03 DEC/2021

29歳、シングルマザーの大型トラックドライバーが貫く“楽しさ”基準の仕事選び「無難な道より、好きな道を」

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この連載では、圧倒的に男性が多い職場で活躍する女性たちにフォーカス。ジェンダーによる「らしさ」の壁を乗り越えて、自分らしく働くヒントをお伝えします

自分に本当に向いている仕事って何だろう?――誰もが一度は考えたことがあるのでは?

しかし、いざ仕事の候補を絞るとき、「これは自分には向いていない」「女性がする仕事ではない」「安定していない」など、消去法で無難な道を選んでしまう人は少なくないはずだ。

そこで紹介したいのが、千葉県に本社を構える運送会社、田代運輸で働く福田さん(29歳)。彼女は、数少ない女性の大型トラックドライバーだ。

田代運輸

株式会社田代運輸 ドライバー 福田さん(29歳)

大学在学中に出産し、25歳で配送会社へ就職。27歳で運送会社へ転職し、大型トラックドライバーとして活躍し、28歳で運送会社の田代運輸に入社。現在は、大型トレーラーのドライバーとして日本中を駆け回っている

福田さんは大学在学中の22歳で第一子を出産し、現在はシングルマザー。「ドライバーの仕事は大変なこともありますけど、仕事は好きですね。とにかく楽しいんです」と屈託のない笑顔を見せる。

一見「子育てしながらでは働けないのでは」と思えるドライバーの仕事だが、福田さんはなぜ自分らしく、楽しく働ける仕事に巡り合えたのだろうか。

「運転が好き」で始めたドライバーが、自分の天職だった

福田さんの人生は、波乱万丈だ。大学在学中に結婚・出産を経験。卒業後は子育てに専念するも、数年後に離婚。一人で子どもを育てるため、25歳で初めて働きに出た。

それまでに経験した仕事といえば、学生時代の飲食店バイトのみ。子どもがいる状態で、社会人として初めて就職した。

最初の仕事に選んだのは、飲料メーカーの子会社の配送ドライバーだった。

「子どもを育てるためには働かなきゃいけないし、そもそも私が働いていないと保育園にも入れられない。すぐに働ける職場を探していたら、たまたま飲料メーカーで働いている親戚から話を聞いて。元々バイクや車の運転が好きだったので、とりあえずやってみようかなと思いました」

現在は大型免許やけん引免許を取得していることからも伺える通り、大の運転好きだという福田さん。

ドライブテクニックにはそれなりの自信もあり、男性社会といわれがちな配送・運送業界で働くことにもまったく抵抗はなかったという。

「昔から、女性ばかりのコミュニティーだと逆に気を使って疲れちゃうんですよ。人間関係のもめごとも苦手で。だから、職場に女性がいないとか、男社会だから……なんてことは、全然気にならなかったですね」

田代運輸

入社して約1年半が経った頃、せっかくなら大型免許を生かして、仕事で大型トラックに乗りたいと考え、別の運送会社へ転職。

そこで1年ほど働いた後、環境を変えるために田代運輸へ移った。三つの会社を渡り歩いているが、職種はすべてドライバーを貫いている。

「やっぱり運転が好きだから、仕事をしていて楽しいんですよね。飲料メーカーの子会社のときは、荷下ろしがかなりの力仕事で『女のやる仕事じゃない』なんていわれることもありましたけど、今はコンテナの輸送をしているので力仕事はありません。

とはいえ大型トレーラーの運転は難しいし、長距離を走るのも楽じゃない。簡単にできる仕事ではないですが、その分やりがいがあります」

緊張感はいつでもある。でも、それが性に合っている

趣味で車やバイクの運転を楽しんでいたのとは違い、仕事として走ることにはまた別の魅力があるという。

「今運転している大型トレーラーは、普通の車とはまったく別物で、かなり運転が難しいんです。バックモニターもなく、目視できない範囲が多いので、右左折やバックのときは、頭の中で緻密に計算しながら、自分の経験を総動員して運転します。

スリルというとちょっと語弊があるかもしれないですが、ある種の緊張感が心地いい。難しいから辞めようとは思ったことは一度もないし、むしろ難しいからおもしろいですね。

それに、ドライバーは基本的に個人プレーの仕事。運送中に荷物を壊しても、自分の責任です。私は連帯責任より自己責任の方が性に合っていて、ストレスなく働けるタイプなので、本当にこの仕事が向いているなあと感じています」

福田さんは社内でも指折りの運転センスの持ち主。人によっては数カ月かかる大型トレーラーの運転技術を2週間程度で習得し、早々に独り立ちした。会社の先輩からも「センスがある」と褒められる。

そのおかげでストレスなく技術を習得でき、楽しくてさらに仕事が好きになる、という好循環が生まれた。

「でも、自分の腕を過信はしません。当たり前ですが、安全運転には本当に気を付けています。

トラックは車体が大きく、積み荷も重いので、ちょっとしたミスが大事故につながりかねません。今のところ、ぶつけるような事故は一度も起こしていないのですが、常に緊張感は持っていますね」

田代運輸

田代運輸へ転職したのは、前の会社の人間関係に不満があったからだと明かす。前職では人が少なく、平均年齢も高かったこともあり、もっと人間関係に幅を持たせたくなったのだという。

シングルマザーとして実家で子育てをしているため、実家からの距離を第一条件にリサーチ。いくつかの候補の中から田代運輸を選んだのは、営業所全体の従業員が約50人というほどよい規模と、いろいろな人がいそうなところが気に入ったからだと話す。

「正直、待遇はどの会社もそれほど大きく変わらない気がします。だからこそ人間関係がよく、ストレスなく働ける会社を選びたかったんです。

ここは本当にみんな仲良し。同年代の仲間もいるし、1割ほどいる女性はみんな気さくだし、上司もかわいがってくれて何でもフランクに相談できます。営業所に帰ってきた時に、くだらない話で盛り上がる時間がすごく好きですね」

大変な仕事を乗り越えられるのは「楽しい」から

現在、子どもは小学1年生。同居の家族の協力もあり、福田さん自身は特に「小1の壁」などを感じずに働けている。また、田代運輸では子育てや家庭の事情に合わせて、働き方をフレキシブルに変えることも可能だという。

「トラックドライバーというと不規則なイメージがあると思いますが、基本的には土日休み。私の場合は、幸い家族が協力してくれるので、日曜出勤や地方への泊まりの運送も入れています。稼ぎたい人であればそういう選択肢もありますよ。

一方で、子どもがいるなど事情があれば、ある程度融通を利かせてくれます。私も息子が保育園の頃、遠方への運送担当から外してもらったことがありますしね」

福田さんは、単に日々の仕事を楽しむだけでなく、仕事を通して自分を成長させたいという思いも強い。

「現在はコンテナの物資を輸送していますが、今後はフェリーを使う海上輸送や鋼材輸送もやってみたいですね。ずっと同じことだけをやっていると成長がなく、ドライバーとしての幅が広がらないですから」

田代運輸

「もちろん、大変な仕事だなと思うこともあります。先週は山形、今週は神戸まで走りましたから。でも、好きだから続けられるんです。

私はこの仕事が好きで、やっぱり楽しいと思っていますから。以前特別に子どもをトラックに乗せたことがあるのですが、喜ぶ顔が見られてよかったです」

仕事が好きで、仕事をしている時の自分も好き。さらに、その姿を子どもに見せることに喜びを感じられるというのは、すごく幸せなことに思える。

田代運輸

転職するとき、ワークライフバランスが取れるかどうか、女性が働きやすい職場であるかなど、さまざまな条件を考慮した結果、最終的に「無難な仕事」に落ち着くことがあるかもしれない。

もちろん、働く上で「条件」は大事なこと。でももっとシンプルに「その仕事を好きかどうか」で選んでみてもいいはずだ。自分の感覚を信じて一歩を踏み出してみれば、思っていた以上に楽しい未来が開けるかもしれない。

母の表情をのぞかせながら笑う福田さんの姿に、「好き」こそ継続の原動力だということ、そして、どんな状況でも「仕事を楽しむ」ことの大切さを教わった気がした。

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取材/大室倫子(編集部) 文/古屋 江美子 撮影/竹井俊晴