コロナ禍「家庭重視」の女性が増加傾向に。妊活、子育て、今後のライフプランをどう考える?

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新型コロナウイルスの影響で価値観が変わった」という声をよく耳にするようになりましたが、皆さんはどうでしょうか?

私が理事を務めるフリーランス協会が実施した調査(※1)ではコロナ後に副業や独立・起業、非営利活動などに関する興味・関心が大幅にアップしています(ただし母集団は同一ではないのでその点は留意が必要です)。

(※1)一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「コロナ禍でのフリーランス・会社員の意識変容調査結果」より

(※1)一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「コロナ禍でのフリーランス・会社員の意識変容調査結果」より

こうした価値観の変化は、仕事面だけにとどまりません。

楽天インサイトが今年7月末に全国の20代から60代の男女3,183人を対象に行った調査によればコロナ前後で「家庭重視」層が増加し、「欲求充足重視」層が減少していたそうです(「どのような人生を歩みたいのか」という「人生価値観」に基づく同社独自のタイプ分けによる)。

価値観セグメント

性年代別でみると、女性20代・40代・50代で「家庭重視」層の割合が増加した(それぞれ+5.2ポイント、+4.0ポイント、+4.4ポイント)のが特徴的だったです。

たしかに新型コロナウイルスの感染拡大とそれに伴う緊急事態宣言や自粛によって家族と今までにないくらい一緒にいる、もしくはなかなか思うように会えない中で、家族の大切さを改めて感じた人がそれだけ多かったのかもしれません。

全国的に30代での出産が一般化、5.5組に1組は不妊治療

妊娠

Woman typeの読者の方にはこれから結婚・出産などのライフイベントを迎える方が少なくないはずです。今回はコロナ禍でライフイベントをどうとらえるかーーをテーマに書いていきたいと思います。

内閣府の資料によれば第一子出生時の女性の平均年齢は、1980年に26.4歳でしたが、2011年には30歳を超え、2016年には30.7歳となっています。全国的に30代に入ってから出産するケースが一般的になりつつあります。

また厚生労働省の資料によれば、日本では不妊の検査や治療を受けたことがある(または現在受けている)夫婦は全体の 18.2%、子どものいない夫婦では 28.2%です。そしてこれは夫婦全体の 5.5 組に1 組にあたります。

「生理」は体のサイン。少しでも異常があれば医療機関へ

「ライフイベントをこれから迎える方たちには、まずは自分の体を知り、メンテンナンスすることの大切さをお伝えしたいです」と話すのは妊活コンシェルジュサービス「famione(ファミワン)(※2)」の西岡有可さんです。

不妊症看護認定看護師であり都内の不妊症専門クリニックに10数年以上にわたり勤務し、不妊に悩むカップルのケアを行ってきました。

生理

「パートナーがいなかったり、具体的に妊活を始める段階でなかったとしても、ご自分の将来のために体をしっかり整えておくことをおすすめします」と西岡さん。

具体的な方法としてあげるのが、「生理の量や周期をチェックすること」です。

「今は便利なヘルスケアアプリがいろいろと出ていますから記録もつけやすいですよね。生理が始まった日から次の生理が始まる前日までの間隔を『生理周期』と呼び、25日~38日程度が一般的とされています。このサイクルから大きく異なる場合は一度婦人科を受診してみてもいいかもしれません」(西岡さん)

生理

私は以前、女性誌の編集部で働いていたことがあるのですが、働く女性の健康をテーマに取材活動をすると「実は生理が止まっちゃってて……」という女性に今まで何人もお会いしたことがあります。

「生理は体の重要なサインなんですよね。痛みにも注意が必要です。『生理痛ぐらいで病院なんか行かなくてもいい』と思う方がいるようですが、『たかが生理、されど生理』です。低用量ピルや漢方薬などでいくらでも治療は可能です。また、痛みの背景に将来の不妊につながるような病気が隠れている場合もあります」(西岡さん)

年齢が上がるほど妊娠はしづらくなる。早めのアクションを

30代40代は仕事の上では管理職を任されたり、独立・起業の一歩を踏み出したり、20代に蓄積したスキルや経験、人的ネットワークを花開かせていく時期にあたります。

「子どものことはもう少し仕事で実績を出してから……今は考えられない……」こんな声を聞くこともありますが……。

「ご年齢と妊娠のしやすさに相関関係があるのは事実です。不妊治療の受診の目安も知っておいていただけるといいと思います。

35歳以下であればパートナーと定期的に性交渉をもって一年たっても妊娠しなければ受診、35歳~40歳未満は半年たっても妊娠しなければ受診、40歳以上は子どもがほしければすぐ受診していただきたいです。

技術は進歩していますが、どの治療法も成功率は限られますし、早め早めのアクションが大切です」(西岡さん)

妊娠

通常どおりの体制に戻りつつある医療機関。今できることに取り組む

今年4月には日本生殖医学会が新型コロナウイルスの感染拡大を受け、不妊治療の延期を患者に提示するように声明を出し、話題になりました。実際にいま、治療の現場はどうなっているのでしょう?

続けて西岡さんにお聞きしました。

「今は感染対策をしながら、ほぼ通常どおりの診療体制に戻っている医療機関がほとんどです。

クリニックによってはパートナー同伴での診療を制限したり、出産段階でパートナーの立ち会い出産が制限されたりといった場面はありますが、できる対策をしながら治療に取り組んでいます。

妊活の観点から新型コロナウイルスをこわがりすぎる必要はないと思います。治療しない方がいいのかというと、もうそういうことは言っていられないですから。

35歳くらいから次第に妊娠率が低下するデータはありますし、新型コロナが落ち着くまで……なんて言っていたらいつのことになるか全く分からない。今できることをしっかりやっていくことが大切です」

今の自分にとっては何が大切か? 優先順位を意識したい

妊娠

私自身は38歳で結婚、39歳で出産を経験しました。

一般的には「遅め」のライフイベントだったと思っています。でもあのタイミングが自分にとってのベストタイミングだったのだろうなぁと今は感じています。

過去に女性誌で記者をしていた時は「早く産む? 遅く産む?」といったテーマで特集を担当したこともあったのですが、こればっかりは正解がないな、というのが率直な感想です。

大切なのは、その時々の自分にとっての優先順位を考えること。大事にしたいものによりお金と時間をかけていくことなのではないでしょうか。

それが仕事なのか、家族なのか、趣味やライフワークなのか、学びなのか……もちろん一つに絞らなくてもいいし、それらの強弱をどうつけていくかが大事です。

新型コロナウイルスと共存するいま、先行き不透明な時代だからこそ、「自分にとって何が大切なのか」「自分は何を大切にしたいのか」--振り返る機会にしていきたいですね。

(※2)famione(ファミワン)…不妊症看護認定看護師を中心に妊活の専門家がLINEを使って相談や、アドバイス、情報を提供するサービスを展開中。妊活情報をLINEを使って配信する「妊活ライブ」も話題 

田中美和

【この記事を書いた人】
Waris共同代表・国家資格キャリアコンサルタント
田中美和

大学卒業後、2001年に日経ホーム出版社(現日経BP社)入社。編集記者として働く女性向け情報誌『日経ウーマン』を担当。フリーランスのライター・キャリアカウンセラーとしての活動を経て2013年多様な生き方・働き方を実現する人材エージェントWarisを共同創業。著書に『普通の会社員がフリーランスで稼ぐ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。一般社団法人「プロフェッショナル&パラレルキャリア フリーランス協会」理事