年間250タイトル視聴、1日12時間を海外ドラマに捧げる二児の母の深過ぎる海外ドラマ愛
「愛」って恋愛だけじゃない――。この特集では、好きで好きでたまらないものがある人たちに、熱烈な“愛”を存分に語ってもらいます。自分の「好き」を深めるヒントや、「好き」を見つけるヒントをもらっちゃおう!
世界規模で大ヒットを巻き起こす海外ドラマの数々。そんな海外ドラマを盲愛し、生活のほとんどを海外ドラマに捧げる女性がいる。それが、海外ドラマコラムニストの伊藤ハルカさん。
“日本一海外ドラマを見る女”と自ら公言する彼女の人生は、まさに海外ドラマ一色。
どっぷり沼にハマることで、「人生そのものが変わった」と話すその姿に、“好き”が生み出すパワーのすさまじさを見た。
1日12時間。年間250タイトル。
海外ドラマ漬けの日々
――自称“日本一海外ドラマを見る女”ということですが、どれぐらい海外ドラマを見ているのか教えてもらってもいいですか?
1日少なくとも8時間。多いときは12時間ぐらい観ていますね。年間で言うと、約250タイトル。
私が海外ドラマにハマりはじめたのが20歳の時なんで、かれこれもう15年ぐらいどっぷり海外ドラマ沼に浸かった生活をしています!
――1日12時間!? 今日もお子さんと一緒に取材にお越しいただきましたが、お仕事も家庭のこともある中で、どうやってそんな時間をつくっているんですか?
起きている間は常にNetflixとか、Huluとかをつけてるんですよ。移動中はスマホでも観られますし、“ながら見”していることも多いですね。子供達が寝た後は、集中してがっつり観ますけどね。
―― 一体なぜそこまで海外ドラマにハマることに?
きっかけは『セックス・アンド・ザ・シティ』(以下、『SATC』)に出会ったことですね。
ただ、なぜ海外ドラマが好きか、根底にあるものをじっくり考えてみると、19歳の時にカリフォルニアに半年間語学留学に行ったことが大きかったかもしれない。
留学を終えて日本に帰ってきたら、完全に“アメリカ病”になっていて(笑)。半年しかいなかったのに「あぁ、アメリカに帰りたい」とか言ったりして。欧米文化が大好きになって、何とかアメリカのカルチャーに触れたくて、それで見始めたのが海外ドラマでした。
その中でも『SATC』は私のバイブルです!
――『SATC』の何にそこまで惹かれたんですか?
言葉にするとすごくシンプルになっちゃうんですが、とにかく、世界観がとてもオシャレだったんです!
サラ・ジェシカ・パーカーが演じるキャリーは私の憧れそのもの。ファッションだって、今、東京の街をキャリーが歩いても十分オシャレだし、発言するワードも一つ一つがクリエイティブ。キャリー、ミランダ、サマンサ、シャーロット、主人公4人組のライフスタイルや、会話は、私の価値観を一変させたんです。まさに衝撃でしたよ!
――じゃあ、その後の人生にもかなり影響が?
ものすごく受けました。男性に頼らず自分の力で生きている女性像が本当にカッコよくて。
今でこそ恋愛や仕事に対して女性が主導権を握って生きていくのも珍しくなくなりましたが、『SATC』の放送が始まったのは1998年ですからね。そう考えると、彼女たちは20年も時代の先を行っていたんです。
深夜2~3時にTSUTAYAを徘徊
海外ドラマのレンタル費は月5万以上!?
――学生の頃は時間がありますが、会社に入るとドラマを観る時間も少なくなりませんでしたか?
そうでもないですよ。ただ、新卒でPR会社に入ったんですけど、出社は朝の8時で、会社を出るのは深夜1時という日々で。当時住んでいた三軒茶屋まで会社からタクシーで帰り、軽く一杯飲んで、家に着いてから海外ドラマを1~2時間観るっていう毎日だったかな……。
――そこから海外ドラマを観るんですか!? すごい体力(笑)
たしかに、今はちょっとその生活は無理ですね。若かったんだと思う(笑)
でも、すっごい忙しい日々だったからこそ、この寝る前の海外ドラマタイムが至福で。これがなければ逆に自分を保てていなかったかも。
――なるほど。
金曜の夜は特に至福でした。飲んだ帰りに駅前のTSUTAYAに寄って、約1時間、新しいタイトルが出ていないかを物色。で、ジャケ買い的な感じで気に入ったタイトルを何本か借りて、それを土日かけてひたすら家で観るっていう。あれは最高の贅沢でした……(恍惚)
――当時はまだ今のようなSVOD(定額制動画配信サービス)がなかった時代。さぞお金がかかって仕方なかったでしょう。
本当ですよ! 一体TSUTAYAにいくら溶かしたことか……。月5万円くらい使ってたかも。間違いなくVIP会員になれた。
――でもそれだけハマれるものがある人生は幸せですよね。
はい! それはもう。
唯一反省することがあるとすれば、20代で恋愛をあまりしなかったことぐらい。SATCの影響を受けて、「仕事をバリバリやるのがカッコいい」って発想になっていて、恋愛が入り込む余地がまったくなかった(笑)
――夜は海外ドラマ観ないといけないし、人と会う時間ないですよね。
その通りです。もっと、いろんな人と遊んだりしたらよかったなーと!
――仕事で悩んだり落ち込んだりしたときも、人に相談するより海外ドラマを観てきたとか?
そうかもしれません! 実際、今もそうですけど、悩んだりモヤモヤしたときは『SATC』を観て元気をもらって、何も考えずに笑いたいときは『フレンズ』を観る。
彼氏がいなかった分、20代は海外ドラマに支えてもらいましたね!
――他にも、海外ドラマが人生に与えた影響ってありますか?
それこそ今、物書きの仕事を始めたのも、SATCのキャリーの職業に影響されてのこと。私は基本、「ライター」じゃなくて、「コラムニスト」を名乗るっているんですが、これもキャリーへの憧れからです(笑)
母親だからって「好きなことを犠牲に」とは思わない
――お子さんができるとか、ライフステージが変わると、自分の好きなことを犠牲にしてしまう女性もいますよね。
たしかにそうですね。ただ、私には無理だな。子どものことは愛してるし、大事だけど、だからといって海外ドラマを観る時間を減らすなんてできないです。
――潔い! 好きです、そういうところ。
ふふ。基本的にワンパーソンワンデバイスが我が家のスタイル。旦那はテレビ、子どもはポップインアラジン、そして私はスマホと皆バラバラ。寝かし付けのときも、こっちが寝たふりをしないと寝てくれないので、布団をかぶって、真っ暗な中で海外ドラマを観ています(笑)
――(徹底してるな……!)
上の子が寝るのが10時半なんですけど、そこからは完全に私の時間。
でっかいスクリーンで好きな海外ドラマをじっくり観て、12時半ごろには就寝します。朝は6時半に起きてすぐ海外ドラマをつける。それが、いつもの私の生活です。
――子どもがアニメを観ていたら付き合ったりしないんですか?
一緒にはいますけど、子どもが『プリキュア』を観ている横で、私は携帯で自分の好きなドラマを観ていますね(笑)。子どもの成長を見逃したくはないですが、子どもを理由に好きなものを犠牲にするのも違うなと思うし。
その分、保育園のお迎えタイムを30分早めて、家に帰るまでに公園で遊んだり、寝る前に3冊絵本を読んだり。
あとは、人並みですけど「世界で一番好きだよ」ってハグしたりチューしたり。そういうコミュニケーションを通じて、愛情を伝えるようにしています。
「海外ドラマは酸素です」
なければ不安で生きられない
――伊藤さんみたいに夢中になれるものが欲しいんですが、そういうものを見つけるコツって何かありますか?
それこそNetflixを観てみたらどうでしょう?
――なぜNetflix?
Netflixって海外ドラマだけじゃなく、映画もドキュメンタリーもあるし、料理とか園芸とかインテリアとか、実用系の番組もある。実は、趣味探しのヒントがいっぱい隠されているんです。
そういうのを見ながら、自分のアンテナに引っ掛かるものがあったら、実際にやってみるのは一つの手かもしれません。
――何でも伊藤さんは相当Netflixをご覧になっているそうで。
はい。もうNetflixは最高ですよ!
海外ドラマも面白いものがたくさんあるんですけど、最近はリアリティショーがすごく伸びていて。
オススメは、オーストラリアのセレブの日常を追った『ヤミー・マミーズ』と、5組の民泊ホストがお互いの貸家に泊まり合って、その評価を競い合う『インスタント・ホテル』。そして、ハリウッドの超高級物件ばかりを紹介する『セリング・サンセット ~ハリウッド、夢の豪華物件~』ですね。現地の風土やカルチャーを知るには、よりリアルなリアリティショーが一番です!!!
あとは今、Netflixではいろんな世界のドラマが見られるんですよ。アメリカやイギリスだけじゃなく、スペイン、インド、メキシコ、フランスと世界各国のNetflixのクリエイティブチームがいろんなドラマが製作していて、それがめちゃくちゃ面白い。
世界中のコンテンツを楽しめるのがNetflixの魅力なので、国切りで海外ドラマを選んでいる人がいたら、一回その枠を外してみるのもいいですよ!
――ちなみに海外ドラマに全然触れたことがない人はまずどうやって楽しんだらいいですか?
まずは感覚でいいので、自分が好きそうだなと思うものをセレクトしてみてください。Netflixってレコメンデーションのスペックがすごく高いんですよ。だから、いろいろつまみ食いして、これ面白かったというコンテンツに出会ったら、後はどんどんNetflixが勝手にレコメンドしてくれますから。あっという間に海外ドラマ沼の仲間入りです!
――では逆に、海外ドラマファンがよりディープに楽しむためには?
私は字幕だけでなく、吹き替え版でも観てみることをオススメしますね。例えば『オザークへようこそ』とか、作品が面白いのは間違いないんですけど、ちょっと内容がダークなんですね。それを吹き替えで観ると、何だかポップになったりして。
同じ作品なのに吹き替えというだけで、また違った魅力が見えてくるんです。字幕と吹き替え両方観てそれぞれ味わい出したら、すごくディープかと。
――じゃあ、20~30代の働く女性にオススメしたい海外ドラマは?
今なら『NYガールズ・ダイアリー 大胆不敵な私たち』ですね。動画配信だと、Huluで見られます。
海外ドラマの特徴は、シーズンが長い分、視聴者を飽きさせず絶えず盛り上げるために、一つの作品に恋愛とか仕事とか家族とか社会とか、いろんなテーマがミックスされているところ。
『NYガールズ・ダイアリー 大胆不敵な私たち』は、仕事も恋愛も自分らしく楽しむ20代の女の子3人組のお話なんですが、ちょっとフェミニズムが入りつつ、説教くさくないバランス感覚も秀逸です。
――長く見続けるからこそ、登場人物が家族や友達のように思えてくるところも、日本のドラマにはない面白さですね。
まさにそう思います!
――では、最後に抽象的な質問ですが、伊藤さんにとって、海外ドラマとは?
酸素です。ないと不安になるし、私にとっては生活の一部。
どうやって海外ドラマを観る時間をつくっているのかと先ほど聞かれましたが、私からすると「時間をつくっている」感覚はないんです。呼吸と一緒で、意識してするものではない。
私にとって海外ドラマは、酸素と同じくらい大切で、なくてはならない、好きで好きでたまらないもの。その魅力が皆さんに少しでも伝われば嬉しいです!
取材・文/横川良明 撮影/栗原千明(編集部)
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