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FEB/2021

壇蜜が明かす「コロナ禍の不安」への対処法。誰にでもできる“心を落ち着ける習慣”とは

私たちの日常を一変させたコロナ禍。世間では、「ニューノーマル時代」の訪れが叫ばれているけれど、変化を喜ばしく受け止められる人は少数派かもしれない。働く女性の中には、これから先の未来に、漠然とした不安を感じている人も多いのではないだろうか。

そんな時には、新しいことにチャレンジするだけでなく、古くから伝わる「教え」に立ち返ってみるのも心を落ち着かせるための一つの手となるかもしれない。

「日蓮聖人降誕800年 日蓮宗記念事業」の記者発表会

そこで今回は、2021年2月12日に開催された「日蓮聖人降誕800年 日蓮宗記念事業」の記者発表会にゲスト登壇し、幼い頃から仏教の教えに触れてきたという壇蜜さんにインタビューを実施。

コロナ禍に感じた焦燥感や不安にどのように対処しているのか、壇蜜さんが大事にしてきた仏教の教えと合わせて聞いた。

当たり前の毎日も、「何かのおかげ」の積み重ね

実は、私の芸名の“壇蜜”は仏教用語から取ったもの。儀式を行う場所、つまりは仏壇を指す「壇」と、お供え物を意味する「蜜」。この二文字を合わせて壇蜜と付けました。

というのも、私は父方の実家が日蓮宗だったので、子どもの頃は朝夕にお経を唱えることが当たり前で仏教を身近に感じていたんです。繰り返しお経を聞いているうちに、いつの間にか仏教の教えが体に染み込んでいきました。

中でも私が特に大事にしてきた考え方として、「同じことが続く毎日も“当たり前”ではなく、“ありがたいもの”なのだ」というものがあります。

壇蜜さん

私が子どもの頃に一緒に暮らしていた祖父は、ビールを飲みながら相撲を見るのが好きな人でした。そんな祖父が、「ビールを飲めるのは栓抜きのおかげだ」「テレビが見られるのはリモコンがあるからだ」とよく言っていたのを覚えています。

「こうして手に取って使えるものがあってよかったなあ」と、本当にありがたそうに、何回も口にするのです。

そうやって、日常の中の些細な物事に対して「よかった」「ありがとう」という気持ちを持っている祖父を見ているうちに、私自身も、身の回りのあらゆることに感謝できるようになっていきました。

全ては当たり前にそこにあるのではなく、何かのおかげ、誰かのおかげの積み重ねによって成立しているものなんです。

ただ、私自身も幼い時には、「いちいち口に出して感謝を言ったところで、何の意味もないのに……」と思ったことがありました。しかし、祖父の真似を続けていると、少しずつ心が穏やかになっていくのを感じたのです。

特に、何かに不安になったり、迷いがあったりするときに、「ありがとう」「良かった」と感謝の言葉を実際に口にしてみるだけで、ほっとできるんですよね。

「ありがとう」は前向きになれるおまじない

働く女性にとって、20~30代の時期は、変化の連続だと思います。仕事の責任も増していきますし、ライフステージも体調も変わりやすい。

その上、今は新型コロナウイルス感染症の拡大によって、これまで通りの日常を送ることすら難しい状況が続いています。「不安」や「焦り」の感情が、いつも重くのしかかっているように感じている人も多いのではないでしょうか。

壇蜜さん

けれど、できることなら、世を憂うことはしないでほしい。感染症によって変わってしまった世の中を憎んだり、恨んだりしながら生きていても、決してプラスにはならないと思うから。

きっとまだしばらくは、自粛生活が続いていきますね。でも、状況は改善していくはず。明るい変化の兆しを感じながら、私たちも少しずつ変わっていきましょう。

ここでまたぜひ思い出してほしいのが、身近な物事に感謝することです。

まずは、身近なものに対して「ありがとう」「よかった」と口に出して言ってみてください。最初は半信半疑でもいいし、「おまじない」くらいのつもりでいい。

感謝の言葉を口にし続けているうちに、その言葉が段々と自分に馴染んできます。すると、次第に前向きな気持ちになっていけますよ。過去の私が、実際そうでしたから。

個人的なお話しをしますと、私は昨年、祖母を亡くしています。コロナ禍だったため、病院で付き添って、最後の時を看取ることが叶いませんでした。

コロナ禍の世を恨みたくもなりますし、「もっと自分にできることがあったのではないか」という後悔の念が一切ないわけではありません。ですが、変えられない状況を悔いるよりも、「祖母に教えてもらったことや、一緒に過ごした思い出を大切にしながら生きていこう」と考えを改めました。

すると、私自身も前向きになれた。家族の死という悲しみからも、少しずつ立ち直ることができています。

壇蜜さん

一昨年に結婚した清野とおるさんにも、いつも感謝しているんですよ。今も別居婚を続けていますが、それが私たちらしい夫婦生活のかたちなんです。

特別な日には、彼の大好きな料理を作ってあげます。ささやかでもいいから、こうやって愛情表現をする機会を増やしていきたい。夫婦同士って、お互い一緒にいるのが当たり前になってしまいですよね。でも、もっとお互いが存在していることに感謝し合えたら、幸せをますます実感できると思うんです。

“自分らしさ”はつくれない。後から自然とついてくる

女性の働き方や生き方、そして、家族の在り方も多様化し、私たちの目の前にはありとあらゆる選択肢が広がっています。

そんな中で大事だと言われるのが「自分らしく生きること」ですよね。最近は、あらゆるところで「自分らしく」という言葉を見かけるようになりました。

ただ、私自身は「自分らしさ」というものはとても不安定な言葉だと思っています。

私たちが認識できる「自分らしさ」というものは、時として、他人がつくりあげたイメージに過ぎないことがあります。

つまり、「壇蜜らしさ」とは何なのかというと、周囲の人が期待する「壇蜜」を私自身が演じることなのかもしれない。そうやって、誰かがつくり上げた「自分らしさ」に自分自身をあてはめてしまう恐ろしさがあります。

壇蜜さん

だから、「自分らしさ」なんてものは、追求しなくてもいいのかもしれない。まして、あなたが20代、30代ならば、「自分らしさがない」なんて悩む必要もないと思います。

結局、「自分らしさ」とは、自分が歩んできた道のりを振り返ったときに自然と出来上がっているものだと思うんですよね。
やるべきこと、求められることに誠実に向き合って、仕事で成果を出すことにこだわっていけば、自ずと「あなたらしさ」はついてくるはずです。

いつか「私の“自分らしさ”って、こういうことなんだな」って自然と思える日が来ます。私自身もそう信じて、一つ一つのお仕事に向き合っているところです。

“らしさ”はつくるものではなく、後からついてくるもの。そう思ったら、少し楽になりませんか?


<プロフィール>

タレント
壇蜜

1980年12月3日生まれ。秋田県出身。2009年、ゲーム『龍が如く 4 伝説を継ぐもの』に出演し、10年にグラビアデビュー。12年、映画『私の奴隷になりなさい』に主演。その独特なキャラクターで大ブレイクを果たし、以降、数々のメディアで活躍

日蓮聖人降誕800年 日蓮宗記念事業「世界を変えるキャッチコピー大賞」

宗祖である日蓮聖人降誕800年を迎えるにあたり、次の800年に日蓮宗の教えをつなぐため、「世界を変えるキャッチコピー大賞」キャンペーンを開催。

日蓮宗の教えとSDGsの17目標を掛け合わせて、現代風のキャッチコピーを一般公募する。大賞作品と応募者氏名は、和紙製の巻物に“800年後のプレスリリース”として記され、実際に800年後まで保存・公開することを予定している。

【世界を変えるキャッチコピー大賞】概要

・キャンペーン応募期間:2021年2月12日(金)10時~3月1日(月)10時
・応募方法:特設サイトおよびTwitterからの投稿
・結果発表:2021年3月26日(予定)
(特設WEBサイト内で発表)

>>詳しくはこちら

取材・文/上野真理子 編集/秋元祐香里

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