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OCT/2019

日本のママは一人で頑張り過ぎ?「働きながら休む」LA子連れワーケーションから私が学んだこと【後編】

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最近、リモートワークの普及とともに国内外で注目されるようになってきた「ワーケーション」。働きながら(work)バケーションを楽しむ(vacation)という新しい休み方を海外ドラマコラムニストの伊藤ハルカが実践し、体験から感じたことをレポートしたいと思います。

今回、4歳の長女と1歳の次女を連れ、「エミー賞授賞式」の取材のためLAへ4泊6日の出張旅行へと出掛けた私。海外子連れワーケーションを「やってみたい」と思った理由は前編の記事で書かせていただきました。

ワーケーション
海外ドラマコメンテイター・コラムニスト
伊藤ハルカさん

1日に平均10時間、年間250タイトル以上の海外ドラマを視聴する自称”日本一海外ドラマを見る女”。バイブルは『フレンズ』、『セックス・アンド・ザ・シティ』。テレビやラジオなどでも活躍中で、エミー賞の現地取材の経験もある。プライベートでは、二児のママ

後編の記事では、アメリカのワーキングマザーがどうやって両立生活を維持しているかや、ワーケーションを通して学んだことについてお伝えします。

常に仕事と家庭をセットで考えるアメリカ人

そもそも、ワーケーションはリモートワークが日本に先んじで盛んになった欧米のライフワークと親和性が高いと言われています。

一般的にアメリカでは、子どもが車の免許を取得するまでの間、学校や習い事への送り迎えをすべて親が担います。そのため、子どもの送迎などを理由に親が仕事中に一時的に職場から離れることがよくあるのです。

海外ドラマを見ていても、職場に親や姉妹、親友が突然現れるシーンがよくあるのですが、これはあながち嘘ではありません(今はセキュリティーの関係で簡単に中に入ることはできませんが)。アメリカ人は、仕事と家庭を切り離すのではなく、常にセットで考えています。

そして、アメリカに長く暮らしている私の知人によれば、「朝9時に出社して18時に退社」「昼休みは1時間」など、労働時間の縛りもなく、働き方は労働者の裁量に任されていることが多いのだそう。働く場所も時間も基本的に「自分次第」というスタンスが根付いているため、アメリカ人は隙間時間を見つけて仕事をすることがとても上手です。

「オンオフごちゃまぜスタイル」がごく普通のことだからこそ、私のように「ワーケーションを取るぞ!」と意気込むのではなく、自然とそうした働き方・休み方ができているのでしょう。

時差ボケ生活の中で学んだ“割り切る”大切さ

さて、いよいよ4泊6日のLAワーケーションの話ですが、現地と日本の時差は16時間。昼夜が逆転するような生活になったため、私も子どもたちも到着してすぐ酷い時差ボケ状態に。

ワーケーション
LAに到着/筆者撮影

隙間時間に仕事をすることは諦め、日中は子どもたちとゆっくりと過ごし、彼女たちが寝静まった夜中に集中して仕事をするスタイルを取りました。

ただ、夜の2~3時になっても眠らない子どもたちを前に仕事時間をつくるのは至難の業です。私が倒れてしまったりしたら意味がないので、毎晩(毎朝?)「5時までに寝る」と決めて、2人が入眠してからの数時間のうちに猛烈な集中力で仕事を片付けていきました。

ワーケーション
なかなか寝てくれなかったわが子……/筆者撮影

コラムニスト/ライターという職業は、この文章でいいのか何度も書いては消しを繰り返し、着地点が見つからないことも度々あるのですが、今回に至っては悩んでいる時間すらもったいない!「これでいく」と決めたらそのまま突き進む割り切りも、私にとっては学びでした。

また、終わりを決めずにだらだら仕事してしまうよりも、限られた時間の中で集中して作業を進める方が効率的。時間を無駄にして働いていないか、見直すきっかけにもなりました。

アメリカはベビーシッター大国

そして、エミー賞授賞式を迎えたのは、LAに到着してから3日目の午後。15時から22時まで取材で会場にいたのですが、その間は現地のベビーシッターさんを手配し、子どもの面倒を見てもらえるようにしておきました。

ワーケーション
エミー賞授賞式の会場にて/筆者撮影

ちなみに私は、「日本語が話せる日本人女性」「1歳児のシッター経験がある」という二つの条件で、現地に住む日本人向けインターネット掲示板を活用し、シッターさんを探しました。

ベビーシッターの派遣会社や、今いる場所からすぐ近くのシッターさんを自動で探してくれるアプリもありますが、事前の面接が必要だったり、現地にいないと利用できないサービスだったりしたのでそれらは使いませんでした。

掲示板に情報掲載後、12時間で10名以上の方から問い合わせがありびっくり! さすがシッターサービス大国のアメリカ。条件にぴったり合う方にすぐに決めました。

シッターをお願いした方は、事前に娘の体調などを細かくヒアリングしてくれたり、預けている最中も娘の様子をLINEなどで逐一報告してくださるなど、幸運なことにも非常に丁寧な人でした。

ただ、シッターさん曰く、事前に面接をしてから決める方がミスマッチがなく良いそうです。間に業者を挟まず、個人間の契約となることが多いからこそ、安心して自分の子どもを任せられる人なのか、事前に自分の目で確かめた方がよいと助言をいただきました。

ただ、良い方に出会えたら、ワーケーションママにとってこれほど心強いことはありません。私は滞在中に「もう一回利用したい」と思うほど、シッターさんに助けられました。

初の子連れ海外だったけど……
日本にいるよりLAで過ごす方が“楽だった”

ワーケーション
仕事以外の時間、日中は3人でお出掛け/筆者撮影

先ほど、時差ボケ等による夜中の集中作業が大変だったという話を書きましたが、今こうして子連れワーケーションを終えて日本に戻ると、LAで過ごしたワーケーション期間は「何て楽だったのだろう」という、意外な感想を持っています。

それはなぜか……。私なりにその理由を考えてみると、「無理をしているか否か」がポイントなのではないかと思います。

ロサンゼルス滞在中は、困ったことがあれば「お金で解決しよう」と決めていました。実際、ベビーシッターサービスやハイヤーサービスなどの各種サービスを惜しみなく使いました。仕事は私しかできないけれど、その他の部分は誰かに頼ればいい。そう考えていたので、気持ちが軽かったのです。

ところが、日常生活を送る日本では、少しの出費が惜しくなってしまいます。あれもこれも「自分で何とかしなければ」と常に緊張感をもって生活し、結果的に息苦しくなってしまうのです。

アメリカのワーキングマザーがいきいきと仕事と家庭を両立できるのも、「他人の手を借りる」ことを惜しまないからではないかと感じました。

それは、シッターサービスや家事代行サービスを有料で使うということだけに限りません。アメリカに住んでいる私のいとこは、近所のママたちと協力し、平日週に一度、5家族分の夕食を作る代わりに、他4日は他のママに作ってもらえるシステムを導入しているそう。近所同士で助け合い、仕事と家庭の両立生活を維持しているというわけです。これはとても心強いですよね。

日本では、「ママがやりたいことを続けたいなら、無理をしなくてはならない」という風潮があるような気がします。でも、考え方を変えることもできるはず。やりたいことがあるから無理をするのではなく、どう「無理なこと」を減らすか工夫することが必要なのではないかと思いました。

「ワーケーション+」に挑戦する世界のママたちとの出会い

実際に私がLAでステイしていたホテルにも、私と同様に子どもを連れて出張に来ているママをたくさん見掛けました。

なぜ子どもを連れて出張に来たのか彼女たちに話を聞いてみると、「働きながらでも、子どもと一緒に過ごす時間を確保したい」という人が多数派。彼女たちは、働きながら休む「ワーケーション」に加え、子どもとともに特別な時間を過ごす「ワーケーション+」に挑戦中でした。

大変なこともありましたが、今回娘二人を連れてLAに行って、本当によかったと思っています。LAから無事に戻って来られたことは、私に「やればできる」という自信を与えてくれましたし、ママだってやりたいことを実現できると思わせてくれた。さらには、これからの働き方を見直すきっかけも与えてくれました。短い時間だったけれど、今後のキャリアに与えてくれた影響はとても大きかったと感じています。

また、楽しみにしていた長女の反応ですが、良い意味で期待を裏切られました。

ワーケーション
二人はLAでも元気いっぱい/筆者撮影

レズビアンの夫婦が子どもを連れて歩いていたり、ディズニーランドでトランスジェンダーのダンサーがイキイキと踊っていたり……LAでは日本で見られないような光景が普通に目に入ってきますが、滞在中、長女は一度も私に「どうして?」と聞きませんでした。

メキシカン料理のお店に行けば初めて食べるタコスを普通に完食。スーパーでアフリカ系の女の子に会えば、英語と日本語で何やら会話。この子にとってLAで見えるものは、“新鮮なもの”というより“日常の延長”で、“多様性”をあまりにも自然に受け入れていたのです。「わーすごいね!アメリカって最高だね」こんな反応を期待していたのですが、長女はそのはるか先をいっていました。

ワーケーション
タコスの食べ方には悪戦苦闘!/筆者撮影

自分と異なる人や価値観を自然に受け入れる感覚を、今後も生かし続けていられるようにしてあげたい。そう強く思ったので、今後も継続的に子連れ海外ワーケーションに挑戦する予定です!

取材・文・撮影/伊藤ハルカ

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