エンジニア歴3年目、年収300万円は適正? 収入アップに影響する重要ポイントを転職のプロが解説
働けども働けども上がらない給料。これって普通? 私のスキルが足りないだけ? そんな疑問を抱く女性たちの職務経歴書をキャリアアドバイザーが査定。適正年収と今後の年収アップの方法を、職種別に伝授します。さぁ、みんなの仕事の「真実の価格」はいくら?
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今回、キャリアアドバイザーが査定したのは、25歳・エンジニア歴3年目のCさんの職務経歴書。
大学卒業後、都内のIT企業でエンジニアとして働いてきたCさんの現年収は300万円。
これって低過ぎ? それとも適正? 経験やスキルセットから、Cさんが本来もらうべき年収を導き出すと……?

【年齢】25歳 【性別】女性
【学歴】大学卒
【現年収】300万円
【職務要約】
都内のSES企業に3年間在籍(現職)。プログラミングを中心に、調査分析や基本設計からテストまでの一連の工程を担当
【プロジェクト実績】
■カーナビ用システム開発(機能追加)
・ポジション:作業者
・担当業務:詳細設計、プログラミング、結合テスト、システムテスト
・OS: Linux、AndroidOS
・言語:C
・期間:8か月
■カーナビ用システム開発(改修)
・ポジション:作業者
・担当業務:基本設計、詳細設計、プログラミング、結合テスト、システムテスト
・OS: Linux、AndroidOS
・言語:Java
・期間:10か月
■通信会社向けデータ移行システム開発
・ポジション:作業者
・担当業務:基本設計、詳細設計、プログラミング、結合テスト、システムテスト、運用保守
・OS: Linux
・言語:Java
・期間:8か月
■通信会社向け監視システム開発
・ポジション:作業者
・担当業務:調査分析、基本設計、詳細設計、プログラミング、結合テスト、システムテスト
・OS: Linux
・言語など:Python、MySQL
・期間:8か月
【資格】
基本情報処理技術者、応用情報処理技術者

【査定者】
『type転職エージェント』キャリアアドバイザー
中嶋 千博
航空会社で客室乗務員を経験した後、『type転職エージェント』のキャリアアドバイザーへ。IT領域専任のキャリアアドバイザーとして15年にわたり転職希望者をサポートしている
300万円はやや低め。上流工程経験があるなら適正年収は350万円程度

現年収:300万円
適正年収:350万円程度
プログラミング中心の作業メンバーの場合、一般的な年収は300万円~350万円程度。
それ以上の給与となると、サブリーダーなどの役職を経験しているなどプラスアルファの要素が必要となってきます。
これまでCさんが参画してきたプロジェクトにおける「作業者」というポジションだけで判断するならば、現年収が安過ぎるとは言えないかもしれません。
しかし、職務経歴や保有スキルを見ると、Cさんの市場価値はもっと高いのでは、と感じます。理由は次の3点です。
①上流工程の経験
Cさんは、調査分析や基本設計などの上流工程から参画しています。プログラミング作業以外でも活躍している点は、給与にも反映されるべきポイントです。
②言語スキル
JavaやPythonは、常にニーズの高い開発言語。さまざまなプロジェクトで活躍できる人材として企業で求められることが多く、これらの言語の知識が十分にある場合は市場価値も高まります。
③所有資格
Cさんが取得している「応用情報処理技術者」は、難易度の高い資格です。また、資格保有によって客観的にスキルレベルを証明できているだけでなく普段の業務と並行して自己研鑽している姿勢も見られます。こうした部分も、本来は報酬面で考慮されるべきポイントです。

記載されている上流工程の経験がどの程度自力で行ったものなのかにもよりますが、職務経歴書で見れば、Cさんは作業者としてはトップクラス。
その経験やスキルを上手くアピールして転職すれば、さらなる年収アップを実現できるでしょう。
転職で年収アップを目指すなら?
→リーダー経験を積める環境でスキルを磨いて
【狙い目の業界・企業】
これまで経験してきたプロジェクトに近しい開発を行っている企業を選ぶと良いでしょう。Cさんの場合、通信会社向けのシステム開発経験が豊富なので、同様のプロジェクトであれば即戦力として活躍できるはずです。
加えてぜひ重視してほしいのが、リーダー経験を積むチャンスがあるか否か。Cさんは現在作業者なので、さらなるスキルアップ・年収アップを目指すためには、リーダーポジションの経験が必要不可欠です。
自社サービスを持ち、社内で開発を行っている企業であれば、比較的チャンスに恵まれやすいでしょう。SIerの場合は、一次請け比率の高い企業の方が裁量を与えてもらえるシーンが豊富です。
【選考でアピールすべきポイント】
エンジニアが転職時にアピールすべきなのは、「上流工程の経験」「言語スキル・プロジェクトの内容」です。
専門職であるエンジニアは、スキル面を重視しての採用が多いため、「自分は何ができるのか」をしっかり伝えましょう。
Cさんの場合、リーダー経験はありませんが、プロジェクトの上流から下流まで手掛けてきた実績があります。
後輩育成などに携わった経験があれば、それもぜひアピールしてください。リーダー候補としての採用につながりやすくなります。
プロジェクトの内容に加えて、参画期間も一つの判断基準。長期案件の経験が評価される傾向にありますが、短期だったとしても、どんな視点を持ち、どう行動し、どういった役割を果たしたのかを伝えることで、自己アピールをしていきましょう。

今回提案した「リーダー経験を積んでいく」という選択肢以外に、エンジニアには「スペシャリストとして技術スキルを磨いていく」というキャリアもあります。
今は役職評価だけでなく、技術スキルに応じた給与を支払う企業も少なくありません。自分はどんなエンジニアになりたいのか、まずはよく考えてみてください。
コロナ禍以降もニーズの高いエンジニア職。しっかりと経験を積んでいくことで、継続的な年収アップが実現できるはずです。
取材・文/上野 真理子 編集/秋元 祐香里(編集部)