことを始めてみるのもいいと思いますよ。
さて、まとめに入る前に、ちょっと長くなってしまうのですが、大事な話をさせてくださいね。
「人はもともと創造性と才知に溢れ、欠けることのない存在である」
私が行っているコーアクティブ・コーチング※の基本となる考え方です。
人間、きれいな面ばかりではありません。人に見せたくない汚い面、弱い面があって当然です。私にだってあります。
でも、きれいな面、汚い面、そのどれ一つ欠けても、あなたらしくなくなってしまうのです。
全部ひっくるめて「あなた」なんです。
そして、「今のあなた」にはある分野の知識がないかもしれない、経験やスキルがないかもしれない。
でもそれは「欠けている」わけではないんです。
どうしたら、その知識や経験やスキルを身につけられるか、その方法を見つける力は「今のあなた」にあります。
どんな可能性も、「今のあなた」からつながっているんです。
なので、「比べる」ならば、「他の誰か」ではなく、「過去の自分」と「今の自分」にしてみませんか?
1年前はできなかったことが、今はできる私。
昨日はできなかったことを、今日は頑張ってみる私。
それは、「健康のため一駅歩く」でもいいですし、「本を読む」でも「笑顔で挨拶をする」でもいいんです。
昨日よりちょっと「できてる私」。
そして、できたときには遠慮せず、謙遜せず、誰よりも「あなた自身」が思いっきり認め、褒めてあげてください。
自信って、案外こんな小さな積み重ねから出てくるものだったりします。
そして何より、あなた自身があなたを信頼できるようになる気がしませんか?
これが「真の自信」なんです。
他人と比べているだけじゃ、「自信」はつきません。
もしも他人と比べてヘコんでしまったときは、「なりたい自分」を見つけるヒントが降ってきた!と視点を変えてみてくださいね。
平田 香苗(ひらた かなえ)
米国CTI認定プロフェッショナル・コーアクティブ・コーチ(CPCC)。ORSC( Organization & Relationship Systems Coaching )基礎・応用コース修了。
大学卒業後、生命保険会社へ入社。その後、コンサルティング会社へ転職し、2006年に代表取締役常務就任。同時期、エグゼクティブコーチングのクライアントとしてコーチングを初体験。モチベーションアップと目標の明確化、行動への落とし込みなどコーチングの威力を体感し、コーチングを学び始め、2008年7月に独立。現在、パーソナル・コーチングおよび組織や夫婦のシステム・コーチングのほか、研修や女性向けワークショップの講師・ファシリテーターを行う。プライベートでは夫、長女の3人家族。ブログ「後回しにしない生き方しない?」、メールマガジン「夢がどんどん現実になる-あなたの力を引き出す方法」など、執筆活動も積極的に展開中。